ぎっくり腰になった!じゃ、大腰筋をゆるめなきゃ。

ぎっくり腰。


一度でもなったことがあると、可愛くない言葉の響きですね。


腰痛の延長線上にあるものだと思われるかもしれません。


腰痛、つまり腰部の筋肉が炎症を起こしてしまった。
それのひどいのがぎっくり腰だといった感覚です。


ですが、通常、自己治療的なやり方で腰部に湿布を貼っても、
ひどいぎっくり腰だと、数日はもちろんのこと一週間近く痛みが残ってしまったとか、
つらい思いをしたことがある方もいると思います。


確かに腰が腫れ上がるほどの炎症を持ってしまっている。
それは触ってみれば直感的にわかるものでしょう。


下図の起立筋という脊柱を支えるための筋肉が、
かなり強い炎症を持ってしまっているのですね。



起立筋.png





このようなときに施術をしているものの対処は、
腰部の強い炎症を持っているところに対して圧をかければ、
その炎症は確実に更に悪化することを知っています。


だから違う方法を用いて、
それを癒していきます。




そのひとつの方法を、考えてみます。


皆様は、大腰筋という筋肉を聞いたことがありますか?


大腰筋.png


腹部の内臓裏手といった奥の奥に位置している筋肉です。
胸椎11番あたりから腰椎5番くらいまでが上端の付着点で、
そこから鼠径部を乗り越えて大腿骨の内側の小転子といったところに付着。
とんかつなどでは、ヒレ肉と呼ばれる棒状の筋肉なのです。


大腰筋は、腰椎をおなか側から左右を支えるしっかりした柱になっている。
つまり内臓側に腰椎が倒れてこないようにブロックして支えあげています。



つまり腰椎を取り囲む筋肉の柱には、
背中側の起立筋という柱と、腹部側の大腰筋という柱があるのです。


起立筋と大腰筋で腰椎を支える.png


そして、なかなか起立筋に湿布を貼っても良くならない理由は、
察しのよい方ならばもう見当はついておりますね。



そうなんです。
大腰筋が、えらいことになっているのです。


多くのぎっくり腰になられた方々の談を聞くと、
お腹の中で引き連れたような感じがしたといいます。


それが大腰筋が炎症を持ってパンパンに過緊張状態。


それもしばしばみられるのが
腰部の起立筋の筋膜層とその炎症を持つ大腰筋が癒着を深めて影響を強めている状態なのです。



では大腰筋と起立筋では、
どちらがより強くぎっくり腰を起こしてしまう因子になるのでしょう。




それが圧倒的に大腰筋のようなのです。




いつもぎっくり腰を起こすと一週間は調子が悪いとか、寝こむとかおっしゃられる方が、
ぎっくり腰になってしまった。
そのときにたとえば大腰筋をカウンターストレインという
過緊張となった筋肉を縮めたまま90秒ほどキープする
筋膜リリーステクニックの一つをもちいて、
しっかりと緩める。


すると、あきらかにいつもよりも短い期間で改善が見られるのです。



ときにはぎっくり腰で這ってきたお客様が、
普通の顔でお帰りになられることもあります。


しっかり大腰筋をゆるめておいて、
そして同時に必要であれば骨盤周りの臀部筋の股関節をずらしている筋肉群を緩め、
肩甲骨周囲の筋肉をゆるめ、
場合により体のねじれを生じさせる原因になる部位を見つけ緩め。


そして最後には起立筋を首の後から仙骨部位くらいまでの長さで、
左右にキネシオテープでテーピング。
キネシオテープを貼るときに患部側は二重にしておいたほうが、
さらに効果的に痛みを抑えるようにできることもある。



そうこうして十分に施術法を熟知したものがサポートをすると、
まったく痛みが消えてしまうとまではいかないが、
いつものぎっくり腰の回復する期間も短く痛みも少ないですむ。



つまり、ぎっくり腰になりやすい方は、
大腰筋を過緊張にさせてしまうのです。



ぎっくり腰対策は「大腰筋を固めないようにしましょう」ということでかなり効果が出る。



そのことは大切なことなので、
いずれその概要を述べさせていただければ。


ただ、ぎっくり腰になっている方々のほとんどが、
大腰筋を固めている使い方をしているつもりがないという方々です。
それゆえに、指摘をただ、ブログ上でしても微妙な風が流れる感じ。


それにすでにぎっくり腰になられて繰り返される方々の大腰筋とは、
相当に強い線維化して過緊張が強すぎるため自己治療的なことでの
対象では成果をあげることは難しのではというのが私の考えです。
過緊張が厳しくなった大腰筋を腹部の内臓側に位置させていると、
その周囲の臓器がその大腰筋に引きづられて悪影響を必ず受ける。
そういったデメリットもかなりあるものなのです。


そういったなかで施術をする先生方も前傾で頑張り続けているため、
ひょっとすると一般の方が驚くくらい腰ではつらい目にあっていて。


専門的に体のことを学んでいる先生方でも、
その対処に自分の手でどうにもならないとあぐねて
「どこかにいい先生はいないですかねぇ」といった相談事をしていることもありますから。


大腰筋は、強烈なパワーを秘めた筋肉です。
軽々と数百キロもの筋パワーを発生させ脚部を動かすための筋肉でもあるからです。
その大腰筋が萎縮する形で強力な作用を生じさせてしまっている。
そうなると内にこもった大腰筋の力の誤った使われ方がなされ、
非常に多くのダメージを被るものです。


そのひとつが、ぎっくり腰なのですね。