猫背を治す!:「大胸筋」

昨日6月27日、臨時受付の施術。

 

お客様のプライバシーがありますから、
詳細はお伝えすることは差し控えさせていただきます。

 

数年来、腰部が気になってきたが、
これ以上の深層はないという部位のリリースが進みました!

付着点以外に多く骨膜に癒着が進んでいた部分から、癒着が解け剥離して浮かび上がってくれた。
想定上、現状のような様子としてあらわれてくるとわかっていたものの、
こちらのお客様ほど大腰筋部位の過剰パンプアップから委縮に転じた方は私もお目にかかったことがなかった。

ひとつ、いい勉強をさせていただきました。

お客様は、ホットストーンを使う施術での改善もあったと、前回の施術から振り返って語ってくれました。
「腰部には敷石、腹部に置石
そういったホットストーンの設置をして、熱エネルギーが転写されて筋膜の癒着がはがれる下地を付けてからのリリース。


お客様の現状では、コロナウイルスの影響によるお仕事の作業量の減少等の、
肉体へかかる負担量が減少したことも、この度の変化を起こすための、
いい休養となったものと思います。


大腰筋の状態改善により、
その上に乗る胸椎と肋骨、そして胸骨、鎖骨とそれに関連する筋肉群の対処が深まった。

腰椎の側屈が、過去に何度も繰り返された形跡があり、
腰部の筋肉部位では内部的な筋の断層の状態は褶曲する部位が感じられていたが、
それらがなだらかとなっていた。

腰部の腰方形筋や起立筋部分は、その周囲は肋骨のような骨で取り囲まれたわけではない。
そのためこなれるような脊椎の伸長を起こす流れがでれば、徐々にスムースな様相へと移り変わっていくのです。


ただ腰部の上に乗る「胸郭」は、脊椎の一部となる胸椎を根に持ち、
肋骨が前に向かってカーブして伸び、
それから骨は肋軟骨というコラーゲン組織のみの構成と変わり、
それが胸の前を胸骨で留められている。

性質上は体幹の胸郭と腕の付け根としての鎖骨では別物。
だが、そこには胸郭という大地に鎖骨という腕が生える。
まるで「地球の大地にそびえる樹木」のような関係が成り立っている。


腰椎の状態以上に胸椎のほうがはるかに緻密な作業が要求されるのです。


そんななかで今日、お客様に説明させていただいてリリースを丹念にさせていただいた筋肉に大胸筋があります。

大胸筋は、鎖骨下筋とほぼ同時に硬化委縮し、
そうなると「悪い姿勢化」をもたらす筋肉です。
カンタンにいうと、大胸筋の柔軟性が失せて縮みっぱなしが「猫背」です。
大胸筋や鎖骨下筋に、異常なトリガーポイントが発生するとあたかも心臓発作を起こすような不快感を感じ始めます。


大胸筋も、こちらのブログを最近の筋肉解説部をお読みいただければ察していただけるように、
複数の異なった筋の起始を持つ筋肉です。

下の図、Gifアニメにさせていただいたので、
ダウンロードが重くて申し訳ありません。


大胸筋起始停止.gif

 

大胸筋は、イメージで言えば、落語家が持つ扇子を広げたような筋肉といえるでしょう。
構造はかなり複雑です。
関節も胸鎖関節、肩鎖関節、肩甲上腕関節にまたがり影響を与えます。


<起始>
・鎖骨部:鎖骨の内側半分
・胸骨部:胸骨
・肋骨部:第2~第6または第7までの肋軟骨
・腹部:外腹斜筋腱膜、ときとして腹直筋(こちらは発達している人とそうではない人で開きが大きい)

<停止>
・上腕骨大結節稜


<作用>
・上腕の内転、水平屈曲、内旋
・肩の前方移動の補助
・上腕の屈曲(特に鎖骨部の上部の筋繊維)
・肩甲帯の下制(下部の筋繊維)
・挙上位置からの上腕の伸展(胸骨部、肋骨部、腹部)

 


<リリース>
男性の大胸筋のリリースは、
スモールサイズのベン石温熱器では熱量不足で、
もちいるのは大きいサイズのベン石温熱器です。
下方のベン石の写真の「丸型」か「角型」を凝りの状況にあわせて選択します。
ただ大胸筋の上の脂肪層が多いときは「スパイク型」で、食い込ませる選択となります。
そして脂肪層がこなれた下部の筋膜層と離れてきたら適宜「丸型」か「角型」に移行することとなります。


男性は大胸筋は筋の厚みがあります。
鎖骨・胸骨・肋骨のそれぞれの起始から停止に向けて、
しっかりとしたずり圧をかけていきます。
大胸筋の下に位置する肋骨との関係を考慮してのずり圧です。

※ 腹部の付着点部位には強い垂直圧をかければ、
  肋軟骨はカンタンに骨折しますから注意が必要です。

比較的、男性の場合は、大胸筋は厚みがあったとしても表層筋であるためリリースは容易ですね。

 

ただ、大問題があります。
女性の場合は、大胸筋自体の厚みは男性より薄いことが多い。
それだけリリースは男性よりも容易なはずですが、
実際は、解きづらくてしかたがない部分の筆頭に挙げられるところなのです。

女性は性差によりバストが発達しています。
そのため男性に施すようなずり圧をかけて、徹底したリリースは望めません。


それで新たな対処法を工夫しなければなりません。
で、独自に考えた対処法のひとつは、
ベン石温熱器が二つ使える状態が理想です。
起始、停止にひとつずつ加熱されたベン石温熱器を置きます。
そうするとリリース効果は格段によくなります。

ベン石温熱器をひとつだけ所有しておられるときは、
そちらを起始のリリースで使ってください。
鎖骨~胸骨~肋骨~腹部のような流れで置く場所をずらしながらアプローチします。


停止は、適度な圧で固定です。

起始に動きを加えます。
動きの与え方は、くるくると小さな2~3センチ大の円を描くように。
ある程度の胸骨が動きだすまで続けていきます。
なかなか動かない時は、途中であきらめて切り上げましょう。
無理をしすぎずに、明日に作業を引き継いでください。

力の入れ加減は、この部位はその人の状態により胸肋靭帯や胸骨筋が骨化しているケースもあります。
そのときは相当な目打ち針で刺されるような鋭い靭帯を解くとき特有の発痛を感じます。

ベン石の温熱器でリリースを図るときは、その発痛は大幅に減少して感じられるのですが、
手で押したり他の器具では耐えがたい痛みになりますから注意が必要です。
そのときはリリースは一時期あきらめて、全身の代謝を挙げていくことを先行させることで様子を見るか、
一度でリリースを深めようとせずに弱い圧でかなりの長期をもって緩めるようにしてください。


特に胸骨部の心臓の真上の部位のリリースは、
心臓というトラウマ記憶が刷り込まれやすい器官がそばにあるため、
たとえ解けなくてもムリをしすぎないことが大切です。

無理をすれば胸骨周辺は肋軟骨もありますし、
経絡の任脈があり、それを乱せば事故につながる恐れがありますから。
事故によるダメージは避けるべきです。

 

またスモールサイズのベン石温熱器のPRになりそうですが、
胸や首筋のデコルテラインはスモールサイズのベン石温熱器でのリリースを図ることで、
私もこれだけのダメージを持った状態なら解くのが難しいだろうと思えた大胸筋コンディションの女性が、
セルフリリースで2週間ほどかけたら、しこり化した表面から中ほどまでを解いておられました。
ハンドマッサージ、それもオイルを塗ってのマッサージをセルフでもなさっていたそうですが、
それではさっぱり解けなかったが、このスモールサイズのベン石温熱器では気持ちが落ち着いて心地よさを感じながら。
それだけでおもしろいように解けていったそうです。

ご自宅で自宅での勤務となって、そのパソコン仕事の合間にスモールサイズのベン石温熱器で解いていたそうで、
その姿は決して他人には見せられるものではないと言ってましたが。


私の施術研究の歴史では、
女性の大胸筋の解きづらさをどうするか知恵を絞ってもうまくいかなかった過去があります。

それが、、、ぜんぜん、気合を入れて解こうとせず、片手間でここまで大胸筋が緩むと知った私は。

開いた口が塞がらない。

いままでの私の苦労はなんだったんだ!?
と _| ̄|○ 

しそうな気持に襲われましたが。

 

これで心臓への負担や呼吸のしやすさや猫背の改善ができる。
それも女性が自分一人で、片手間に。。。  ^-^;

それって、凄いことがわかったと他の方にも伝えたくなりました!

所有中のベン石温熱器各種2021-5-27.jpg