窮屈に頭を締め付けるヘルメット筋は、かぶるな!:「後頭前頭筋(前頭筋・後頭筋・帽状腱膜)そして側頭筋」

「スモールサイズのベン石温熱器を使ったセルフケア」をしていただけるように考えていますと、
以前、ブログでお伝えいたしました。

スモールサイズのベン石温熱器は、たいへん小回りがきくツールですから、
そのケア範囲は、
・頭部と首
・胸部(腋下・鎖骨周辺・胸骨・肋間)
・腕
のような部位にリリース効果を発揮できるでしょう。

 


まずは「頭部と首の解説」が先と考えて、
早々にそちらの部位の解説を少しずつブログに解剖学的な知識を書かせていただいております。
深いところはわからなくとも、事前に「へぇ~、私の中身ってそんなふうになってるんだ」と。
そのような感じで眺めていただけたらうれしいです。

それで、少し急ぎでブログにアップとなります。
今日、2つ目のブログ投稿です。 m__m

 

窮屈に頭を締め付けるヘルメット筋は、かぶるな!:「後頭前頭筋(前頭筋・後頭筋・帽状腱膜)そして側頭筋」

 

 


前頭後頭筋と側頭筋1.jpg

 

 

 

まず、お知らせしておきたいこと。


■ 帽状腱膜は、ゴリゴリ、解かないで! 「前頭筋」と「後頭筋」を緩めるのが先です!

 

前頭後頭筋と側頭筋と帽状腱膜.jpg

 

頭部の頭頂部には筋肉がなくて、そこは自力では動けない組織です。

「帽状腱膜」という{腱膜}は、自力で収縮弛緩して動きを表現する{筋肉}とは違います。
「前頭筋」と「後頭筋」という、2本の筋肉により引っ張られることで受動的に動かされます。

「帽状腱膜」が緊張しすぎで固定したときには、
筋骨格性(緊張性)頭痛・眼精疲労・不眠などの症状は出ますが、
本来的には自力で筋肉が拘縮して委縮するような凝り方はできないのです。
それゆえに「前頭筋」と「後頭筋」という、2本の動きの主導権を持つ筋肉が先に凝りが出て、
その凝りに乗じて帽状腱膜の組織が直下の頭部の骨や頭皮に癒着が始まったという流れとなります。

「帽状腱膜」部分を通常の筋肉を解くようにゴリゴリとずり圧をかけても、
元から薄い腱膜層ですからその解き方は通じません。
通じないどころか、無茶にゴリゴリすれば、
帽状腱膜なり頭皮なりの組織はダメージを受けてしまう。
( 貴重な毛根を死滅させたくなければ、絶対にすべきではない悪行です         )
( 一度、毛根組織をつぶしたなら、それが再生して元通りにはならないと思ってください )


帽状腱膜にダメージがあるときのリリースする手順として、
硬化した「前頭筋」か「後頭筋」の2本の筋肉のどちらかかを、
またはその両方の硬化した筋を先行してリリースを十分にしておくことです。
そうすると張りが強く頭部を圧迫している帽状腱膜は、
そこを解かなくても緩んでくれる分があります。

特に後頭筋は厚みがあって、こちらが張ると帽状腱膜には悪影響が前頭筋にまで及びます。
しっかり後頭筋を緩めるようリリースをしていきましょう。

※ <後頭筋部分のリリース>は、
  頭骨が直下にあるため、筋を押し付けて解こうとするとダメージがでてきます
  {かっさ}などの軽擦により解くようにするのが効率よいといえるでしょう
  ただ後頭筋が硬さが強すぎて骨化したときには、
  個人的な経験上の話ですが、ハンドマッサージでリリースできた試しはありません。
  温熱対応以外ではなかなか解けないように感じます。

 

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前頭筋・後頭筋は
・頭皮を後ろに引っ張る。
・眉を持ち上げる
・額にしわを寄せる
という作用があります。

額にしわを寄せ続けるようなしかめっ面をしがちな人は、
前頭筋・後頭筋をしっかり深めに緩めるようにすると、
さっぱり、すっきりするようです。


ちなみに。

通常は「後頭前頭筋(こうとうぜんとうきん)」として前頭筋・後頭筋と帽状腱膜をひっくるめて一本として扱います。
ですが施術では
・前頭筋がダメージをうけたとき
・後頭筋がダメージをうけたとき
・帽状腱膜がダメージをうけたとき

それぞれが別々の違った症状が出るので、
症状別に部位を把握して整理して頭に入れるようにします。

そのような分解整備をしてパターン化して人体を観ていくのですが、
臨床を積むと本に書かれている個別症状も一例でしかなく、
個別の筋に対して新たな症例を先生の経験値があがることで付け足されていくことになります。


一般的には、
・前頭筋がダメージをうけたとき
 額の上方に疼痛を訴える(比較的、範囲が狭いですね)
 前頭部の頭痛としてあらわれるときもある

 

・後頭筋がダメージをうけたとき
 後頭部から頭蓋部をとおり前頭筋、そして瞼周囲まで疼痛(頭頂部広域に疼痛範囲が及びます)
 頭頂部や後頭部の頭痛としてあらわれるときもある

 

・帽状腱膜がダメージをうけたとき
 筋骨格性(緊張性)頭痛・眼精疲労・不眠などの症状など

 

また側頭筋についてもお伝えしておきますね。



側頭筋の影響範囲は歯にもおよびます.jpg

 

・側頭筋がダメージをうけたとき
 側頭痛がおきる
 側頭部の頭痛となるときもある
 上顎の歯痛

 

私事で恐縮ですが、
12年ほど前のこと。
急に上の右奥歯が歯茎も腫れて激痛で歯医者に駆け込んだことがありました。
患部のレントゲンを撮っていただきました結果、
「特に歯には問題はないですけどね~」という診断でした。
それで取り立てて治療は受けず、
痛み止めを出しましょうかと言っていただいたのですがお断りして。
3日間、右上奥歯の激痛で苦悶した覚えがあります。
日に日に不安が膨れ上がって、ほぼパニックでした。
でも一週間すると、けろっと痛みが消滅。
ほっとしたことを覚えています。


右側の側頭筋が引き起こした歯痛だったのでしょうか。。。
本当に歯も歯茎も、上方に引き連れた牽引痛がしびれるほどの痛みで、
その当時に側頭筋の影響が歯に及ぶと知っていたとしたら。。。。

ただ残念ながら側頭部への刺激の与え方は難易度が高くて、
ここもまたベン石温熱器を使った温熱対応をしないと深めに解くのは難しいんですよね。