丁寧に木刀を振ると更年期障害も起きない?

自分の動作を丁寧に。
雑に扱うなら、しっぺ返しをくらうことになるものです。


たとえば私の知り合いの先生。
勝手に登場させてしまうのは申し訳ないのですが、
とある施術関係のセミナーに通われて学んでいる。
そのようなことをお伺いしました。


ちょっと興味深いセミナーで、きっとためになられたことでしょう。


ただ、ひとつだけ、私がお伺いしていて、
お伝えしていただく講師にもうひと押し。
ぜひ、もう少し気を配ってほしいと感じたところがありました。


「木刀を振る」ような修練をしなさいと指導されたそうです。
木刀の振り方が悪いと、力任せに動作させる雑な筋肉を作る。
それで、根性は養えるかも知れません。
筋肉も、それなりに増していくはず。


講師は「とりあえず頑張って振れ」的な指示。
真面目な方々は、一生懸命、言われたままに木刀を振ります。
それで胆力がつくのならばと期待。


ですが、それでは体を壊すリスクがあるのです。


私はここ半月、
木刀振りを趣味化させています。


スキャニングをする作業中。
本のページをめくって、スキャナーが「ガガガガァーッ」と20秒ほど
レーザー光線を本に当てて情報を読み込む作業中に木刀の素振り。
レーザーが当て終わって次のページを自動スキャンする設定にしてあり、
キリの良い所ろでページをめくってスキャナーに3キロほどの重りを乗せ置いて設置完了。


私が持っている木刀の中では重さが一番の「鹿島神宮御神刀」を、
ぶんぶんと。


1ページが読み終わると、ページをめくってセットしてスキャナーが読み込む。
そして木刀を5回から10回ほど振り込むのですが、
1ページごとに新たな部分に意識を変えて振ります。


たとえば手の握りを変える、
肩甲骨を意識して動かし肘で落とし打ち込む、
意識を上空に浮かべて俯瞰で見ながら振る、など。
思いついたままにパターンを変えながら振り込んでいきます。


意識する点をひとつに絞り切ることで、丁寧な動きになる。
幾つもの動きを同時にするようなことをすれば、
人はいついた動き、ブレーキを踏むような動き、
つまり自分の内側に力がこもるような動作になるものだと、
先日、合気柔術の岡田師範もおっしゃっておられたのです。
これ以上ないような、わかりいい教え方でしたから私にも、
それは余裕で伝え聞き、納得が出来ました。


一回ごとの振り方ごとに様子を変えることで、
まんべんなく筋肉を多様に動かすきっかけを与えています。
通常の私の脳の中ではとり行うことがないような操作です。


そして、数百ページの本を取り切るまで木刀を振るのです。


そうやっていくうちに、どのようなパターンをしたときに、
振りの感触がよかったのかを記憶しておきます。


そして感触がよかったパターンを組み合わせて振ってみる。
何度か振ってみると調和が少しずつとれてきます。
するとかなり重い木刀の重さは空気ほどの重さもなくなる。
何かを握って振っている感覚も少なくなって感じられます。


そしてまた明日。そして次の日。


新たに試みた振り方の意識で感じがよかった動作を見つけて、
それをまた乗っけて整えていく。


それでパターン化した動きをしようとするところから脱出。


一人ででも振りのセンスの磨きをかけていくことができる。
誰かに教えられるというものは、
正解を聞くという感じではなく、
深く切り込むためのヒントをもらえたという感謝の気持ち。


その示唆に富んだヒントに自分の工夫を載せていくことで、
組み合わせのバリエーションが広がります。
重要な型を授けてもらえたという意識には、
それを取り込むことができたあとにだけなれるものです。
そこまでいくまでは、借り物競争で他人の借り物を拝借。
そのような感覚が拭えないのかもしれません。


私の友達の合気柔術をなさっておられる方も、
自ら考えて型を自分のものにしようと前向き。


私も、その爪の垢を煎じて飲む感じです。^-^)


武道での修練の殆どは、教えられてできるものではない。
丁寧に自分の体に聞く。
事細かに対話をします。


自らの創意工夫が生きる。


創意工夫力がセンスを磨き、
それで自分の流儀が決まり、
それで終わりのない成長の過程を楽しめる。


そこがとりつかれると、たまらなく面白い。


それは大人になればパターン化した動作を繰り返し、
脳に運動神経系の創作に関する刺激が激減していく。


それが一般的なところでしょう。


年齢があがってくると、
誰もが更年期という時期にさしかかります。


たまたま、私の左隣に『男も女も更年期から始めよう―976人に聞いたその時の変化、これからの準備』という本。
図書館から借りてきたものですが、
男性の不定愁訴、気力の減退、仮面うつ病など突っ込まれどころが多くて。


知性と理性を司る大脳皮質->本能と欲求の大脳辺縁系->内分泌ホルモンの視床下部へと伝わり、
交感神経と副交感神経を制御を正常にすることで男性の更年期障害は軽くなるかなくなるのかも。


常に創造性をもたせた身体操作を繰り返し大脳皮質や大脳辺縁系にまで新鮮な刺激を送り続ける。
私が知る合気道をしていたり、太極拳をしていたり、
まさに創意工夫をして練る動作で自分を成長させている方々は、
更年期障害に悩まれているという話を聞いたことがありません。


筋肉の質が柔軟でさることと、
脳の質が柔軟であることとは、
私は同値であるのではないか?


汗をかきながら必死に修練をして、
自分の体を作り上げている人たちをみると、
そのように思えてなりません。


そのように考えて剣術として修練をしていくこともいいでしょう。


それで究極バランスが釣り合いを持てた時の莫大な力の作用を気づけば、
身体がシンメトリーに美しくなる方向へと移り変わってゆくはずです。


工夫せずに回数をこなそうと振るものと
工夫して振っている人とを比較してみて。


一般の方には、外見上は、ただ木刀を振っているだけで、
さほどの違いもないように思えるかもしれません。



ですが体の内部的な立て付けは、
一年もすれば両者の開きがでてきましょう。



そして施術者セミナーでの木刀の素振りを推奨される際には、
一振りごとに創意工夫をさせていただけるようなステップが、
成長していく過程でありますからね!
そのような宣言をしていただけると、
いいのではないでしょうか?


力任せに木刀を振ると、
間違いなく頚椎がねじれたりショートしたり、
ダメージが蓄積されていきます。
体調に変調を来すものです。
更年期障害時期には、
意外なほど頸部の血管の圧迫により脳内の血流量が低下して仮面うつ病になりやすいと言います。


丁寧に、動きの創造性を。


まずは、自分の体との対話。


ちょっと、一部のひとぐらいにしか馴染まなさそうな考えですが。
やってみて、その良さに気づくと、
気分は高揚するし、生まれ変わる。


すっきりした快感を味わえますよ!