人は、体験からのみ学び成長する生き物なのです


とある「腰痛を患っている」お客様がいたとします。


お客様から
「腰部のココらへんが痛くて、痛くて、、、。どうにかしてください」
と状況をそのまま伝えられたとします。


たとえばそれがドラッグストアで訴えたのならば、
「いつぐらいからですか?痛みの質は?ならば、この湿布がお勧め!」
というようなアドバイスを頂くかもしれませんね。


その湿布の御蔭で、腰痛の痛みが軽減するかもしれない。
それは困っているときには、その即効が救いの神のよう。


たとえばそれが施術院で訴えたのならば、
「(背中の状態をチェックして)腰椎の何番目がずれているから矯正しますね」
というような施術になるかもしれません。


それも即効があって助かる感じもします。



ですが、たとえばコーチング的に体を観ることにこだわるならば、
少し様子が変わってくるかもしれません。
その場で現状感じているような痛みが改善したとしても、
確かどうような痛みを以前に訴えておられたと感じたら、
時間をかけて事情聴取をはじめていくのです。
施術を行うものは、
24時間お客様につきっきりで観察しているわけではありません。
だから事の詳細を知るのはお客様だけですから、教えてもらうのです。
実際はお客様に今回の痛みが出た際のきっかけと、
以前にも起きた腰痛の出た際のきっかけが同様であるか。


自身の言葉で状況をリアルに思い出しつつ話していただくことで、
「あっ、そういえば、その両者には共通項があった感じがするな・・・」
と過去を振り返っていただこうとしているのです。


たとえば赤ちゃんを片手で抱っこをするときに右手側しか腕力がなくて、
それでついつい右手を使ってばかりいる。


そこまでお伺いして、私があたかも赤ちゃんを片手で抱っこをしてみて、
と想像して動作をして、体にかかる負担を感じてみる。。。
確実に腰部があらぬ方向へとねじ切られてしまう負担がかかっていた。


その負担量は、男の子三人を育て上げたので、
相当長く継続的に右手で抱っこをしていたし、
それも体を少しお腹を出すように腰椎を前に反らして腰に乗せる感じで。


するとそれが骨盤の右側の前傾の強さが強まり、
同時に腰部の腎臓の裏手あたりの上部腰椎がねじりがきつく入ります。
そのときに
「なんだか確かに、、、子どもたちを育てていたときに、
今の腰部の使い方の癖がついてしまったみたい。。。
私も、そんな気がしてきました。。。」


すかさず施術者側がいうには、
「なるほど、なるほど。
歩くときの腰痛と、過去の子育て中で積み重ねた腰の捻り癖が、
そのような共通するきっかけがあったんですね」


お客様の心中では、
過去の出来事が今の今まで尾を引いている現状に驚き、
「もう、その当時の子育ては済んでいるのに!!!しつこいなぁ」
と感じてもらえるでしょう。


「そういう、過去に強烈に学習した姿勢パターンは強烈に理想姿勢から自分を引き離します。
これは本気度をあげて、動きのパターンを自身で観察し切ることが必須だと思います。
その上で、次のような解説にヒントを得ていただいて自身で動きの工夫をしてみませんか?」


そう伝えて、
すでに相当立ち姿が綺麗に整い始めて腰椎の前弯以外は気にならない状態になってきたが、
ぜひとも入浴前等で自身の腰椎の前弯がどれほどあるものなのかをチェックするようにと。
今日が3センチほど理想姿勢から腰椎全体が前弯していたとすれば、
それを2センチ9ミリにするには、どのような姿勢に気を配ればいいのか?


たとえば、
足裏に落とす重心を変化させたり、
内転筋を活かし、大腿直筋の緊張を軽減させたり、
頭の置かれるポジションを額に手を当てて適切なバランスへと導いたり、
その他いろいろ。


自身で試行錯誤して体をマクロで見たりミクロで観たりして視点を変えていき、
もしこんな意識で立ってみたらどうだろう?と思いついたやり方を試してみれば。
それが、どんぴしゃり自身の体調改善につながったりすれば。。。


そしてたまたま、
そのお客様が立位姿勢で肩側の膝を気づかないうちに曲げて支える癖があることを見つけ、
そこを修正をかけていた。
するといつもだったら身体が捻りが入ってしまうため、
腰痛からぎっくり腰に発展しそうなまでに負担がかけられていると、
もう、対抗しようがなかったのだが。。。
腰部にねじれが入ると、脳がそのねじれ具合を計算し切るだけの計算式はほぼほぼ立てられず、
大腰筋の肩側を極度に硬化させてしまい、
その硬化した大腰筋が周囲の組織に癒着してなんかの拍子にその癒着が剥がれると非常に驚く。
それが激痛なので、そのきっかけで急激に大腰筋を硬化短縮させて動けないようにさせていく。
それがぎっくり腰になる際のひとつのお決まりのパターンです。

それが自分でも「膝裏を伸ばそうかな・・・」と思えたことで、
それを実践したら調子が良くなっていたということに気づいた。


そうなればしめたものです、、、。^-^


「すごいじゃないですか。あなたは、自分の工夫で腰痛の重症度を軽減させたんですね!
自分で工夫すれば、そんなことができるんですね!!!」


と意識に残るように赤丸でグリグリグリっと強調するんです。


そこではじめて、
自分の観察眼も大したもんだし、
その力が自分を助けることがあるんだな。
それだったら、もっと自身で身体操作を変えれば更に良くなれるんじゃないか。。。


そんな気持ちが湧いてきたときに、
現在体験している腰痛という症状により、
自分の体への興味関心を直接持って眺めてみるきっかけを得て、
そして観察から得た情報や過去に得た知見から、
どのようにすれば腰痛状態になる姿勢から、
腰痛にはなれない姿勢に改善できるのか。
探り出そうと脳が動き出すのです。
自問自答という内省から気づきを増して、
経験値を増やそうとしてくれるものです。



人は、そうやって腰痛という体験を通して学び成長できます。
そして何が大切なモノかを発見していくのです。


いつもはそこにいて勝手に機能してくれているという自分の体。
自分は車の助手席で運ばれるだけの心持ちから、
自分でハンドルを握り運転し始めたのです。


実際問題として、
自分の身は自分で守るしかない。


他人が守ってくれると信じるのは勝手ですが、
期待したほど機能しないことだってあります。
そんな不安定な身の上でいいんでしょうか?



自分でハンドルを握って運転する勇気があれば、
少しくらい周囲にぶつかってもめげてはいられません。
やがて成長の種が、そこで芽吹き大樹に育てるのです。
私は、そうなっていただければ、うれしいですね〜。




私が体の使い方を伝えてみて、
なにがしかの変化を期待するとすれば、
自分の体を知り尽くしていく好奇心は自分の身を助け、
同時に自身の気づきを増やす変化成長の繰り返しという体験学習には深い意味がある。
それは人生の教訓めいたものさえ感じさせることもあるのです。


みなさまも、少しだけコーチング的な視点で今の自身の問題を捉え直してみませんか? ^-^