「左側の腰部のココ!」を解いて!

あまり詳しいことはお伝え出来ませんが、
今年の2月頃にメールをいただいた方がおられます。


お体の調子がよくないため、
施術院をいくつか通われたそうです。


ですが思わしい成果がなく、
困っているとおっしゃられ。


身体的には交通事故での横転による障害や、
山での事故などにより大きなダメージを負い、
それから輪をかけて体調が思わしくないわれます。


10回ほどメールのやりとりをさせていただくと、
お体の状況も徐々に当たりがついてきます。
その10回のメールのやりとりの間には、
他院に足を運ばれて調整を受けられるよう
試みられたそうです。


うまくそれで改善できるようならば、
ほっと一息つけましたよとか、
ようやく夜によく眠れるようになりました、
など、私もお客様もにっこりできますが。


予想に反して、残念ながらそうは落ち着かなかったようです。



メールの様子を観させて頂いて、
もしかしたら・・・「筋肉が良すぎ?」と。



まだバイタルサインの状態もお伺いしていませんでしたが、
まんま、このような状態が続くと精神的にもしんどいことになる。


血圧が低くなっていたり体内の酸化が進めば、
筋膜が容易に癒着をしだすので筋肉の硬化が
自前のコルセットを作り出します。


そのようなコルセットは、
深層部の筋肉まで絞めて、
動脈の管を圧迫します。


そうなると、
それはそれでつらいのですが、
痛覚神経も神經が麻痺しだす。


そうなると意外に苦しまない。


たとえば私が施術をさせていただくときに、
「なんとなく、ちょっと調子がいいともいえなさそうなのできました。」
と言われると、ビクッとします。


筋肉の回復力がある人は、ちょっと筋が張っても苦しくてしかたがない。
対して、自前のコルセットがしっかりはめられてしまうと、
それはそれで、普通に生活してみても、取り立てて不自由は感じない。
もちろんむくんでみたり、疲れやすかったり、アレルギー体質だったり、
不調が感じられないわけではないのですが。


筋肉の回復力がある程度あって自前のコルセットを作らない人には、
精神を異常に追い詰められるほど追い込まれるつらさがきますから。



数日前、私の予想を裏切る状況の流れがあり、
これはもう、どうメールでやりとりしていてもらちがあかない。


そこで施術のデモワークを一度だけということで、
先日、お越しいただきました。


筋膜を深くリリースすることで、
ある程度、解放に向く人はいるのです。


ただ深くまで緩めてもらえないときは、
すでに作り上げた筋肉のボリュウムが、
いくらでも通常の施術の圧を跳ね返す。


そうなるとなかなか体の改善が思うに任せない。


過去になさっておられた運動に、
「ボートを漕ぐ」という競技をなされていたそうで、
まさにそのボート漕ぎをしたときのコリコリを、
そのまんま「筋肉太り状態」でついたままです。


ここに個性的な筋バランスがあったことを発見。


ここの力が「あまりにも強い」。


私が観てもちょっと目が点に。
だから「これはボートでしょう」と、
わけもなく繰り返し繰り返し言ってしまった。


筋力が強いという特徴が、かえって、
頭の上からお尻の方まで、相当な長さをもった強い牽引力の影響を受けている。
かなり強靭なパワーがあることがわかる。




今までの交通事故の被害や山でのことも影響はあると思いますが、
この左腎臓高さの裏手のしこりの量が強すぎます。
通常は右利きですよとなれば、
右の腎臓高さの裏手にしこりができます。
その通常できるしこりもちゃんとあるが、
そのいわば生理的には左側のここの部位、
これほどの硬いものがつくわけがないし。


そう言えるような、
自然な動作から生まれないものなのです。



腰裏の硬いところ.jpg


アナトミートレインでいうところの、
バックラインづたいにかなりの牽引。


これは慢性化が著しい状況ですから、
まずはここを緩めないと話が進まぬ。


左側の腎臓裏手にある筋肉の強さが、
坐骨結節部分まで影響しているので、
普通に椅子に座るだけでも当たりがキンキンする痛みがでてしまう。


起立筋の緊張は交感神経を優位にさせるため、
寝付きが悪いし、寝ても疲れが取れなくなる。


それは頭部の頭皮等に影響を向けていってる。
頭蓋骨をぐいぐいと圧迫されているかのよう。


これはこれで脳脊髄液が通りがよくなくなる。
だが理由は頭蓋骨部分の縫合のズレばかりではなくて、
まずは腰部裏手の硬化した筋肉太りといいえるような、
積もり積もった部分のリリースをしていって一息つく。


改善するかどうか、一息つけるかどうかがわからなと、
精神的に相当な不安になるものだとお察しいたします。



一度の施術デモでは、
基本的に慢性化した筋肉の硬化しつづけようとする恒常性には勝てません。
だから言葉でいうと乱暴ですが「焼け石に水」です。
本当は幾度かの施術が必要なのはわかるのですが、
未だに予約順番待ちでおまたせしているお客様がいます身ですからそうすることもできずに、申し訳ない。

幾層にも連なっている癒着部分を、
丹念に丹念に剥がしていくことが、
積み重ねていく。


おそらくそこの愚直さが私の施術の特徴です。


筋膜の癒着のリリースは、
真剣に内なる自分と出会うためには地道かつ長き道程があるのです。
それを経ていけば、きっと、とても楽に生活もお仕事もしやすくなるのではと、
私は思いました。


ただ、とりあえず、
「左側の腰部のココ!」と、
このようなわかりやすい様子では、
他院に通われることも視野に入れていただくさいに、
「ココを解いて!」と言っていただければいいはず。


施術者に、筋膜を丁寧に緩める意識がある先生なら、
相応に改善なさる可能性があるのではないかと思う。



先生ごとの見立ての違いはあると思うのですが、
ここはカバーすべき必須ポイントだと思うのですが。。。