何十年施術経験があったとしても、打ち勝てないことがある。。。そうです ^-^;

最近、「ステーキを売るな シズルを売れ!」という本を読んだ。


それはたとえば、ワインを売る際に、ワインを売るというよりも、
ワインをグラスに注ぐと出る泡立ち部分に人は惹かれるという。
そのようなシズル感を感じられるたときに、
お財布の紐が緩むと言います。


体関係のことで考えてみれば。。。
ライザップのテレビコマーシャルにある、
太っていた体型で現れた次の瞬間、
整ったセクシーな体に早変わりする。
シンプルでわかりやすいものですね。
かっこ良くなってさっそうとしたい!
自分もそうなれたらうれしすぎるぞ。
そんなことを思わせてくれるCMだ。



そして先日のこと。
同業者の施術をする先生が施術を受けに来てくれていて、
「施術のシズルって、なんでしょうか?」
と問うてみた。


施術も施術前、施術後で、
ライザップのように違いを表現できるものか?
毎回施術を受ける前に写真を撮っていただき、
その変化を目に見えるようにできれば、いい。
そんなベタなことしか、
私には思いつかなかった。



ただ途中から話が脱線していきました。



街なかで最近良く観る大手のマッサージショップ。
いま私の目の前で施術を受けてくれている先生の友人がそこで働いているとのこと。


ラクセーションを目的として受けるマッサージメニューですが、
そちらに勤めている先生には10年間以上本格的な施術をしている先生も在籍しているとのこと。


お客様が先生を指名できるようなシステムになっているようです。


すると10年選手の施術技術が確かな中高齢者の施術者よりも、
最近になってそのマッサージショップで初めて施術を始めたという若い女性の先生。
おそらく、研修もそれほど長い時間をかけているとは思えない。
ですがその女性にばかり、指名がかかって長蛇の列だそうです。


男性のお客様は癒やされたいというより、
若い女性とお話ができればうれしいから。
女性のお客様も同性の方が気が楽なのか。
その美人?の女性の施術者には長蛇の列。。。




そういえば、、、

豊橋に住まわれている知り合いの鍼灸免許をお持ちの先生も、
バイトでそちらのマッサージショップの系列店で働いていたのを思い出した。
彼から「指名がかかるかどうかで、熾烈なところがある」と聞いた記憶がよみがえってきた。


すると10年選手として、
長らく施術の技を磨いてきた先生方でも、
指名がかからなければ施術ができません。
施術ができないと完全歩合制だそうで
長い時間待ってもまったく利益にならず。。。


それでは生活が成り立ちませんよね。



ただときどきその女性の施術者がお休みをしたときにお客様が来店したようなとき。
「そうか、残念だなぁ。じゃぁ、あなたでもいいよ」という感じで、
他の施術者に指名が回ってくることもあるのだといいます。


それで結果的に、10年選手も女性の施術者のおこぼれにあずかれる。
それはそれでうれしいことです。
ある程度の稼ぎになるのです。


その女性の施術者に対して、「ありがとうね〜」と感謝しているそう。



お客様の数が少ない施術業界では、まさにジャンヌ・ダルク的な活躍。
英雄として讃えたくなってくる。



施術を受けたときに感じる魅力のシズル感ではありませんが、
10年以上一生懸命技を磨いてきたとしても、現実は厳しい。


仮に私がそちらのマッサージショップで働いたとしましても、
施術技術以外で人選され指名を受ける必要があるならキツイ!
ならば「ありがとう!」と感謝する側になるしかありません。


結果的に、施術技量をいくらあげたとしても、
若くて綺麗な女性の施術者にはかなわないこともあるのですね。


特にそちらのマッサージショップがリラクセーションに特化したところで、
治病目的の施術を受けたいというお客様ではないときだからそうなるのでしょう。


いつしか、、、
施術の売りとなるシズル感という話を越えてしまい、
いかに若くて綺麗な女性の施術者と仕事ができるか。
それが死活問題にもなってしまうことがあるのだと。



このような重要かつ眼をつぶることのできないエピソードを聞き、
ひとり、頭を抱えたものです。  ^-^;


しっかりと私自身の得意としているところをプレゼンできるよう、
真剣に取り組んでいかなければと気持ちを改めました。