「努力感を捨てて楽に快適に技ができるようになったほうが効くものだ。」

いま、私の施術では、手掌によるボウエンテクニックをベースというか模した手技と、
重量級のブロックを組み合わせて梃子等の力学的な力を使いつつ正確なリリースをするものと、
下記のような自作したインパクト圧を創りだすための真鍮製の道具を6本ほどを用意して利用。


太い自作てい鍼.jpg



実質、この連携でリリースを加えると、
深層部へのリリースされる質が違ってくるようです。


かなり緻密な施術のぎゅうぎゅう詰め感があるので、
施術パーツの成長を観て、施術要素の抽出を持ってシェイプする予定です。


なので、この取り合わせの施術を受けていただけるのは、
おそらく長くて今年の7月末くらいまでとなるはずです。

^-^


最近、施術最中に気づいたこと。
真鍮製の道具でインパクト圧をかけるときです。


効果が出るような仕掛けをいくつも施してあり、
多様に独自の素材の力を引き出す工夫をしているのですが。


トークセン」というタイ式マッサージで経絡線に沿ってトントンとするような道具の使い方にも似ている。
私が、下にあげた本を見たときに、一瞬そう感じて、
「えぇ〜ッ、そんなぁ」とショックを受けたことがありました。

ホリスティック療法の最高峰! 【メディカル・タイマッサージ入門】


ただ実際、トークセンの映像をYouTube等で確認して、
まったくコンセプトが違っているということに気づいてホッとしました。 ^-^;


https://youtu.be/vP5dFWHsbrQ


やっぱり、「パクったな!」といわれるのは、
独自に少しずつ考えを加え進化させてきた過程があるので、
非常に心外なのです。


ただそのうちこちらの書籍を出しているタイ式マッサージのスクールが
武蔵小山というとなりの駅近くにあるということは知っています。
幾度もそちらのスクールの前を通って、気になっていましたので。
トークセンの用法が私の施術上の参考になる点があればと考えて、
いずれ折を見て実際にトークセンの治療を受けに行ってみたり、
気に入れば習いに行くのもいい勉強になるのだろうと思います。


そのような参考にできそうなものを見つけられたのはうれしい。


ですが、他にも重要な気付きがありました。



おそらく、あまりにシンプルな気付きです。



それはひとつのアイデアから生まれました。


写真に写る真鍮製の道具を、
私が押さえなくとも自立できるようにしたい。


そうしたい理由は、
私が手で持ったり押さえことによる振動のロスを減らすためです。
私が手で持つ側やタップする側の真鍮製の道具を握るような固定を図るならば、
それではインパクト圧の多くの力の作用が私の手に伝わって消えてしまいます。


目的の硬化したお客様のトリガーポイントへ、無駄なく力を届けることができなくなります。。。


そこには早くから気づいていて、
対処法がないか試行錯誤を繰り返していました。


その末に産まれたやり方です。
写真に写る真鍮製の道具を3つほど束ねます。


すると3本の脚を持つ三脚状態になるのです。
そうなれば、私の手の支えがなくとも、
水平面であればその上に置くことができれば自立できる。


そのような状態にして、インパクト圧。


すると、、、案の定、
私が手で握っていたときとは段違いに筋膜が緩みだすではないですか。


またインパクトを与える側の真鍮製の道具を、
さらにフリー・フォールさせる要領を取り入れるならば。。。
実際は、このフリー・フォールさせることは、
ハンパなくやってみると難しいものでして。
特殊な手掌の「手の内」をある程度の精密さとトレーニングで完成させなければできないほどの、
けっこう難易度の高い技術なのですが。
これもまた試行錯誤をする上で、
結果が出せるようにまで仕上げたのです。


すると、自立した三脚状態になった真鍮製の自作ツールの設定と、
手の内を研究して作り続けてきたことによるインパクトを与える側の真鍮製の自作ツールが活きる。


それで筋膜が緩む量が、やはり私自身、「えっ、、、すごいんじゃない_?」と、
そのようなインパクト圧に仕上げていった当初は感動していました。




ただ、、、それも繰り返されて見慣れれば、
それが通常の力になってしまうだけなので。 ^-^;;;


どんな技術も消化吸収できたならば、
次へのステップへの架け橋になる存在へ変貌を遂げます。


あとこのフリー・フォールでのインパクト圧をかけるのは、
それを使える局面は広背筋部分や起立筋部分のリリースと
部位が限られるようになるのですが。


以前は私が真鍮製の道具に力を添えるようタップするようインパクト圧を作り出していたのですが。。。」


私の目の前で繰り広げられている現象を観ると、
私が真鍮製の道具に力を添えるようにしてインパクト圧をかけている以上に、
フリー・フォールさせた際に取り出せるインパクト圧のほうが筋膜が緩んでくれるのです。


懸命になって真鍮製の道具を振り回そうとしているというのは、
それは賢いことじゃないということは理知で知ってはいました。
真鍮製の道具に力を与えてインパクト圧を強めようとしても、
かえって私の手で道具を握った瞬間、
タップさせるために振り下ろされた道具の進行を妨げるような
失速をさせることになるのです。


如何にして、がんばってリリースをしていかなければと願って、
必死になろうとした末の努力も、残念ながら水の泡ですね。。。


無駄な力みが、そこに生じたとき。
筋膜のリリースがいかに起きづらくなるのか!



そのような現象を、真摯に避けていくために。


完全に道具たちの動きを妨げることなく動く黒子に私が徹したときに、
こんなにもリリースが鮮やかにおこなわれていくものなのか。


通常ではあまりに骨化が進みすぎているといわれそうな
筋肉が硬化した状態部分は解こうにも解けないようなところがものが多く内在されているお客様。
その場合には、骨化が進むというのは、文字通り骨よりも硬い筋肉や靭帯に組織が劣化していて、
容易に溶ける範囲を逸脱しているのです。


そのような筋膜組織を持ってしまえば、
おそらくは通常のマッサージ等ではリリースはできないでしょう。
私が知る筋膜リリースをするテクニックは多数ありますが、
実質、対処できるものではない。


それは自分自身で対処対応できる範囲は越えているので、
実質、そのような質の悪い筋膜組織を身の内側に作ったら、
一生涯、その組織の制約を受け続けて暮らさなければならなくなるのです。


それほどしつこい筋膜が硬化した組織をみると、
施術をする側としてはどうにか解いてあげたい。
すると初心者のときにはとにかく力任せで圧するのですが、
なかなか解けるようなものではないのですよね。。。


かく言う私も骨よりも硬い筋膜組織を相手にすることが多く、
力みがついつい入ってしまうこともあるのです。
そうなると解きたい気持ちと解けはしない現実と、
そして解こうとして帰ってくる施術者への甚大なダメージと。
諸々、苦境へと陥ってしまうものなのですよね。


もちろん私は、素人レベルの話での苦境に入ったというわけではなくて、
相応なことはできつつある部分もあるのだが、
それであってもハードルの高い筋膜の癒着を多く目にすることで、
力みを抜いて解ける範囲を逸脱しているというものに苦しんできたのです。



そうこうしているときのこと。
この度の、真鍮製の自作ツールを完全にフリー・フォールでリリースを試みたとき。


あれっ、以前、私ががんばってトントンと解こうと歯を食いしばっていたものでも解けなかった部分が。
信じられないけど、わりかし、あっけなく解けたぞ。。。
私自身が、一番、驚いてます。
目を見開きながら、狐につままれた感じですね。


最近の施術成果が高まっているのは、気のせいじゃなくて。
そのような成果の積み重ねをお客様のリリースに投入していますから。


そして決まってお客様がおっしゃられる言葉があります。


「なんだか、ずいぶんドンッと来ていたが、眠くなって途中で意識、消えてたわぁ」
つまりリリースされる際の変化量が大きいぶん、衝撃はあるものの、
先程までの交感神経が極まって緊張していた状態がスムースに落ちつき、
リラックスが深まる副交感神経状態へと脳波が移行して体の隅々がそれに反応している状態です。


何人のお客様からも、「あっ眠ってた。ドンときているにもかかわらず、不思議だわ。」
このお言葉をいただきました。 ^-^


それは、施術成果を今だけではなく継続的かつ体質の改善という深いレベルまで至らせるための、
大切なキーになる状態への移行でもあるので。
すばらしいことですよね。


こんなにも努力感を削り去ったほうがいいのか。。。


努力感を捨てて楽に快適に技ができるようになったほうが効くものだ。
そのような言葉を武術の達人がいっていたことを思い出す。


まさにおっしゃられる通りでした。




いかに言葉でわかっていたつもりでいても、
体ではわかっていないことが多いいものか。


そして体でわかったときに、
はじめて意味が得心できた。


これまた、施術の研究をしっかりやってきてよかったと、ほんとうに痛感しました。


今までの力みが抜け切らない自分に恥ずかしく思える反面、
筋膜リリースにとどまらず、
すべての仕事に通じるような大切な気づきを実感として得られた。


そのことに感謝したい気持ちです。