「筋梢は指になり」


先日、お客様から、

舌って、伸筋ですか?
という質問メールが寄せられました。


明確に伸筋だと言い切るほどの知識がなくて、


「舌は伸筋だと思います。」


という、歯切れの悪い回答をさせていただきました。



舌先を上にあげて上顎につけるという舌を伸ばした状態をとると、
気が自然に丹田に降りて体が全体的に安定する反応が起きるので。
それと同時に精神の安定にも寄与することとなります。


そのような印象が私の中に思い浮かんだので、
おそらく舌は伸筋モードで利用して機能を発揮させるものだろうと。


単純に舌という筋肉層がミルフィーユ状態になっている組織を緊張させて萎縮させるような屈筋モードにすると、
いっきに体全身がブレーキが掛かったかのように筋緊張が起き、
そして身動きが取れなくなってしまうことが体験的にわかるだろう。



ちなみに、中国武術上では
舌について、独自の見立てをしております。


たとえば『形意拳の真髄』という本を参照させていただきますと、


『 血、肉、筋、骨の末端を四梢という。


 血梢は髪になり、
 肉梢は舌になり、
 筋梢は指になり、
 骨梢は歯になる。 』


という。


実は舌についての問いのメール回答で、
本書を参照する前にうろ覚えで、
「舌は筋肉の末端だ」と述べてしまった。


実は形意拳以外の中国武術の門派では、
他に幾説かあったと思うのですが。。。
いろいろと調べ回るのも時間の制約があって困難。



ひとまず、Sさん。
申し訳ない。
おそらくブログをときどきチェックしていただけていると思いますので、
この場で、訂正させていただきたいと思います。




また 「筋梢は指になり、」というところも興味深い。
指の用法によっては「鋭利な刃物」のような使い方ができます。
それは鷹や猛虎のように。


筋肉の勢力は、指に現れる。


そのような見方ができるため、
筋の末端としての手の指や足の指をどれだけ巧みに操ることができるかが、
筋肉全体をハッピーに操れる結果にもなってくるのでしょう。


つまり手足の指先を伸筋モードで使おう!


それが体全体の筋肉を伸筋モードで操ることとなるのですね。


とりあえずお越しいただいているお客様には、
「指先をピ〜ンと指と指の股がちょっと痛いくらい伸ばして」
とか、
「手の形を<朝顔の型>のような形状にしてみてくださいね」
とか。


指先部分の意識をいれる発想を持ってくださいとお願いすることがあります。



それは一見すると不思議な事をさせるような気にもなりますが、
「筋梢は指になり」という視点から考えると、
うなづけるところでもあるでしょう。