「昔の術には、『不思議さ』があった」

一昨年、年末に合気柔術セミナーを受けた際。


そちらで岡本師範がおっしゃられていた言葉に、
印象に残ったフレーズがありました。


「昔の術には、『不思議さ』があった」


術理として、術の不思議さを解き明かす研究をなさっておられる方からの口から出た言葉です。


そこに込められた思いは不思議さに惹かれる、若々しさが感じられてすばらしい。


術理があるから再現性があることは無論のこと、
これからも進化し続けていかれるのでしょう。



セミナーではたくさんの知恵を授けられたものの、
受け取る側の私の理解力や進化の進捗状況というものもあります。
内容的に多くの人にその不思議さを知っていただきたいものですが、
そこは興味を深めたいと思えば岡本師範のセミナーに通って欲しい。


それが間を介して又聞きをすると、
どうしても途中の中継で話がずれてしまいますので。



ですが「ここだけは、必須として接してほしい」という立ち方を教えて頂きまして。


以前にこちらのブログでも、
腱や靭帯等を意識した立ち方を伝えてみてという話をさせていただきました。


一般的なグラウディングというものとは印象は違っています。
体を支えるシステムをいくつか見方を変えていくもので、
基本、バレエをなさっておられる方々がなさる立ち方ですね。


そこをもうちょっとシンプルに一般の人にもわかりやすくなるよう、
伸ばしたり張ったりする靭帯や腱を他動的に指示して意識させることで、
少しずつこんな立ち方もあるんだなと体験してもらうようなやり方です。


個人差はあるが、すでに体が十二分に整えられていればいいが、
そうでなくとも施術で体の状態を十分に整えられたところまでいければ、
いつもの屈筋を使うことがない立ち方ができていることに気づくだろう。


個人的な考えではあるが、
あまり体が整えられていないのに、
このやり方の立ち方を、他者から強制されて覚えこませられるのは危険もあるでしょう。
かえって深層の脈管を詰めてしまわれるように感じられるので。
そのリスクを取るつもりで試行錯誤を加えて進むことは修行となりますから、
私はそれはよくないことだとか単なる後悔になるだろうとは思いませんが。
ある程度の専門的な知識や身体操作ができていない方がいきなりやり過ぎると、
予想外の部分に痛みがでるようなこともあるでしょう。


そしてあんまり理想状態で立てはしないから「な〜んだ、こんなもんか」で終わりますから。


体ができてきた人がトライしてみると、
身に染みこんでくる伝えようとするものの教授量が多いので、
それでその後の身体操作のプログラムを書き換えていけるほどの印象を与えてくれるでしょう。


私自身、まだその立ち方の指導がうまく要領がわかっていないため、
お客様が多々迷宮に入られるようなこともありますが。
いままで、私も施術中に立ち方を伝えるとき、
個人的に背面の筋肉が必要でそちらの抗重力筋を使えばいいので、、、
等々の説明は試行錯誤し続けてしてきましたし、
自分の内側では長い年月をかけて首も長くなったし、
年齢が行っても年々身長が伸び続けているものですから。。。
勘の悪い思いつきで体づくりをしてきたわけではないと思います。


ですがシンプルに、わかりやすく、腱や靭帯等を活かした立ち方の伝え方として、
明らかに岡本師範がなさっている教授法のほうが秀逸。


それでしっかりセミナーの際に学習した内容を噛み砕いて
徐々に多くのお客様に伝えていくようにしております。



屈筋という老化した際には、
誰もが萎えていく筋肉の誤用を廃し、
理想的な勢いを持った姿勢を得ること。


それができずに、
多くの人びとが腰痛や肩こり等から体の歪みの全般まで、
つらい思いを引きずった人生を送っている側面がある。


そこに気づいて身体操作のプログラムを書き直すこと。
それが健康寿命を長くするための、重要な鍵となります。


合気道等の師範が老後にも壮健なままで技のキレの進化を止めない。
それこそが「不思議さがある術」に秘められた大きな成果といえるのでしょう。



要はこの立ち方は合気柔術での軸を作る際の立ち方なので、
あまり聞き慣れないし見慣れないと思います。
この軸のつくりで、一気に人を投げることもできるし、合気をかけることもできます。
「いつもの自分じゃないようだ・・・」とつぶやいてしまうような、
ちょっとした超人になったかのように、
自分を錯覚するような体験もできます。


もちろんそのための練習は必要ですが。


尋常じゃない力が、一瞬後に相手の体を通せるというのも不思議ですが、、、。
でも人体を「筋力一辺倒の視線」から目をそらして活かす発想があれば、
そこには多様なツールが体の内側に備え付けられていたことに気づきます。
その多様なツールの探検隊になるというのが、
不思議さの追求になるわけです。



合気柔術のなんたるか、、、というのは、とりあえず関心ある人も少ないでしょうし、
ここの場ではそれを語るのもどん引きなさられる方々の顔が浮かびますのでよしますが。 ^-^;


「こういう立ち方のバリエーションもあるんだな」と多くの方々が貴重な体験をなされ認知し、
定着させていってほしいとお願いできれば。