横隔膜が第二の心臓と呼ばれるワケ

第二の心臓というと、多くはふくらはぎを思い出すと思います。


ですが多くの解剖学者は第二の心臓と横隔膜を呼ぶといいます。


なぜか?



難しく言うと、、、。

それは、正常な活動で下肢、骨盤、腹腔内臓から心臓への静脈血液の流れを助けていて、下大静脈の壁は、横隔膜の腹腔から胸腔への大静脈孔の大きさに変化を受け、下大静脈の直径は大静脈孔の大きさに左右されるそうです。
横隔膜が収縮し、下降すると、下大静脈を引き下げ、それによって下大静脈の壁が拡張され、その内径が拡大します。
同時に腹内圧を高め、内蔵及び下肢から拡張した静脈へ静脈血液を押し上げます。
横隔膜が弛緩すると、下大静脈があり、この牽引によって上方向にした大静脈が伸長され、内径が狭くなります。
これによって、管腔内圧が上がり、血液が右心房へ早く流れ込みます。


なにやら、わかりづらいので、
バッサリ言うと横隔膜が心臓の次に重要な筋肉で、血液を移動させるのに使われているということ。
また横隔膜について、
アプライドキネシオロジーの創設者グットハートは、発電機の発電子に相当すると言っている。
とても興味深い深い考察にかなったたとえだと思います。


余談だが、私の知り合いが横隔膜を引き攣らせると、周囲の家電製品を壊し始める。
いきなりラジオが聞こえてきたり、テレビが付いたり、部屋が暗くなったり。
それが私が施術で横隔膜及び大腰筋部分をリリースすると、ぱったりとやむ。
ただしばらくしてまた横隔膜及び大腰筋部分に負担をしいるようであれば、
また家電製品が壊れ始めることとなるのだが。


そのようなことが体験的にありますので、
横隔膜周辺に発電に関する何かがありそうだと考えていまして。


横隔膜の状況の良し悪しについて、簡単に推し量ることはできます。


下図をご覧ください。

握りこぶし一個.png


左図では骨盤と肋骨の間が握りこぶし一個あります。
こちらを標準と考えていただくと、
右図では骨盤と肋骨の間が狭くなって指が2〜3本程度の幅しかありません。


つまり狭くなった腹の中のスペースには内臓がぎっしり状態。
内臓が活躍するには周囲とは少し離れて腹腔内部といった水分の多い水の中に浮いている状態がいいのだが、
浮いているというよりもぎゅうぎゅうになってしまっている。
内臓が押し合い圧し合いしてしまうようでは、
横隔膜だって上下動しづらくなるのですよね。


たとえば右図の状態の方のみぞおちは固まり、
前胸部の肋骨下部の横隔膜が肋骨下端に付着している部位を押すとかなりな痛みが感じられることがある。


そのような状況では物理的な作用により横隔膜の働きが鈍る傾向がでてきます。


すると上述いたしましたが、正常な横隔膜による右心房へ早く血液を流すという作業がしづらくなるため、
気づけば下肢、骨盤、腹腔内臓から心臓への静脈血液の流れを助けることが難しくなっているのです。


つまり血が心臓に戻ってこない。
戻らない血液が足にたまったり骨盤内にたまったり内臓部分にたまってしまう。
足がむくんじゃいやすいとか、
下腹部のお腹部分がぽっこりとか、
内臓部分にぎっちりと隙間がない感じがして圧迫されてつらくなったり。
そのようなことが横隔膜が働きづらくなっていることからも起きてしまう。
このことは一般にはあまり知られていないようですが、
解剖学の専門家には当然のことのようなのです。


だから横隔膜がうまく上下動していないなぁという症状からは、
呼吸がしづらいですねといっただけではない血液の流れの悪化、
というプラスアルファのダメージが付け足されているのですね。



ただ実質右図のような握りこぶし一個ぶんのスペースがないと、
必死にそこを伸ばそうとしてエクササイズをしたりストレッチをしても、
特に慢性状態の詰まりの年月があると、
臀部や脚部、腰部、背部などの筋肉が萎縮したまま硬化してしまうので、
なかなか自分でこれを緩め伸ばすようなことは難しいようです。


それに相当な腰部の筋肉の萎縮があれば、
そこを解くための工夫と実績がなければ、
施術者でも容易には太刀打ちできません。


そして絵をご覧頂いて見えてくるように
右図は腰椎の椎間板が狭くなっています。


横隔膜の緊張度合いと腰椎の椎間板の詰まり具合と、
もしかすると、何らかの関連があるのではないかと。


横隔膜の付着点が腰椎の方へ及んでいるので、
横隔膜が萎縮緊張すれば腰椎の椎間板も縮みます。
それは観たまんまそうなんです。
だから横隔膜の緊張を肋骨への付着点を緩めることで、
それである程度の腰椎部分の緩める作業はできますが、
それをうまく横隔膜という視点を拡大して考察し、
横隔膜は胸郭の下端部にあたり、
肋間筋全体は胸郭の上端部にあたる、
一体物だと捉え直して横隔膜のリリースと同時に肋間筋をもしっかりとリリース。


そうするとあまりにも硬化して深部までシコリが入り込んだ腰椎周辺の筋肉群が、
そこまですると少しリリースしやすくなってくれます。


また横隔膜を緩める方法はいくつもあるのですが、
知られていないところでは骨盤底筋群が硬化してシコリ化が進んできておれば、
横隔膜は骨盤底筋群の状態に従って自由な動きを自ら制限してしまいます。
必ず骨盤底筋群と横隔膜は同期して動くことで働くものだという生理的反射から来ることでしょう。
だから骨盤底筋群のリリースが先決であるのかもしれませんね。
ここもまた解くのは難しいところですし、
一般の骨盤底筋群エクササイズとか、すでにそこが硬い人がやると、
ダメージをすでに持っているような筋の過剰な動かしにはさらなる筋緊張で応えてくれるので。。。
意外なほど骨盤底筋群のリリースも難しいものなんです。


または肝臓が硬くなってきていそうな人は、
もちろん末期的な状況では難しいのですが、
温熱ヒマシ油湿布のようなもので肝臓を温めて緩めていくと、
それに関連する右側の横隔膜が動きやすくなるようですね。


ただいろいろな視点で、状態を判断する必要があるので、
何気なく取り上げましたが、細々とした細則的なものは、
他にもごろごろあるようなのが横隔膜なんですね。



なので、横隔膜を壮健な状態に保てれば、
体はとてもよろしいのですよということ。
ひとまずは負担がかかり過ぎない程度で、
日頃から横隔膜に喝をいれるようにしておきましょう。


好きな歌をうたうのもいいでしょうし、呼吸法の練習をするのもいいし、
水泳など呼吸を意識しやすいスポーツをするのもいいでしょう。