「反り腰」探検と、お願いと


ここ数日、メールでのやりとりや施術中に、
反り腰になりつづけるのは、
本当によくないことと思えました。


反り腰にすることのメリットも主張されている方もおられるのですが、
一応のこと予備知識として、
下記の内容を把握してみて、
検討していただければと思います。




骨盤の傾きの正常と過ぎた前傾.JPG


上記の絵を観ていただきたい。


左右の図を見比べてみて、
よーく観察をしてくださいね。
いくつか情報が読み取れます。


視点を深めれば、
10も20もの、
数多くの情報を読み取れます。


そのなかでわかりやすい代表的なところを、
チェックしていきましょう。




腰椎の後ろ側にゴジラの背中にある特機みたいなものがあります。
こちらを『棘突起』と呼びます。


ここに着目してください。


すると見えてくるものがありますね。


骨盤前傾で腰椎椎間板のくさび形化と棘突起のぶつかり.jpg


左の正常な腰椎では、○印の内側の棘突起が離れています。


右の反り腰な腰椎は、○印の内側の棘突起がぶつかります。


棘突起って、ぶつかっていいものなの?
腰を反る姿勢をするときもあるから、
ちょっとぐらいは目くじらを立てる必要もない。


ですが、常時棘突起同士がぶつかるならば、
棘突起同士をつなぐ靭帯が萎縮した状態に。
または椎間板を固定させる靭帯たちも萎縮。
棘突起同士が危険なほど接近した間がない状態で棘突起同士があたった場合は、
目くじらを立てたほうがいいのです。


棘突起部分は骨で出来ています。
とんがった骨と骨がガチンコでぶつかれば、
どうなるでしょう?


過剰に圧がかかれば骨折するかもしれませんね。
ただ通常は、これほど棘突起が接近したままになると、
周囲の棘突起同士をつなぐ軟部組織群が硬化短小して、
関節としての動きを失わせてしまいます。


そうなると、、、椎間孔狭窄が起きてしまいます。
椎間孔狭窄はざっくりイメージしてもらえば
脊椎から神経が分岐して内臓に配られていく神経配線を、
椎間孔狭窄部分で電気的にノイズが入り誤作動等引き起こすような
デメリットが生じてしまいます。
ここでは腰椎部分から枝分かれする神経が消化器にいくので、
大腸等の消化器への不具合がでてしまいやすくなるので注意が必要です。




つぎに椎間板の形状比較です。
椎間板は椎骨と椎骨の間にある強力なクッション。


骨盤前傾による椎間板くさび形へ.jpg


左側の正常な腰では、ドーナッツを横から観た感じですね。
上下が地面に対して平行です。


右側の反り腰では、自動車などを坂道で止めるときに打つくさびの形になっています。
くさび状になると、押しつぶされて小さくなっていく部分の量により、
次第に腹部側に椎間板の中身が移動していきます。
それが椎間板ヘルニアへ進行することもあります。
そして地面に対して斜めになっているのがわかる。
するとこの腰椎椎間板という
椎間板のなかの大黒柱の中でも最も大きな勢力のある上半身を支えるクッション的存在。
そんなクッションが斜めになっているならば、
上に乗せられた横隔膜以上の上半身は斜めに滑り落ちる滑り台に乗ったようなものです。
滑り落ちるのを拒むには、腹直筋を硬化させたり、起立筋や大腰筋を硬化させ続けて、
わざとしこり化させて支え材にすることを選ぶ人も多いでしょう。


体の腰椎の支柱が曲がる状態を続けたものは、
ほぼ100%しこりをそこかしこにつけることで、
体を支えるような仕組みになっていることでしょう。


それに中心軸が腎臓の高さあたりが垂直になった際に、
中心軸を正しく感知できるような仕組みもあるので、
腰椎が反れば、、、その垂直ラインを感知できない。
その場合にいくら中心軸を感じてもらって、と説明をしても、
頭ではイメージするが体では理解できずに、寂しい思いをする。
中国武術では、命門を開きましょうとか、腎を立てようなどといいます)



ただこのしこりの支え材を作ることがしづらいような方の場合。
本来は柔軟性を取り戻しやすい優れた筋力を持っているのがこの場合は仇になり、
体内にコルセット状の支え材を持てていれば、
こちこちになったしこりが支え材として活躍。
ただその支え材が作れないままに体の反り腰がきつくなる。
そうなると、椎間板を危険なまでに潰してゆきます。
すると、椎間板関係の症状として現れてしまいます。
実際は椎間板ヘルニアになられる方の多くの割合で、
筋肉を柔らかく保てるような良い筋肉をしているし、
施術で早々にリリースして反り腰による負荷をかけない姿勢に指導改善なされればと願います。
自分はひどい腰だからと本人がいっていても、
意外と思われるかもしれませんが比較的、筋膜リリースがしやすいタイプです。



消化器、生殖器、泌尿器のエリアの違いを観てみよう!
骨盤底筋というものがそれら臓器の最下部に敷いて吊るしたハンモックだと言われます。
ただこのたびは情報をわかりやすくするため、
腹腔エリアを観察するには、
腹皮は恥骨が最前面、背部は腰椎の位置でということで観てみましょう。


恥骨から前に、お腹がぽっこりと出っ張るときもありますよね。
下腹ぽっこりですが、反り腰の場合は、
内臓が正しく恥骨までというお皿の上に収まるスペースがなくなる。
すると出っ張ってしまうわけですが、この出っ張った部分は腹圧がきつくなるため、
理想的な臓器としての働きをしてくれない部分になってしまいます。
だから、その出っ張った部分は都合上無視させて頂いて話をします。


骨盤前傾の腹腔内スペース狭小化.jpg


チェック柄のボールのなかに、消化器、生殖器、泌尿器が入っています。


左側の正常な腰のチェック柄のボールは大きいですね。
だから各臓器も自分の居場所をゆとりを持ちながらいられるから快適です。
快適がゆえに、消化もよくお通じも快調です。


腹部に通る、腹部大動脈大静脈なども圧迫されていませんから、
それら臓器エリアに血のうっ滞は起きておりません。


右側の反り腰ではチェック柄のボールは小さいですね。
だから各臓器は自分の居場所が狭められます。
通常は反り腰が期間が永ければ内臓が下垂します。
反り腰がきついと肩が不用意に引き上げられていき、
肩から吊り下げる紐が伸びて吊られる臓器が下がる。
臓器のぎゅう、ぎゅう、という窮屈さも強まります。


そうなると最下部に膀胱があるので、
膀胱への圧迫が強くなりすぎてスペースが矮小する。
するとそれほどおしっこがまだ溜まっていない気がするにもかかわらず、
膀胱のスペースが小さくなれば、しょっちゅうおトイレにいきたくなる頻尿へ。


または立ったり座ったりした拍子に腰椎の反りが大きくなったり、
横隔膜をうっと力ませる瞬間があって腹腔内の内圧がより強まって下方を圧迫する。
すると過活動膀胱のような不都合も起きやすくなります。





ただそれだけが問題でもありません。


仙骨や尾骨の固まりきらず柔らかい時期から
反り腰がキツイ状況です長い期間続いていく。


そのような場合に、尾骨が肛門側へと鉤手のように強い曲がりが生じます。


尻餅をついて尾骨を強打した時もそのような曲がりができることもあります。
ですが幼少期からの場合は、
急性で尻餅をついて尾骨を骨折した場合以上に曲がりが硬く、
尾骨の正しい方向への可動域をつける動きが取りづらい。
その尾骨の曲がり方の強さは、
その状態を作り続けてくるようにする様々な筋肉や靭帯など、
特に靭帯部分などの骨化に近い硬化が特徴のようです。

ただ、この尾骨の肛門方向への強いずれが、
カニズム的に腹腔内を狭小化させるようなことがあるのではと、
これは私が個人的に観察して感じていることで一般的な視点ではないかもしれませんが。
そのように感じることがあります。


それはバレエをなさっておられる方が、最初は尾骨が曲がっていたのですが、
日頃のトレーニングと施術が噛合、奇跡的にも体の各部が変化する過程のひとつとして、
尾骨が自力で伸ばされてきた方を、観させていただいたことがあります。
ケースとしては、私がおこなうような小さな規模のことですから、
例の数が少ないのですが、
体の伸筋を主体にして徹底して使いこなそう月間をしていかれた時のことでした。


肛門側に曲がっていた尾骨が下を指し示すように伸び始め、
それと時を同じにして、腰椎が立ち中心軸を見つけられました。
私が観て、外見上、質の違いに数秒せずに気づく様子です。
ただ血と汗と涙のようなハードなトレーニングや気づきの末、
尾骨だけが問題だというわけではないのかもしれませんが。


振動数が可変する唯一の骨である仙骨のアンテナ役が尾骨。


しっぽを立てて、バランスを取るような、塀の上の猫のよう。
尾骨が精緻な体バランスを取るための仕組みがあって、
その尻尾が腎を立てる、命門を開くのに関係があると、
私は感じています。



アメリカ等にてカイロプラクティックを受診して、
尾骨矯正を受ける例は少なくないといいます。


もし、尾骨矯正の治療院を日本で探すよりも、
臨床例が圧倒的にあるようなアメリカ等での
信頼できる治療院がわかれば。。。


そのような情報をお持ちの方がおられましたら、
現在、お客様のことで私も調べておりますので、
情報を寄せていただけましたら幸いです。
よろしくお願い致します。