骨格フォームの違いと大腿直筋の硬さの関係

大腿直筋 : 上前腸骨棘あたり(正確に言うと下前腸骨棘、寛骨臼上縁に付着)と膝蓋骨あたり(膝蓋骨を経て脛骨粗面に付着)に付着している筋肉です。

★大腿直筋.jpg



大腿直筋が硬くなってしまうと、困るんですよね。
そうなると骨盤が前傾して全身の歪みが画期的に起こってしまう。。。


とにかく腰痛になったり、歩きづらくなったり。
O脚やX脚になってしまってスタイルが悪くなってしまう。
長距離歩こうとすると、すぐにバテてしまうときもあって。
そして右利きで右の大腿直筋が硬いとすると、
同期してのように右の内転筋群が硬くなって。
内転筋群の硬化萎縮は小腸を下垂させますから、
消化器の影響も出てくる。
出っ尻になリやすく、鼠径部が詰まると血行の停滞や足にたまったリンパ液が排泄できずにパンパン。


じゃ、整体屋さんやマッサージ屋さんで、硬くなった大腿直筋をゆるめてもらえればそれで話は済むの?


残念ですが、そんなに簡単な話じゃないんです。
骨格の起きどころが改善できなければ、
「外圧をかけたマッサージ等の成果は長続きしません」。


なぜなら体の傾斜が起こす転倒を防ぐための支え棒やギブス等の応急材として、
大腿直筋等を使ってしまう骨格を持っている人にとってみれば、
わざと大腿直筋を固くしておかざるをえないのです。
気づかないうちにそのような使い方を選択している。
日本人の過半数が、そうなっていると言えるではず。


骨格のフォームが変わらなければ、
外圧をかけて大腿直筋を緩めるのは対処的措置でしかない。


では、どのように変えればいいというのだろうか?




大腿直筋で見てみる.jpg


図(3)の骨格姿勢では、ほぼ、上述したような不具合がまんべんなく起こります。
大腿直筋は、深部までカッチカチで、つらいです。



では図(2)と図(1)ではどちらの骨格姿勢が、
大腿直筋の柔らかさをキープできているのだろう?


触っていただければわかりやすいのですが、
図(2)では、そこそこ大腿直筋が柔らかい人もいますし硬い人もいます。
ちょっと筋膜リリースをしてみると、ばらつきがあるのですね。
だから中には、いい感じの人もいるので絶対にダメといえるものでもない。


図(1)では、大腿直筋もハムストリング筋も合わせて柔らかくて赤ちゃんのよう。
ほとんどの人が図(1)では、そんな素晴らしい状態で柔らかさのレベルは図(2)とは格段の差です。
容易に大腿骨がさわれて骨の形状がリアルに触診できてしまうのが通常です。



私は幾人も幾人もの施術をさせていただいた。
運動能力が優れたアスリートの方も、
年齢的に高い方も症状を持たれた方も。
それぞれの特徴として、
大腿直筋の深層部の芯が柔らかいか硬いかで分けることができるようだった。


筋膜リリースを得意にしている私は手の感触で
大腿直筋の柔軟度から観察しているわけですし、
筋硬度計測器を持っているので数値で計測した。


すると図(1)の状態で長い年月暮らされている人は、
もしも何らかの体の具合が悪くなっても、大丈夫です。
相当の生命力や免疫力があるから、自力で治せますし。


そしてなにより運動性能が富み、
動き方の談義をしていくと話が噛み合って楽しい。


天才系の運動神経を持っている人もこちら側にいて、
筋力で体を縛り付けて立てようとはしていない。
骨をバランスよく縦に積み上げる。
それぞれの体を支えるための関節は浮かして浮身をこさえて、
しなやかさの優位なままだ。


力んだ立ち方を強いて関節部分で骨と骨を粘りつかせているのか、
関節部分が体幹に近い根本の骨から末端の骨を浮かべる湖の湖水にして浮かべる感じなのか。


それは格段に、体を保持している際の、たのしさやウキウキ感が変わってくるというものだ。


椎間板の萎縮から自律神経の機能異常が出てきます。


とある加齢して80歳ほどだが相当に動ける中国武術の老師。
その方の背中をレントゲンで撮影したところ、
いまだに40代ほどの脊椎状況で椎間板のボリュームがいい。
そんな写真も残っているほどだ。
脊椎の椎間板たちの若さはそのまま加齢しても残せるのです。



ちなみに図(3)では、どうしても椎間板はくさび状になり、
腰椎や頚椎の椎間板ヘルニア化が起こりやすい。
股関節や膝関節にかかる負担も大きくなります。
実年齢以上の加齢した状態に身を置いてしまう。
ひとまず、ここからは、早急に退去すべしです。