下痢と便秘にお困りな方へ、どこに注熱すればいいのか?・・・それは 【首のある部分】なんです

温熱療法について、
和書としてすばらしい治療か所を紹介している本があります。


注熱でガン・難病が治る―三井式温熱治療のすべて


一般書レベルの健康解説書なら、誰にでもできるメリットがある半面、
描かれた内容は浅いところで止まっているものがほとんどです。

こちらの本も外見上は一般書に見えるのですが、
そのような浅さは感じられない資料性もある良書です。

臨床家の先生が自身の検証を通して得られた注熱個所を紹介しています。

ベン石温熱器をどこに当てるかという研究のとき、
中国の温熱療法の解説書も観ました。
それはそれで独自の研究が進んでおられ、目から鱗が落ちる
それと並行してこちらの本も参考にさせていただいております。

いくつもの症例に対して、どのような部位へ熱を注げばいいかを解説してあります。




たとえば消化器の機能不良により<下痢・便秘>のとき。

消化器の関連するデルマトームや反射区や、直接内臓マニュピレーションなど、
「消化器の機能の停滞状態を、消化器を動きやすい状態によくしていこう」というアプローチもあります。

そのような直接法も効果はあります。

対して「注熱でガン・難病が治る―三井式温熱治療のすべて」の本でも、
消化器に関与しそうな部位への注熱場所を記しています。
腹部だったり腰部だったり。
つまり消化器を取り巻く周囲全体ですね。

ただそこだけじゃありません。
副交感神経、迷走神経】部分をアプローチするため首の両側部に注熱をすることときっちりマークし紹介してあるんですね。

他の温熱療法関係の本で同様な下痢や便秘の改善するためのアプローチ部位として紹介されておらず、
「おや?これは・・・」と、興味を持ったのです。

そして実際、下痢や便秘の人を調べました。
すると左右の首の脇が硬い状態の人が多いのです!!
首の表層や中層の柔軟性はあるものの、
施術者の手で触れて深部をチェックすると筋繊維が石のように硬くなるほど寄り集まっている。


そのようなケースが、実に多い。


もちろん別の要因で、便秘や下痢になることもあります。
ですがそういった場合でも、多くは副交感神経のスイッチが入りづらいほどの首の深層の硬さを見つけ出せるのです。



消化器機能が発揮するのは副交感神経が優位になったときなんです。
小腸や大腸がしっかり働いて消化作業をしてくれるから下痢や便秘にならないんです。

もし副交感神経系のスイッチをいれづらくしているなら、
それも立派な下痢や便秘をつくる要因と言えるのです。
ことへの交感神経優位へ設定が振れているときには、



心臓をばくばく動かすような必要があるときは交感神経が優位で興奮している状態です。

交感神経のスイッチが入っていれば、副交感神経のスイッチが入らない仕組みです。

すると首筋のサイドが固まると交感神経のスイッチが自動的に入るのです。
そうなると消化器が働けない。

首筋の筋肉の凝り(特に深部層の首凝り)を緩めて副交感神経のスイッチを入れない限り、
「消化器が正常に動かないなんて、あたりまえじゃない!」
という臨床家の声が聞こえてくるようです。



でも、そのようなあたりまえのことが書かれていない施術の解説書も一般書には多いのです。。。


だからお腹を便秘だと押し続けても、首筋が硬すぎ状態を放置しておれば、治りがわるいか、効果ないんです。
そう言えるほど、首筋のサイド部分は重要。

同時にいい加減な手当てのし方をすると、そういった重要個所は大きなしっぺ返しをしてくるので、
手技には慎重さが必要です。
表層から中層、そして深層まで複数の筋肉が層状に折り重なり、中には頸動脈や頚椎などの神経の重要個所が通っています。
ダメージを遺すようなアプローチとなっては、リカバリーも非常に難しい個所の筆頭でもありますから。
素人の方では、もしかしたらハードルが高いかもしれません。

ただし温熱器のようなもので、首筋の凝り固まった患部へ熱を注ぎ込み、
代謝が悪化した組織に栄養と酸素を送れるようにして回復を促すというのなら、
大きなダメージを受け取らずに済みます。
それは先生が施術をやる側もですが、施術を受けるお客様が自分で自分の首に熱を注ぐときもです。

心地よい範囲内で熱を注ぎ込む。
温熱器を持っていれば、それを回数を複数回することで、
やがて柔軟性ある首を手に入れることができます。
温熱療法のよさは、スラストや押圧をかけるマッサージではなく熱を注ぎ込むだけで、
自身の回復する力をアップさせ弱った細胞を生まれ変わらせる自然治癒力を発揮させやすいところです。

それも他の療法と比べると、とても安全に。
(一般の方が自分や家族におこなうならば、あっちっちとならない程度の温度設定でもいいでしょう。それでも効果があります)



この本の著者はすでに他界なされておられます。
できればさらに大判の本で臨床家向けの温熱療法の解説書を遺していただきたかった。

価値ある内容の本であれば、高額でも購入します。
そんな本を手にしたかった。