『硬化著しい腱』は、休むだけでリリースされるか?人体実験レポ

腱の萎縮は休めておけばひとりでにリリースされるものなのか?


1月は、私が右足の甲の部分に腱を過緊張により
詰まりすぎてしびれが来ている状態にしておいた。


リリースしようと思えば、できる。
方法は、すでにわりだしています。


腱の付着点、筋肉の一番端っこの部分を、
BowenTechnicというソフトな腱引き法でリリースをしつつ、
アイロンマッサージによる熱を患部に注いでいき冷えて流動せを失った組織を溶かせばいい。
それに加え前脛骨筋部分が足の甲には関係するので、
この部分にリリースをしていくのは必須となります。


そのようなセッションを
3日おきに繰り返し3週間ほどで痛みは消えるだろう。
そうすれば先月までのダメージを得た足の指先の方も、
早くダメージが消えることもわかっています。



ですが、かねてから疑問を持っていたことがあります。



『腱や靭帯』は、使わなければかってに組織が緩むか?
予想としては、あまり自動的な緩みとは期待できない。
それを身をもって知るチャンス。



筋肉は、取り立てて施術らしきものを受けなくとも、
私は血圧が正常値をクリアしていますから寝てれば、
深層筋膜に根付いたものを抜かせばすべてリセット。
それが生理的現象によって当然のように起こります。


つまりしこりは熱を持つ血液が届く場所は解けるのです。
自力で筋肉のしこりの多くは溶かすことができています。


そのおかげで施術を休止して二週間も経つと筋肉が緩む。
ゆるみだす初期段階では、体に埋め込んだシコリが張る。
どうもいつも以上に息苦しく感じだすし、
それを無視し「外郎売り」という早口言葉の発声をする。
横隔膜の上下動をさせることが、
内臓という筋肉からなる組織のコリを、緩める力となる。


外圧を加えられるマッサージもいいのだが、
体の芯に近い部分を振動させて揺するのが
芯の筒を百会から会陰まで通して魂を振る。
そのような意識で内側の振動数をあげます。


「だるま落とし」という積み上げられた積み木を整えるには、
真ん中に穴が開いているからそこにハンマーの柄を差し込む。
そのように芯を通してあげることで外側の位置を整えていく。


そうすると内側はかっちり決まり強さもあり、
外側には固まらせるような意識は抜いている。
だから外見の筋を触られても柔らかいままだ。
そのような状態が、私の好みの筋肉の状態だ。


そうすることで芯から体を整えよう!とした。
筋肉部分は、かなりその仕方で従ってくれた。



『では、腱や靭帯も筋肉と同様に自動的に解けるだろうか?』


ここが注目すべきポイントです。


なぜ、注目すべきかというと、


筋肉のように、腱や靭帯の組織も、
質のよいエクササイズをすれば同時に緩むようであればいいのですが。


しかし日頃私が、
他方面で観察していくと筋肉ほどは腱や靭帯が再生できていないようだ。


私の施術では腱や靭帯のアプローチがかなりのウエイトを占めています。
それの理由は、
昔は筋肉を緩める意識が強かったのですが、
それは物を知らなかったからだったのです。


たとえば筋肉をハンダ付けされたリード線だとすると、
基盤の所定の場所にリード線のスチールの部位をハンダ付けします。
一本のリード線の頭としっぽと2つ部分ハンダ付けするのです。
はんだがよじれていたりハンダが甘かったりすれば、
通電しなくなって機能しないような代物になります。


いわば腱の部分は筋肉が骨にハンダ付けされた部位。
ここがダメージを受けることで通電できないリード線と同じ程度のことが起きる。
筋肉が丸々一本、役に立たないものになってしまう。


まぁ、役に立たなくなっていても、
本人的にはさほど気にしていない。


呼吸を通すような体の芯の筒がよじれると、
身体のよじれが自然発生的に生まれてきて
さりげなくよじれと共存しているからです。


それがよほどの深層筋の萎縮まで発展する。
するとはじめて嫌な感じの不快感がでます。
そこまでにかなりの許容量がありますから。



・・・・・。


今回は、その骨に付着する腱が自動的に再起するかという
経過を観てみたいと思いました。


わざと痛みやしびれでても放置。
けっこうしんどかった〜。



結果から申し上げますと、
私が想像していたとおり、
腱部分は休んでいるだけでは解けなかった。
1月末日になっても多少は改善した程度だ。


一ヶ月程度では焼け石に水だったのだろう。



1月中にスマーティという遠赤外線サウナに、
2回ほど2時間ずつ入った。
それだけではダメだろうし。


この機会だからと少しは動きの操作性を工夫したが、
それでも残るものなのだ。


実は一番画期的だったのが、
静電気を地面に放出する静電靴を履いたときがよかった。
そのときは不思議なほど改善が実感できたので興味深い。


腱と通電とは、なんらかの密接な影響があるのだろうか。



ちなみに遠赤外線サウナは、人の手を介していないから、
手技療法の先生が使うような手技技術が必要ではない。
遠赤外線サウナだけで改善したらそれはすばらしいと思った。
遠赤外線サウナを導入している治療院もけっこうありますから。
もしもそれで対処できるようだったら、それでいいわけです。



筋肉部分が柔軟性は向上したが、
腱や靭帯はいまいちだったので。



多大なほどの成果がそこに感じられない。
遠赤外線サウナに、入る前と入った後で、
関節の可動域の制限をモニターし感じた。



そのような人体の筋肉と腱(靭帯)との特異性を、
自分の体の感触でつかめたことは大きな成果です。


それにより腱や靭帯へのアプローチ方法の進化に
自分の工夫を加味して使い勝手をよくさせていく。


そこは、
施術者に依頼したかどうかの差が大きくなる部分。
そのように感じられました。



人は、腱がいったん深く固まってしまうと、
大抵の人はそのまま一生持ち越してしまう。


そういった現象がおこるのではないだろうかと仮設を立てていました。


なんとも手詰まり感のある嫌な仮設ですが、
できれば一般の方々も積極的にその視点をもち、
腱(靭帯も含む)部分が筋肉とは違った特徴を認めて
アプローチをそこにとどかせるよう工夫する施術者を選べばお得感があるのではないか。


私の知り合いの先生は、オステオパシー系の『靭帯性関節ストレイン』という
靭帯や腱を緩める手技を研鑽し工夫も加えておられます。
そうすることで成果がでて、お客様があなたでなければと言ってくれるのだと。
そう申されていたことがありました。



だから施術を受けられるお客様自身が、
そのようなことを理解したら、
かなり施術の先生を選ぶ際に、
目から鱗が落ちる感じになりますよ。


実際に受けてみれば、
差が出てきますから。




私がいう筋膜マッサージという概念は筋組織を解くといういみではありません。
特に筋膜という膜が極端に寄り集まっていて筋肉繊維が入っていないところが、
靭帯だったり腱なのだから、そのようなところの問題点をいかに切り崩せるか。


そこを狙っているのです。


筋肉マッサージと筋膜リリースと。
ちょっと見では同様に感じられる。
ですがすこし差異があるのだろう。
そう受け止めていただければ幸い。




余談ですが筋繊維部分ってタンパク質で出来ているから、
そんなに固くならないものなのです。
ゆでたまごをぐつぐつ湯だったお湯に入れて作るときに
熱して熱して白身が硬くなっていくでしょう。
それがタンパク質が固まった状態です。
そういったムチャな熱し方は人体はありえませんからね。


それに引き換え、
その筋繊維を取り巻く筋膜だったり腱だったり靭帯は、
コラーゲン組織でできているので、
それはちょうど板ゼラチンと同じ。


あれほどのカチンコチンにもなる。
ゼラチンの固まりを消しゴム大に
つくって置いたのを手渡しますと
プラスチックですよねと言われる。
強固なものに化けてしまえるので。
紙も切れるし凶器にもなりますし。


そういったものに、
靭帯や腱のもとの組織がはなりやすい成分で出来ているのですから。


いったん、ここまでいってしまうと、
遠赤外線サウナで温めても動きを工夫して関節の隙間を広げても、
実際にっちもさっちもいかないものなんだなと思えてくるでしょう。


だからもし腱や靭帯の扱いをよく知らない一般の方が、
硬化した腱部分をムリに圧をかけてしまうようなとき。
パキッと折れるような剥離骨折的な危険も起きてくる。
またはねんざ痛のようなひどい目にあわされることも。


柔軟性あるものならみずから形を変えて壊れませんが、
硬い状態のものは、脆く破壊されやすいものですから。


そのような筋肉と筋膜との組成成分の特性を把握して、
厳密な筋肉と筋膜との言葉の使い分けをするべきです。



またじつはバレエダンサーや武道家も優れた者達になればなるほど
腱を張って動かすという筋肉主導から一歩進んだ動きの用法に熟達。
自分の身のうちにその腱や靭帯の機能をありありと体感し切ります。


腱や靭帯の機能を引き出すためにはどういった状態にすればいいか。


自らが実感を持って嘘のない動きをすることが前提で鍛えていれば、
筋肉主導で動くことのてこや滑車の効率のいい原理が使えない不具合を知るでしょう。


そしてそんな自分自身の体の内側に起きている状態を感じ、
それを理解した上で筋膜のリリースをすることができます。


自分の体の中の腱や靭帯の機能をフル活用できない人には、
腱や靭帯の使い手がおこなったリリースとは気配りが違う。


切れ味が、まったく違っている。
雲泥の差とはこのことでしょう。



そう思います。


私ごとですが腱や靭帯の操作が大事と思いつつも、
自らの身体操作が至らずにいたときと、
少しだが感覚がつかめるようになってからとは段違いの施術成果。


だからこそ私自身、まだまだ使えない。
反省の場に立ち模索しつづけています。
ですがそこがのびしろのようなもので、
使えるようになれればどんなに気分がいいのだろうというあこがれ、
期待感は皆様が思う以上のものでありましょう。


まさに見えるようになる目があれば、
一般の方が気づかれないほどの微細な操作にも
厳然としたそうする理由がわかったうえで施術ができる。
ミリ単位の半分の位置修正にも成果が跳ね上がることも。


ということですので、施術家の身体性能の優れた状態と、
お客様の身体の改善具合とは比例する点があるのですね。



たとえばほねつぎの先生や整体の先生で武道の猛者で、
存分に腱や靭帯の操作の威力を発揮していたならば、
自分の体の内側のコンディションに似せたようにお客様の体を持っていけばいい。


そのような優良なサンプルを自分の身体内部の身体感覚に具体的に基づいている。、
そこがお客様の状況を改善させるロードマップというのは心強い。


このロードマップがない人はとらえどころのないトンチンカンのことをしている。
落とし所が見えていない不手際からくる。


今となれば、私も施術をし始めた当初は、
まさにそうであったのだろうと思います。


ただただ平謝りさせていただく状態です。 


これから挽回していくように頑張ります。
前向きに、そしていつかこれじゃあなと
過去にそう思われてしまったお客様にも
納得していただけるような成果を出したいですね。