自分の呼吸筋をつかまえる

骨格筋は、
関節をまたいだ骨と骨を結んでいる筋肉です。
骨格筋の例.jpg
上腕二頭筋という、ポパイの腕の力こぶ部分。
その筋肉は肘関節と肩関節をまたいで付着していますね。


骨格筋という筋肉を収縮させることで、
関節を折り曲げるようにして動かすのです。


つまり骨格筋を使うには「縮めろー」です。


別の視点で観ていただければ縮むというのと緊張と同じ意味合いあれば、
「緊張しろー」といったところでしょうから。


運動神経のいい人ならば、
上腕二頭筋を緊張させるならば、
そのう裏側に拮抗している筋肉の緊張を緩めれば緩めるほど効率的だと体が教えてくれるでしょう。


しかしそんな拮抗筋のリリースができなくなるほど緊張が先走るなら、
気づくとそのままで体が硬化して凝り固まるということも起きるので。
気をつけなければならないところですよね。



「私が理想にする」というところを前置きさせていただければ、
質のいい動きは骨格筋の過剰な筋パワーを削ることから始まる。



骨格筋から動き出すのは、NGと考える。
そして自らの身体操作の基礎を作りだす。



骨格筋の筋パワーが貧弱すぎては、
生活するにも消極的になりがちで、
ものには限度があるのですが。
私には骨格筋は必要最低限あれば、
それで十分じゃないかと思います。


自分の体の骨格筋の筋肉量を増やす意識は消したい。


それよりも、
骨格筋を動かす前に、呼吸筋!!!!



呼吸筋を大事に扱う意識。
これは動き出しのきっかけを与えてくれることになりますし、
中心からの動き出しという体の体幹や芯からの動きの始まりを叶えてくれる。


呼吸筋とは、詳細に解説するとこれだけでも相当な分量の知の体系になります。
だからこの場では、大胆に端折りますが。 ^-^;;;


合気道なり太極拳なりバレエなり、
呼吸筋を使い倒さなければならないものを実践なさっておられる方々は、
「呼吸筋」という言葉を使わずに、
「呼吸を大事にしましょう」という教義を受けたなかに含まれているのです。


たとえば呼吸筋も、幾つもの隔膜という名で呼ばれ複数ありますが、
そのなかのわかりやすいひとつの例をあげれば、
横隔膜が有名ですね。


呼吸筋の例.jpg


腹腔と胸腔を分ける仕切りです。
横隔膜が上下することで呼吸を促します。


息を吸えばダイナミックに胴体を風船を膨らましたかのように膨らましたり、
息を吐けばダイナミックに胴体の風船が縮まっていくわけです。


この呼吸筋を活かした動き出しを心がけることで、
体の芯から動き出しがはじまります。
そして筋肉の中心から末端への筋肉の動きの連鎖が起きます。


筋肉の使い方が下手で力んでしまう人の特徴は、
体の芯部分がガチガチに固められて動きを失い、
手先などの末端部分が力みでプルプルいってる。


それは体の芯と末端が、まさに分離されている。


観察していただければわかるでしょう。
そのようなときには呼吸が止まっている。
生命感の薄い運動に終始していることでしょう。


そこから抜け出していくには?


そのひとつのヒントになるのが、
動きの達人と目されるものの動きに、
どのような特徴があるのかを観察し、
常人が活用していないところを知る。


理解できたら自らも使えるように、
意図的に練習をしていくのです。



最近、少しずつ呼吸筋が大事ですと、
私が理解できている範囲内ですがお伝えしようと試みています。


呼吸筋の良否と自律神経コンディションと相通じる関係性は深い。
つまり呼吸筋の探索ができていなくて初歩的な機能発揮に倒錯し、
そこに気づいていないのならば。


良好な改善変化が生まれてこないのかもしれません。


基本的に骨格筋のノウハウを告げてきたほうが、
世の中にそちら関連のテキストが豊富にあって、
共感を容易に得ることができると思います。


そのほうが話が進めやすくもあるのですが、
そろそろ呼吸筋による運動の元締め役には、
顔を出してきていただければいいのだろう。


そういえば、
社交ダンスなども、
軸を複数に分ける必要がある。
骨格筋のみで考えておいたら
散々な体のバラけ方を示すでしょう。
呼吸筋を生かしているかどうかにかかってくるところが大きいのかもしれない。


体内に分散して置かれる呼吸筋を理解していく。
新たなるフォームの支える概念を作り出し、
骨格筋の主導した収縮してばかりの一軸を得意にする筋肉の使いから
呼吸筋の主導した膨張してなめらかな多様な軸も通せる動きへの転換。


それぞれの呼吸筋をパートごとに作業させる訓練は必要だし、
部分ごとに同時かまたは時間差で必要な量だけ意図的に始動させて
動きを作り出したりフォームを支えてみたり。



本格的に呼吸筋と付き合うときに面白さを増すには、
私が以前に「これ、すごいよ〜」といっていた、
ヒップホップの一派のアニメーションダンスの世界に迷い込んだトレーニングが必要になるでしょう。
動きの原理はポッピングとは違う種類の動きだとはわかっていますが、
私には動きの巧みさのレベルではそれを想起させられるものです。


(アニメーションダンスってなに?という人は、Youtubeの以下のビデオ教義がわかりやすいでしょう。
私もずっと前に、ヒップホップをなさっておられる女性にこのDVDを見せていただいたことがあります。 ^-^
アニメーション・ダンスの基礎 http://youtu.be/J0qkjfYB7jU )



ところで、なんで、最近急に呼吸筋が大事だよねと言い始めたのかというと。


そのことを私が今まで知らなかったのではなくて、
最近、お通いいただいているお客様方が、
体が整えられてきて動きの選択を固定化させる保守的な歯止めが緩んでおられ、
新たなことをお伝えしても受け入れてくれそうな様子が目に見えてきましたので。


それがうれしくなってきて、
ついつい、こういうのもあるんだよと紹介するようになってきた次第です。
そして、
そのように紹介させていただくに連れて、
呼吸筋の活用と身体の整体効果の持続と発展の関係性について、
ものすごく強烈な可能性を感じられるようになってきました。




屈筋群と伸筋群に分けた骨格筋のコントロールもままならないときに
呼吸筋もといわれるならば、
動きの質が云々以前に雑な動き方を脳に伝えるのみになってしまいます。


私は動きの指導について、
他の先生に教えてもらうようなことは一切なくて、
(昔に私が太極拳等を習ったときも、ほとんど口での解説はなかった)
バレエのレッスンを通っておられるお客様が、
バレエ教師と生徒とのミスコミュニケーションについてお話をしていただいたり。


それを聞くたびに、
私は自分のベースは施術屋さんだからと、
動きの指導をおまけ的なバックアップグッズとしてきたのかもしれません。
言葉足らずで動きの内容を伝えるところの逃げ腰があったのでしょう。
私には、そこが辛く許せないところです。



ただ、、、
私自身、自分が自分を変えたすべては、
自らの動き方を、以前の状態から改良させ決別させてきた量に比例しているというのが実感です。


たとえば、
今の私は年に数年に一度、風邪をひくこともあるということですが、、、。
小学校のときには、一学期のうちに15日位は熱を出して風邪で寝込んでました。
それが普通でした。
ほんとうに体が弱かったんです。



それを変えてくれたのが、
施術知識の獲得。
そして予防医学的スタンスで関心を深めていった、
施術に勝るとも劣らない成果が動きを良質にする試み。
実際は私の体は、自分が思っているような動きをせず、
歯がゆいところがほとんどですが、、、
それであっても、だいぶ変わりました。


そして
どこかの合気道の本のタイトルにあったように記憶していますが
「すべては呼吸から」という言葉があります。
私は呼吸筋の存在を感じられるようになり、
そこの部位の奥への道を進み始めてから、
体は少しずつ整えられていきました。
骨格筋ばかりとか骨での支えばかりでは、
体がぼろぼろになります。
ついつい私も呼吸筋の活性化を忘れて、
ときどき長期休業を余儀なくされたが、
その復活するたびに呼吸筋の巧みさを
一歩ずつ熟考して理解を深めてきた。


だから過酷な施術にも耐えられるようになりました。


つまり骨格筋だけで施術をしている人は、
私と同様の施術を見よう見まねでしてみても、
決して真似できないでしょう。


その秘密は、
、、というか、秘密にしているわけではなく、誰も聞いてくれないだけなんですが、^-^;
私が呼吸筋を意図的に活かしながら圧を作りだし施術をしているというところにあります。


他の先生方から観て頂いて、
危険な施術をしているにもかかわらず、
事故が皆無という秘密も私の身体操作中に呼吸筋を活かしているからのこと。
そうなるには、そのようにできるような計算があってのことです。


呼吸筋の操作は私は地味な気功のエクササイズを、
むかしにやってきたところが原点です。
ただ今は自由に自分で呼吸筋の操作を創作して楽しんでいます。



来年は、風船を膨らますところから呼吸筋へという、
簡単なエクササイズからもうちょっと巧みなところへ話ができれば。


そこ、とても重要視すべきであろう。