石灰化と筋膜の硬化との違いって?

昨日の夜に、、お客様とのやりとりのなかから
筋肉の石灰化というところについて
メールを書かせていただいて送付したところ。


今朝、読み返してみたら、、、
難が多くて訂正が必要かと思いブログに書かせていただこうかと考えました。


以下は、訂正後です。


■ 「 筋肉が石灰化 」につきまして


確かに「石灰化レベル」まで筋肉状態が硬化して状態が悪化してしまうこともあります。
石灰化とはカルシウムの沈着の総称であり、体中どこにでも起こるものです。


(実は「石灰化」について、メールでは大胆に割愛してしまったのです。そこが気になっていて、リライトを決意しました。。。^-^;)


石灰化がおきる理由についてですが、
摂取カルシウムが少なすぎて、骨から溶け出していくことから起こる状態ですね。


私たちが普段、食事などから摂取しているカルシウムですが、
不足すると、自分の骨を溶かして補おうとする働きが起こります。
その量は、カルシウムが豊富な骨にとっては「少し」でも、人体全体では「非常に多量」。血液中にカルシウムがあふれることになるのです。
あふれたカルシウムは骨や血管、細胞に沈着してしまう。


血液中のカルシウムは一定値(血液100ml中10mg)に保つ必要があるため、
余分なカルシウムは骨や血管、細胞に沈着し、石灰化の原因となります。


たとえばどのような部位に余分なカルシウムが沈着するかといえば、
・骨にカルシウムが沈着してトゲができ神経を直撃することもあります。
・血管に沈着し、動脈硬化の一因にもなります
・軟骨や腱、内臓にも蓄積、石灰化する
 この軟骨や腱などに、付着したものは物理的に剥がすような圧をかけることでリリースが図れるので、
 こちらの部位に対して、手技を施すこともあります。
 余談ですが、内臓にカルシウムが沈着することで乳房のがんなどになることは知られていますよね。
 石灰化した臓器は締め付けがきついため血管やリンパ管を圧迫して体液の流通を妨げ冷やしてしまう。
 それががん化をはかるという仕組みです。


ということで、
石灰化の条件が「カルシウムが不足」しているといった問題があるのです。


私もときどき上記の設定を頭からぽーんと抜け落として、
石灰化と筋膜の硬化をごっちゃに言葉にすることがあります。
内容はしっかり頭のなかで違いは理解しているものの、
そこは気をつけなければと、反省します。


筋肉をオーバーユース(過剰な使いすぎ)により筋膜が硬化したというものと
軟骨や腱が石灰化したというのは、
別物だと考えてくださいね。


そこをコンセンサスを一致させてから話を進めるようにしたほうがすっきり説明も伝わります。



主に筋膜リリースで取り扱えやすいものといえば次のようになります。


筋肉は、たとえば大腿直筋の大きな筋肉一本レベルで観ることもできますが、
そちらも筋束という筋肉のたばが集まって出来たものです。

その筋束は髪の毛ほどの太さしかない筋繊維というものが集合し束ねられて構成されているのです。



つまり、下記のように細分化して観察することができます。


筋肉構成図.jpg


  筋肉 > 筋束 > 筋繊維



筋膜の組成成分は、ゼラチン(コラーゲン)です。


筋膜は筋肉の周りにも、筋束の周りにも、筋繊維の周りにも、
すべてウインナーソーセージの皮のように包むことで補強しているのです。
筋繊維中のタンパク質は外圧から弱くダメージを受ければ、簡単にちぎれるなど壊れてしまうので
そうならないように筋膜という柔軟性に富む組織でコーティングすることで、
外圧からの衝撃や筋の過剰な伸びすぎや萎縮にも抵抗してくれているのです。



つまり(筋繊維、筋繊維、筋肉)は、すべて筋膜という膜でコーティングされています。



筋肉の使い方が粗かったり、ストレス等も手伝って筋肉内部への血行不良を起こすとき。
筋膜は衰え消えずに筋繊維等のタンパク質でできた筋肉の組織部分が
ほっそりと勢力を落として繊維の存在感が弱まります。
するとその周りを取り巻く筋膜のコラーゲン組織が存在感を増していく状態になります。


そのような劣悪な環境になれば筋繊維部分にも血流が悪くなり代謝が弱まって行く。
それに従い筋膜のコラーゲン組織部分への体液が流れ込みづらくなり変質が始まります。


筋膜のコラーゲン組織部分は、体液の暖かさを持った熱で溶かされているときは柔軟性を保ちます。
ですが暖かな体液を筋膜が接する部分から得られて溶かれたゲル状の状態でいられないときには、
冷めてしまい硬化しはじめます。
それと同時に体液が少なくなった枯れた状態になっていきます。


それって、いわば、ゼラチンでできたぷるぷるのゼリーを、わざと干からびさせると、
水分を失いボリューム感が薄まり縮み硬化して板ゼラチンのような硬さに変化します。
そのようなイメージをお持ちいただくと、理解しやすいかもしれませんね。


ちなみに血圧が弱い人ほど、このような問題状態に陥りやすいですから注意が必要です。



結局は筋肉の大きな外周のみが軽く板ゼラチン状になっている程度ならば緩みやすいのですが、


筋束が一本ずつ硬化した状態になると、
骨に近い深部層の筋肉部位には普通のハンドマッサージでは歯が立ちにくくなります。
そしてさらに筋繊維の一本一本を取り巻く筋膜が板ゼラチン化して周囲が数センチも連なれば
スチールのような冷たさや硬さに変質していきます。
こうなるとハンドマッサージでは、歯がたたないような気がします。


筋繊維が硬化してタンパク質部分は細く弱化して筋膜のコラーゲン組織も水分枯れ状態へ。
そのような割れやすい板ゼラチン化した筋膜では組織が壊れやすい状況に陥っています。


下手にいじればぷちぷちと筋繊維は簡単に断裂し、当然、断裂した筋繊維は一生涯元通りにはなりませんので、
後に悪影響が響くことが予想されます。


そしてたまたまこのような筋繊維レベルで筋膜が硬化した状態の方々の中に、
同時進行したカルシウムが沈着した石灰化をも併せ持つ人の確率が高まるようなのです。
(ここの筋繊維レベルの筋膜硬化と石灰化が同時に起きるケースが散見され、
筋膜の硬化と石灰化が両方とも起きているか、どちらか一方しか起きていない問題か、
別けて呼ぶにも石灰化と呼ぶのが検査ができない民間医療ではそう呼ぶことは独自に調べられていないからできないのだが、
経験したかつての類似したお客様の身体のデータから、石灰化が同時に起きていると考えられることもある。
そのような相乗り状態が生じるものですから、説明をしきるのがややこしく手間がかかるので、ごっちゃに呼びやすくなるのでしょうか)



石灰化という事態以外に、筋膜というコラーゲン組織が硬化した状態が人体内部で起きています。


石灰化は筋膜の硬化とは別の流れで起きるものです。


そこを混同すると、リリースの際に手技手段の採用ミスが起きてしまうでしょう。




石灰化したものは、カルシウムが沈着した状態です。
そちらを手技でリリースするのは、
相当な工夫をしていなければ、
かえってリリースの際に筋組織が破壊される量が多すぎてダメージが後まで残るので
相当な学習実績と対処のしかたに自信がない場合には触らないほうがいいといえる状態じゃないでしょうか。。
(そのような場合には温熱療法として、遠赤外線効果の高いスマーティなどのサウナを定期的にかかることや、
食事療法など、
圧をかけてリリースする手技以外の方法で改善への道を歩めば問題は少なくなります。)



手技療法での施術をする先生方には
筋膜の膜組織のゼラチン部分が枯れて集まり硬化した状態を、
体内の血液の流れをせき止めて硬化した筋膜部分に流れにくくなって冷えている状態を改善させるようにしたり、
トリガーポイントのような体内で筋膜の硬化が団子状になっていたりして留め金を打たれた状態部分を緩めるなど、
いくつか安全性もそこそこあるといえるような対処をする法をとる方々。


それぞれが特徴的なアプローチをしているようです。


ただ筋膜の癒着の深度が強ければリリースが相応に難題がいくつも控えていたり、
改善するまでの長い期間がかかります。
決して簡単にリリースできるものだと、非現実的な見方をしないほうがいいでしょう。
長い年月をかけて筋膜の癒着が進行してきた場合は、その10分の1の時間をかける。
本当に硬化が著しい状態では、その期間で解ければいい施術者だともいえると思います。
そのように考えておいたほうが無難でしょう。


筋膜が癒着が進みすぎて体調が思わしくない方々の場合は特に、以下の様な過程を通るようです。
筋膜が緩められる過程で、体内には廃棄溶液化した酸化した体液が溜まっていて、
そちらを体内から排泄し切るまでは相当に手間暇がかかるものですし、
それがつつがなく終わらなければ体質が向上し安定化させることが難しいといえるでしょう。




だいたい筋膜の癒着のイメージを通して石灰化との違いがあることは、ご理解いただけましたでしょうか。


カルシウムが沈着する状態を脱するためにはどうすればいいのか。
そのような視点で食生活や運動習慣、それにストレス対策なども、
独自にしていかれるといい対策を積極的に採用して実行すること。


それがなければ手技で石灰化部分を一部に対処できたとしても、
早々に後々からカルシウムが沈着。
それを繰り返すことになります。
厳しくそこは取り締まってほしいですね。


内臓へのカルシウムが沈着するとがん化にも、大きく影響が出るようですから、
石灰化を防ぐという意識で生活をすることで、がん化の対策にもなるのでしょう。 ^-^



(T様、以上のようなことで、昨夜書いたメール内容を訂正させてください)