たとえば、便秘に対するアプローチ部分が、手技の理論体系別に異なってくることもあります

施術の興味深さ。

同じ治療目的でも、手技ごとの理論背景によりアプローチが変わることがあります。

 

 

たとえば、、、。

 

先日、便秘を改善させるために、
ベン石温熱器でどこを温めればいいかを図示いたしました。

功能性便秘をベン石温熱器でアプローチ.png


実は、、、。

他にも便秘改善のためのアプローチ法があるのです。

たとえば、そのひとつに、私がよく使わせてもらっているのが「チャップマン反射」というオステオパシー系の著名な手技です。
こちらはリンパの流れに着眼した療法です。
チャップマンにより内臓器官反射点が明示されています。

反射区といわれると、
たとえばリフレクソロジーのような足裏を刺激する治療法をイメージする人もいるでしょう。
身体の臓器の快不快の状態を知り、不具合があればその反射点を刺激することで、
臓器の機能改善を図るというものです。

テレビで、激痛の罰ゲーム的に足裏を刺激されて痛がるシーン。

観たことあるでしょうか?

チャップマン反射によるアプローチでは、そのような手荒な痛みを感じるようなことは致しませんが、
特定の臓器がダメージを受けると関係する部位にリンパの流れが悪くなります。
その悪化したリンパの流れの状態のままでいると、改善がなされづらいわけで、
または改善した状態も悪化した先ほどの元へと戻りやすいのです。


上図の中国で経絡や経穴を使った見立てによるアプローチで改善を促したのだが、
せっかく施術を受けたが数時間もすると元に戻ったとか、
数日も持たなかったとか。
または施術を受けることで体調を改善基調に乗せたいが、
なかなか改善のステップを順調に登れてる感じがしないとき。

私は補佐的に「チャップマン反射」というリンパの流れの不具合化を起こしている点を見つけ出して、
積極的にリンパの流れを順調な正常状態へと導くようにしています。


たとえば、下図が私が便秘に悩んでおられる方をみたときにアプローチする個所です。

チャップマン反射で便秘改善.png


ケルトンの人体図にマークが付けられている部分が、
臓器器官に問題が生じればリンパの流れが悪化する部位になります。


左大腿骨の外側に沿った部位に大腸のS状結腸・大腸・大腸弯曲部などのチャップマン反射点があり、
かつて私自身も数日、お腹が張ってくるしい思いをしたときに、
この部位を自己治療することで改善できたことがありました。

こまって苦しんでいるときに、速攻で結果が出てさっと改善する。
非常にたすかりますよね。


中国のベン石治療の本には、便秘に苦しい思いをしているときの指示に対し、
それをそのまま必死に改善を望んで自己施術するわけ。
でも、すぐにまた元に戻ってしまうんです。

たぶん徐々に良くなっているのですが、状態変化が芳しいとはいえない。

この左大腿骨の外側のリンパを流すような指示はありませんでした。
それがこのチャップマン反射の指示通りこの部位のリンパを流していくと、
お腹が張って苦しい状態がけろっとして抜け出せたということを体験しました。

ただ、そのときはベン石温熱器という磨きがかかった施術道具が手に入る前で、
かっさに近い形状のものを用いてアプローチをしたのですが。
施術のときの圧がかかると、その部位には炎症がもぐりこんでおり痛みがひどいものでした。

それが、いま。

ベン石温熱器でチャップマン反射部分を適切にアプローチをすると、
別に耐えられないほどの痛みがでることもないし、
画期的なまでにリンパの流れを元の正常化したものへと導くのが格段にしやすくなりました。

 

所有中のベン石温熱器各種2021-5-27.jpg

 

チャップマン反射の反応点は臓器と位置が離れていることも多いため、
施術中に私がベン石温熱器でアプローチしているところが、
その部分の筋膜が硬いから解いているのだろうと誤解されやすいでしょう。

 


筋膜のリリースだけでは戻りが速い人がかなりいるのです。
そのようなときには対応するための手技の数があったほうがいいときもあります。

使い物にならない程度の理解しかできない手技を多数コレクションするのは、
磨きがかけられた手技をひとつ得るに劣るといわれることもあります。

それはもっともなことです。
実際は手技専門書に書かれている内容を読みとけるだけの独自の臨床を積まなければ、
残念なほど書中で何が書かれ説かれているのかは難解です。
読みとけるものではありません。

 

またもうひとつ蛇足的につけくわえれば。

同じ体の部位を圧刺激を加えたとしても、
施術者が見立てた変化の落としどころを見出してかなえようとしなければ、
それは、一見すると同じような刺激を与えているように見えても同様の反応が起きることはありません。

興味深いことです。
目的が絞られて意図や意識が加えられた施術と呼べる操作と、
無目的で雑味がある濁った刺激とでは、
受け取る側の反応が異なります。
結果が明らかに施術と呼べるものかどうかの差が生まれます。