『胸腺が、どのように免疫力発揮にかかわっているのか?』の補足

 

昨日の私のブログを読んでいただいた知り合いの先生から、メールをいただきました。

bodywise-note.seesaa.net

 

「免疫のところで胸腺が必要な理屈、もうちょっと突っ込んで話したほうがいいいのではないの?」
ということでした。

免疫系のしくみは複雑になりがちですし、
いまだ解明し尽くされていない面もあり。
ならば私が口を開いて間違ったことをいうのも怖ろしい。

そのような姑息な考えを見抜かれての突っ込みでした。
ごっそり割愛させていただこうと考えていたのです・・・。m__m;

 

なぜ、胸腺が活躍しないと免疫系が働けないのか?

 

一次二次リンパ組織.png


骨髄(骨の内腔を満たしているやわらかい組織のこと)は造血細胞として、
すべての血液を作る造血幹細胞を持ちます。
その造血幹細胞から分化して【B細胞】という免疫に関与する細胞が作られます。

骨髄の造血幹細胞に由来するのは他にも胸腺でT細胞を作るための前駆細胞も同様です。
前駆細胞が胸腺に運ばれ、【T細胞】が作られます。

ちなみにT細胞というと、
ヘルパーT細胞や、キラーT細胞(ウイルスに感染した細胞や癌細胞を認識しその細胞を殺す)などは、
聞いたことがある方も多数おられるでしょう。

 

上記の、B細胞とT細胞が分化するステージを、一次リンパ組織といいます。

B細胞とT細胞は、脾臓やリンパ節に送り込まれ、そこで出会います。

その出会いの場の脾臓やリンパ節がB細胞とT細胞が互いに協力しながら免疫発揮するためのステージになります。
そちらを二次リンパ組織と申します。

 

・・・ざっくりした言い方ですが、
もしも、脾臓やリンパ節という場に、
出会うべくして出えあうはずの二人が出会えなければ。

それでは香盤表に明記された登場人物が欠けたドラマです。
冬のソナタ」で、ペ・ヨンジュンチェ・ジウのうち、
ペ・ヨンジュンがいないままドラマを撮り始めるようなもの。
それでは冬のソナタの熱狂的ファンも生まれなかったでしょう?

 

いや、話を元に。

 

二次リンパ組織という免疫発揮する脾臓やリンパ節というステージでは、
胸腺で分化したT細胞がいて免疫発揮ができる。

ならばさらに胸腺の働きをよくすれば、
免疫発揮する力強さがぐんぐんと増していくということですね。


私どもの施術でおこなう免疫力をあげる操作の重要なポイントのひとつは、
お客様の胸郭を柔軟性良くかつ左右対称にすることで呼吸器の状態を改善させること。
その場合には胸椎の柔軟性と変位の修正と胸骨の動きやその周辺の異常部位を改善させる。
そこを徹底しておこなうことで、成果を出しているんです。

働きが弱くなった胸腺を把握できれば、
そこでは機械的に免疫力は低下していると予想され、
ならば胸腺をどうにか働きやすい環境を作り出していこう!

そういうアイデアです。

単純でしょ。

 

ただ言葉でいうのはカンタンですが、そこには現状を観る経験値の高さと緻密に計算された改善プロセス。
同時に、現状の手技では対処できてないと感じれば、それをストックはするが別のものを得る必要があります。
つねにやり方をゼロベースで再考して手技を刷新し続ける努力をしている先生でなければ。。。
なかなか弱った胸腺の働きを取り戻すことができない。

そのようなことはいえているのではないでしょうか。。


研究が進んで施術による改善の積み上げが、すぐれてうまくいくことができれば、
受けたお客様の体質レベルで状態が徐々に、そして確実に上向いていきます。
お客様は、そのような先生を見つけてほしいと思います。


ただ私は研究を必死にしているものの、
いまもまだ納得できるものではありません。
寝食忘れて研究して、
一歩ずつ成長している手ごたえはあるが、それでも難しい。

難易度が高い部位のひとつが「胸腺の働きを根っこから改善させる」ことだと思います。
ホットストーンを使うことで光明を見出すきっかけをいただいたものの、
いま、まさにそこについての独自のノウハウを研究しているところです。


余談となりますが。
ちまたでお勧めされている胸腺マッサージ。
胸骨の上あたりをなでる、さするというようなやり方で、
状態がさほど悪い方ではなければ、胸腺の動きも改善が一時的に成されるでしょう。

免疫系の不安がある方であれば。
それをネット等で調べてやってみるのも手でしょう。

 

ですが、
すでに最奥では胸椎の位置の変位が強くなった状態が長期にわたり、
胸骨周辺の肋軟骨の状態が悪い方のとき。
例えば胸骨の最下端の剣状突起が突起として触れていない場合は、
私がかつての経験からでは理想の半分以下の呼吸の状態だといえるでしょう。(※ただ一部のふくよかな方は、違うときもある)
それは胸腺の働きが弱まっているカラダのサインです。

その状態からできるだけ早いところで手を切るような行動を起こしてください。