一部に存在するだろう筋膜の癒着と筋退化の表裏のバランス関係について


ずっと以前ですが、
メールでのお問い合わせをいただきましたことをふと思い出しました。


「鈴木さん(←私の事)。
一度筋膜を緩めたら戻らないってどこかの施術院の先生に聞いたんだけど。
そんなことはないわよね。」


という自己完結型の問いの投げかけでした。 ^-^;


「はい! そんなことありません!!」


体の仕組みについてよくわかっておられますね〜。





「癒着して硬化した筋膜を緩めたら、二度とそれは戻らない」という説明は生理学的にありえない話です。



筋膜の癒着は生理的現象ですから。


筋肉を負荷高く使いましたら、必ずといえるほど筋膜は癒着してきます。


その癒着は創られて緩められリセットされるものです。
その繰り返しの仕組みで、筋肉のコンディションが維持成り立っている。


適量ほどの筋膜の癒着ならば、日々、寝たり体を深く休めたりすることで緩む。


すやすやと赤ちゃんのような気持ちで深い睡眠レベルに達するとき。
深く安定した脳波状態に、ほんの数秒ほど至るのですが、
そのときに体の筋膜を緩めてくれるといっていいような
体中の関節をさっとユルユルにしてくれるホルモンが出るそうです。
深い瞑想状態に入ったときにもそのような脳波の波形が現れてくれ、
そのようなときにも同様なホルモンが出てくれるといいますから。


他にもそのような筋膜を緩ませる機会が複数あります。


それで筋膜は日々、つくられて、日々、緩められます。


そのような筋膜の創造と破壊が繰り返されて、
若く快活かつ健康な体の状態は保たれている。



筋膜の癒着が進んだ状態は、
筋膜の癒着という負債が多くなりツケが過剰になったときのようなもの。
いわば筋膜の生理的なリセットが効く以上に
筋膜の癒着という負債をためてしまったという状態です。



現状維持という状態の安定化もありますが、
そのようなツケをためてしまう借金生活をしているのか、
どんどん今までためたツケを支払ってさっぱりするのか。



そのような筋膜の癒着の蓄積した負債分を低減していく代行を
プロの筋膜リリースをする施術ではさせていただいているのですね。





筋膜の癒着と、意外にごっちゃにされそうなものがあって、
注意しなければならないこともあります。


それは、、、
筋肉は「適正な使い方」で「適度に使って」いなければ『 退化 』するということです。
これも生理的な現象ですから、道理はわかりやすいと思います。



退化した筋肉をお持ちの方は、
筋膜の癒着で窮する方々と同様の問題が含まれています。。。



オーバーユース気味に筋膜を癒着させて、
コリコリっと筋肉が固くて困っているんですよ〜という方のほうが、
断然、施術では対応して手応えを感じられる分野なのです。



そもそもですが、
適度に筋肉を使う機会を持てていないため退化した筋肉も、
様々な代謝不足や不良姿勢の維持促進など問題を多数引き起こすのです。



人は感情の生き物です。
私は施術中に退化した筋肉についてあまり指摘しないのです。
私が言われるほうだとすれば
「筋肉が緊張して固くなっていますね。それではそこを解いていこう」
というのはなんとなく受け止められるのですが、


が、
「あなたの筋肉のこことここらへんはかなり退化していますね。」
などといわれれば、
おぉ、、、緊張よりも年老いた感じの退化イメージが自分に入り込んでいるっていうのか!?
といったショックを受けるような気がしていまして。




それでほぼ直接的に退化した筋肉部分について言及することはありません。


ですが実際に人体をしっかと見ていくならば。
筋膜の癒着場面の裏側に硬直した筋肉があり、
退化した筋肉が潜んでいることが多いのです。


私にはそれがセットに成ってバランスをとっているのが、
体の硬化が進み始めた状態として初期〜中期では現れて、
陰陽のバランスのような存在としてあり続けているように目に写って見えています。


やがてその状態が悪化が進めば、
末期に近い筋膜の骨化まで至るとその限りでもなくなる。
陰陽のバランスのような筋膜の癒着部と筋肉の退化部のバランスが読めないか読みづらくなるのです。
生命力がその場の組織から大幅に削られていいるように、
その皮膚を触り温度や発する生体電流のようなもの等の様子から感じ取ります。


そこまで虚弱化していくまで、
複雑な経路を辿って筋膜の癒着が固まり骨のようになるためかもしれませんが、
退化した状態が強くなった裏側に隠れた筋膜の硬化部分について、
脳のなかで骨化が進めば場当たり的にその筋膜の癒着部を本当に骨としてしか認識しなくなる。
そういったことなのかと、勝手な推測をいたしております。
実際はどうなのか、わかりませんが、非常に体質的にも改善しづらい状態です。。。





もう少し詳細に見ていきましょう。
たとえば腰椎を支えるのは大腰筋と起立筋の4本の柱ですが、

大腰筋の利用が適正になされておられていない方々は多くおられます。




江戸時代と今とでは、生活様式自体が大代わりしたからか、

伸筋としての大腰筋の筋パワーの発揮について自然体ではできていない。


そのようなところに陥っているという人々についていえるのも、
大腰筋という筋肉が適正かつ適量に働けなくなった退化、そして退行が起きているのです。


たとえばですが、
それは大腰筋のへそしたあたりの部分は過緊張で癒着が進行しすぎているのだが、
横隔膜がほぼほぼ使えずにおられて弓状靭帯が上部大腰筋と同期して使わずにいたままになっており、
そちらの大腰筋部分は退化しているということもありまして。。。



一本の筋肉でも、部位ごとに詳細に見れば、
筋膜の癒着が進んだ部分と退化が進行した部分が混在しているところもあるんです。


そこまでくると、施術の心得がある方でも、あまり意識して分けていない人もいるようですし、
まさに重箱の隅をつつく得意技がでるところです。


でも実際にプロとして筋膜リリースの施術をさせていただいてますと、
治療点といえそうなところはその重箱の隅をつついたところに書いてあるような気がします。
そこに目配りができるようになってから、
施術をする私もなにか一つ山を越えた感じがしたことがあります。
そのように一本の筋肉でも、
全体像を把握してからディテールに焦点を当てて、また引いた目で全体像を確認しています。
そちらを数回おこなう過程で、少しずつものがみえてくるようです。




そして施術院に通われるお客様の中には一定量の人数の割合で、
このような筋肉が退化して虚弱化した状態の進んだお客様もおられるわけです。


・・・実際は絶対にいい体の部分を見つけだして、
そちらに意識を向けていただいたほうが改善には有利に働くことが多いので、
そちらへ、そちらへと目を向けてもらえるよう誘導をするよう心がけてます。 
私だったら、そうしてほしいなと思えることをするようにしたいと思います。