血圧の理想的な高さの方と上が100を割り込む方との違い


お客様の書かれた質問表で
私が重視するものな、なに?


その筆頭は、血圧の上です。


血圧の上が126辺りなら、
自力で筋膜の癒着の多くを
寝てるときや足を動かして代謝促進しているときに、
効率よくリリースしていますから心配はないのです。


そのような心配ない方々でも深層筋まできっちり緩めるというメンテナンスをしていただければ、
自分では気づくことがないようなディテール部分の底上げをしていくことができますから、
不思議とそれなりにリリースを受けるメリットは感じられるのですが。


血圧が100を割るとき。
そのような方々には深層筋までリリースをされることのメリットは大いにあるといえるでしょう。


寝ても休んでも、体の末梢部分まで血流が行き届きづらくなっているため、
自力で筋膜の癒着を解く生理的な力を上回るペースで、
筋膜の癒着を増やしていく可能性があるからです。


そうなると自律神経系に十分な酸素が送り届けられないから、
自律神経失調症的な不定愁訴がでてきたり、
慢性疲労から抜け出せなくなってきたり、
古傷や故障箇所が多年に渡り維持したり。


体調的に思わしくない状態の「どツボにはまる」が低血圧なのではないかと、
私は、そのように長年の施術をさせて頂いて感じております。


低血圧にも、
1)遺伝的な素養からくるものもありますし、
2)心臓に関わるいくつかの胸椎が係る椎骨部分の変異が起きて心臓機能に問題がでていたり、
3)血管をひとつまたは複数箇所にわたり強く圧迫をしてしまっていたり。


1)の場合
遺伝的な低血圧になりやすい代々の家系的な素養については、
施術でも対抗しづらいところがあります。
そちらは残念なところですが、
お医者様とのご相談を綿密になさっていただくことがよいでしょう。


2)の場合
心臓に関わる胸椎部分が変異して心臓への神経の分配部分が調子が悪く接触不良であったというとき。
それは胸椎が相当な負荷をかけられていて左側の肩甲骨下の起立筋部分などに、
大きなしこりなどもできているときも多いようですね。
それ以外でも心臓機能に対して、横隔膜が動きづらいようなみぞおちや腰部の硬さや、
胸郭の全体の動きが鈍って一定の形で変わることができず心臓を圧迫しているなどで、
心臓事態に外圧的な問題を生じさせているようなときもあります。


心臓のポンプの力も、呼吸により肋骨が拡張したり収縮されることでマッサージを受け、
心臓のいるスペースの窮屈さも少なくしてくれる仕組みがあるのですが、
それらが働かなくなっていると問題がでてきます。


意外に多いいが本人が気づいていないのが
重心がみぞおちや、それ以上の高さの心臓部分にまで押し上げられていているときなど。
これも代謝力を弱めてしまう原因になると思うのです。


3)血管を圧迫して血流を妨げているケース。
ここにいる方が一番、深層筋のリリースを選択してほしい理由です。
血管の中でも動脈。
動脈は切れたら出血多量で死に至るようなものですから、
身体奥の深い部分に流していくようなルートを通ります。


そこが深層筋の隣といった深い部分なものなので、
深層筋が硬直化して柔軟性を失い出すと、
動脈がドクッドクッと血を送るための脈圧を奪い、
末端へいけばいくほど血液の流れを抑制し始める。


足の踵あたりで血圧の測定をしているものでして、
そこの血圧センサー部分に血圧が弱まっていれば、
「もっと血を送ってくれないかなぁ」
と、脳の方にメッセージを送ります。


すると脳も、
「わかったよ、じゃぁ、血をちゃんと末端にまで行き届けられるよう、
心臓をもっと強く打つように設定しておくからね」
と答えてくれる。


そこで心臓から一番遠い踵の部分まで十分血がめぐる状態が作れたわけです。


ただ、、、
もしも姿勢の歪みや仕事の同一姿勢からか過労などで深層筋が固まりが強まってきたとき。


たとえば腹部大動脈が圧迫されていたり、鼠径靭帯で血流が抑制されるなどは、
その代表格ですが、細かく見ればそこかしこで血液を停滞させる筋の硬化という固まりを創る。


そうなると、どうでしょう。



踵の血圧センサーは、「もっと血液を送ってください!」
と要求をしていくのですが、
筋肉の硬化で血管の圧迫により血液の流れが阻害されていく量が増すに連れて、、、


心臓にかかる負担は増加傾向に。
やがては、これ以上、心臓に負担をかけると、
いくら丈夫な心筋でも過労での問題が深刻化して危険かもしれないと判断し、
自分の身を守らなければとなります。


心臓が止まっては、生きて入られませんから。


じゃぁ、どうするのだろうか。


血圧を正常値でキープするのをあきらめて、
活発な動きを手放し低くなっている状態で
どうにかこうにかやっていこうじゃないか。


それが、血圧の上が100を割り込む低血圧状態。


体の皮膚の下の世界では、
その時点でさまざまな不具合が徐々に起こり始める。


たとえば血圧が下がることで、
足に届いた血液は暖められてそれが心臓に帰って来て、
その暖かさを全身にまた分配するという仕組みですが、
その流れが抑制されがちになってしまう。


すると体の筋が冷えだして、
筋膜の癒着は温かい血液で湯煎されて溶け出すものなので、
それがぬるま湯程度になれば、
固まった筋膜の癒着部分は減るどころか年々増えるばかり。


だから低血圧のお客様は、
血圧の上が改善して110くらいまでは行ってもらえないと、
体質が改善してきたのでしょうとは喜べません。


ちょっとした施術を受けただけでは、
硬化した深層筋の隣の動脈の圧迫を
緩め解けることはありませんから。


施術後でもすぐにまただるくなり、
いつもの状態に即、戻りいきます。
なかなか深層筋までは緩められず、
中層や浅層でとどまれば、
その方はもともとシコリをつけやすい体質ですから、
先に進むというより現状維持か職場環境等での過労が重なれば悪化を食い止めるのは、、、。


そのようなところでずっと居続けるのは、
精神衛生上もよくありませんね。



できればきっちり深層筋を緩めるまでリリースを試みて欲しい。



血圧が正常値ある方と比べれば、
筋膜をしっかり深層まで解くところは手間暇やそれに乗じたコストもかかるのですが、
そこを緩めていくことで、体内の血液の流れやリンパの酸化した部分の廃液もできて、
やがて自分で寝れば治る的な状態に近づいていっていただければと思います。
(ただコスト削減を狙い、ある程度良くなったら自力で改善させようという気概は必須!)



ただし多くの施術院を巡り施術を受けた方々が、
そこまで改善がなされることは稀でしかないと。


なかなか容易なことでは固まった深層筋の硬度を知っていれば、起きないことは頷けますが。
スチールとか石とかと同じ程の硬度をそこに私は感じ取ることがありますから。。。
尋常じゃないものです。
それを工夫して傷つけずに、慎重に安全に。
かつ効率的にという作業は息が詰まります。 ^-^;
ものすごい集中力で、頭のなかでその方の内部状態を検索しまわって、
仮説を立ててビクビクしながら手を出して、正解とわかれば遂行して、
別解を求めよというときは、また深い思考の渦に入っていきますから。


深層筋部分のシコリのパターンは、本当に人それぞれですから、
一様に同じことをして解けてしまうものではないのが、難しい。


かつての経験と知恵を絞り、観察に目や神経をとがらせて、
必死にちょっとずつ進んで、進んで、進んでいくのですね。


そのようにして、
深層筋を緩めて動脈の大きなところで圧迫するものを緩める目をもって仕上げていくことで、
徐々に体調的にも体質的にも安定し始めるようなことが起こってきます。


本当に作業する側の施術者としては、
血圧が正常かむしろ高い人のほうがはるかにリリースが楽なので、
「ありがと〜〜」というところはあるのですが。
気分的に、ものすごく解くときに楽なのですね。
安定感がある方々の場合は、自力で良くなる人。
だから改善ポイントを見て、後押しすればいい。



ですが、反面、なかなか低血圧を続けていての
体調不良の方々が改善していかれる姿は感動的。


「なんだか、最近、疲れづらくなったし、血圧も上がったようなんです」
といわれたとき、やったね!!と声が出そうになります。 ^-^