動作は『虚実分明』としつつ虚実の力量を釣り合わせるべし。

動きの質を高めるには、
『虚実を分けて』いく。
そして(実)-(虚)の量は釣り合い続ける


この計算を最低限ベースに置いておく。


体のシーソーを維持するバランスが大事だ。


これがあれば、激しい動きをしたとしても、
体は壊れずかなり持ちこたえられるはずだ。


その上で動作の無駄を省きスムース化させ、
関節の方向や、腱や靭帯の使いを工夫して、
結果的にパワーを発揮できるようにもなる。


私がイメージする質のいい身体操作です。


体内深層までの血液の流れを促進させるポンプが働き爽快になる。



やり方の要領を文で伝えづらいのですが、


人は、クセで力を入れる方ばかりに意識が取られがちになります。


今、私が思いついたやり方なので、不手際もあるかも知れないが、
次のような実験をしてみてください。


右手を『グー・チョキ・パー』の『グー』にして握ってください。
渾身の力で握りましょう。
30秒ぐらい握ってもらう。



・・・。


ブログという文章がすぐ見えるものなので、
結果を先にお知らせするわけですが、
左手も右手のギュッとした握りにつられてませんか?


いつのまにか左手の力こぶが出る上腕筋がぐぐっと力みだして、
左掌もこわばっているかもしれませんね。



このときを右手を(実が力量が+100)だとすると
左手を(虚も力量が+30)ぐらいでしょうか?
すると実の総和が(+130)となってしまう。
実が過多で陰陽のバランスが崩れた気詰まりが、
心配になっている状態です。


実際に気詰まりがある動作は、
息をしないでがんばる状態に。
長続きしないのです。


実が重なれば心臓を圧迫して、
循環器を停滞させるだけだし。


力の内攻が筋や腱を痛めます。


あまりいいことがないように、
思いませんか?




ではこんどは、
左手をギュギュギュと握りましょう。
(さっき右手を酷使したので、また酷使させると悪いので ^-^;)
渾身の力で左手の腕力をあらん限り使って。


ただ今度は、右手のてのひらを意識的に軽く爽やかに宙に吸い込まれるようにイメージして。
「右手、軽いじゃないのー。ちょっとてのひらをパーを強く開ききるともっと軽く感じる!!」
という感じで、少しずつ上へと自然に持ち上がっていく感じを創りだしてください。


このときは左手は(「実」で力量が+100)、右手は(「虚」で力量が-100)とします。
力量の虚実が一致できることは、収斂を積んだ達者な方でなければ難しいのですが、
便宜上、こうさせていただきます。


すると虚と実を加算すると(-100)+(+100)= 0 となります。
てのひらの左右が虚実のバランスがとれている。
この虚実を分けて絶妙に吊り合わせたときには、
体内の気血の流れは活性化する。


つまり虚というスペースを開け、
隣で実という力が加わるときに、
実から虚への「流れ」が生じる。


虚実に流れが生じるときには呼吸は楽に促進できます。
血液も心地よくどころか活気づいて循環器の中を通る。


だから筋や腱が育ちます。




したがって、
『実』。つまり力を入れる方にばかり気が急くクセに気づき、
『虚』。つまり力を入れるならば同量の軽さを創る習慣化を



それは力を発するとは虚実で、
強く実を打てば強く虚を打ち、
弱く実を打てば弱く虚で打つ。


そういったバランスなのです。




これが動作をスムース化させる関節の動きを気づけば、
『片方が開ける動作』で『反対が閉める動作』となる。


奥深い武術の動作にはこれらはしっかりある。
実に素晴らしいエクササイズになりますよね。



ちなみに
左右ともに実・実のような動作では、エネルギーが内にこもる閉鎖型詰まり
左右ともに虚・虚のような動作では、エネルギーが外にダダ漏れ浮ついてる



動作は『虚実分明』としつつ虚実の力量を釣り合わせるべし。


これは観る人が見れば、
「あんたダメだな〜」とか「あんたいいね!」とかが、
きっちり白黒がついて見えるものだから気が抜けない。


ただ、言うは易く行うは難し。
身に付けるのが大変なんです。


私も睡眠不足でなまりきった体を、
どげんかせんといかん・・・。


自戒の意味を込めて、
書きました。 ^-^;