施術のアイデアやヒントは、お不動様で

最近始めたのが行きで30分程度の散歩距離の目黒不動尊へお水取り。

夜半に出かけることが多く6キロ弱のお水を背中に背負い帰り、
自宅の植物にそのありがたい水をあげるようにしています。
時間があれば水かけ不動の滝の音をしばらく聞き、
瞑想および思案にくれるようにしています。

そのような自室以外で静かな時間を過ごすことも大切です。
イデアにいきづまりがあったものが、
いくつか氷解していきました。





ひとつは、
ベン石温熱器を使っているとき。
どうにか磁力をそこに付加して赤血球凝集や変異体となった状態から抜け出せないか?


黄帝内経という中医学聖典と呼ばれる書には、
乱れた経絡上を磁力を適切に通せば、
経絡の通りが改善すると説かれています。

体内で磁力に反応しやすいものは、
鉄分を持つ血液で、その分に対して影響を加えることになるのだろう。

たとえば、砂鉄を馬蹄磁石で吸い付けると、磁力線の強弱が視覚化できるかのように。


おけつと呼ばれる酸化した不快な組織液が、体外に出ていってほしいので、
私たち、施術をする者の多くはリンパ管を詰まらせた部分を通して排毒させる方向へと、
その酸化したものを押し流すように仕上げています。
筋膜のごろっとした硬いものを解くときには、その部分を一局的にほどくこともありますが、
そこが平易に落ち着いたら、そのときにごろついていた個所を組成したごみのようなものを掃除をします。
たとえば木工作業をして木くずが周囲に飛び散ったら、それをほうきと塵取りで集めてポイするようなものです。

それをしないままでいると、早々にそこのごみがまた再集結して粘りだしますから。
私のやり方での筋膜リリースでは、丁寧な仕事を考えるなら、
散らかったらそれを処理してくれるリンパ節方向へ押し流しています。
そうすると、リリースされた皮下の浄化につながるんですよね。


そのときにリンパ液だけが体液的に凝りの部分に固着しているわけではありません。

血液も血管が理想のしなやかさをとれず、
血の巡りの力も低下しているようであれば。
血の状態も、リンパ同様によいものではなくなって、
その凝り周辺にはびこっているようです。



温熱器を使って温熱を活かすと同時に磁力も扱えないか?

温熱である程度の凝りが進んだ部分を融解させていくことができたあと、
リンパの廃液がしづらいようなものにも似た、不浄化な状態でもあるといわれています。

ベン石温熱器で解かれた状態のままでは、
その部分周囲に木工作業をしていたときの木くずのようなものが周囲に飛び散った状況だと仮定して。
もしもそのような状態であれば、
血が鉄分を含むから磁力に反応しますから、
その磁力によって血の流れを流れる方向へと誘導していく。
そのようにしてスムースなお掃除ができるのではないか。



磁気を健康維持や増進にもちいるやりかたは、
「マグネット・ヒーリング」とよばれるもの。
ジャンルとしては目新しくはありません。

すでに数点、そのようなタイトルの書物もあります。


そのような資料を手にしつつ、自身への人体実験を、いつものように。

昨日と同じことをしているならば、それ以上の経験は得られませんが、
昨日と異なる経験をしつづけたら、必ず経験値が積まれて化けられる。
そのような考えで仕事をつくっていますので、
別にベン石温熱器と磁石の同時利用は私自身のオリジナルではないが、
自分らしい最適な利用ができるデータが見当たらないようですから、
そこに深く入り込んで何かを得ようという感じです。



実験の手始めに、
強力な磁力を持つ『ネオジム磁石』を数点持ちながら自身の凝りをつくった部分にアプローチをします。
(※ そのアプローチの仕方は、様々工夫を凝らしています。
   ただ現状ではやり方を変更することもあるためお伝えするのは控えさせていただきます)
すると筋硬度計で計測しても、それほどの違いがでることがない数値での成果率の向上は見られるものの、その程度でした。
それにネオジム磁石の特性は高熱となれば磁性が弱まったり失われるため、温熱との相性が悪い。


次の実験。
酸化鉄を主原料にしてバリウムストロンチウムなどを微量加えて焼き固めて作る化合物の『フェライト磁石』。
こちらのほうは磁力自体はネオジム磁石と比べれば微弱の手元にある磁石を利用しました。

結果、何が作用しているかはわかりませんが、凝りのリリース成果は高まるようです。
それは単純にネオジム磁石が小粒でフェライト磁石のほうが大きさと重さがあるというわけではなく、
ネオジム磁石フェライト磁石を持つときと、同じ重さになるように調整して温熱器を握って実験しました。
あとは実験上の条件を多くする目的でおこなったことですが、
フェライト磁石に小粒で比較的磁力の弱いネオジム磁石を足すことでさらに凝りのリリースも進むようです。



私の現状の推測ですが、
人体患部のほどけづらい状態にまで固着化が進んだ癒着部に
ベン石温熱器による温熱効果が遠赤外線を患部の凝りにゆさぶり影響を与えその場を変化させ、
その上で微弱な磁力ですが血液という「鉄分」を含む体液への影響を付加させやすいようにすることができるのでは。
それでいつもなら患部の筋膜癒着が済んだ散らかった木くずがあるような部分を、
余計なほどの大きな力でほうきで掃き掃除をしていたが、
磁石を付与したベン石温熱器では、
磁石をつけていないときの半分ほどの軽さでなでるだけで、
その場の浄化が進んでいるようにみえました。



数度繰り返し行った筋硬度計で計測した数値から、
フェライト磁石とネオジム磁石との違いを感じました。
しかし数値上、際立った違いだというわけではないため、微妙な成功の積み重ね。
わざわざ、磁石を付けたことでリリース効果が大きくなりましたといえるほどではなかった。。。



だったら、温熱と磁力という両方の違った振動の現れは相乗効果を得られるでしょう。
両者とも、市販される健康器具として広く認証されたもので、原理上、適正にもちいることで、よい結果を表しています。
そこを笑顔で推していこうかとも思いましたが、それは納得できませんでした。 ^-^;

当初の私の目的の、
トータルの押圧を弱めてもリリースできるようにしたいというアイデアは、
改善上の数値的に暗礁に乗り上げておりました。




押圧を弱めてもリリースができるようなら、
お客様の痛み等の不快感も軽減できます。
痛みの不安感を拭えた状況であった方が、施術成果が高まるし持続します。
血液に対して与える温熱と磁力の影響は様々な設定で相性をあわせることも工夫次第で可能でしょう。

「熱すぎないほどの温度と高すぎない磁力」

ベン石温熱器は、ここは変えられないが、
磁石の素材は他を試していくべきでしょう。


それで東急ハンズ渋谷店でサイズや素材違いの磁石を多量に買い付けました。
なかにはゴム製マグネットなども。。。
でも、やっぱり今ひとつ、納得できない程度です。




そうして買い込んだ磁石を目の前にして途方に暮れていました。



いつもだったらこの時点で企画倒れでお蔵入りさせるのですが、
そうするにも踏ん切りがつけられないような、
漠然としたワクワクした可能性に魅せられたままでいます。



そんなとき目黒不動尊の水かけ不動の独鈷の滝のほとりで、
夜半で小雨混じり、寒さをこらえながら瞑想していたとき。


すっと、目をつぶった瞼の裏にビジョンが浮かんできたのです。


それは以前から自宅にあった私が母のために買って渡した
ネオジム磁石フェライト磁石じゃない素材の磁気付きの磁性を持つ石でした。
(※ただそれはフェライト磁石に「特別な鉱物」が混ぜられたものだと推測できます)

その磁石は強力な6000ガウスとかいうようなものではなく、
おもちゃのような弱い磁力しか持たないもので「肩こりが治るかもね」という程度の代物です。

さすがにこれは試してもしょうがないだろうと、実験素材リストから外しておいたものでした。


それであまりに明瞭に映ったビジョンで気になったため、
すぐ帰宅し、その磁石をスモールサイズのベン石温熱器に巻き付けて頭頸部のリリースをおこないました。




すると、なんと!!




独断と偏見で実験から外した素材だったはずが、
成績がいいのです。

腕部・脚部や胴体のような太い部位では、磁力がそれでは足らないとわかったので、
そちらにネオジム磁石をいくつかつけて磁力を補う必要がありました。
ですが「頭頸部」のリリースは、今まで以上にやりやすく仕上がりもいい。

頭頸部を緩めると、体全身が確実に緩められます。
その理由の一つは、全身にある経絡は頭部にてつどうようになっています。
だから頭頸部が、ある程度しっかり解けると、経絡という筋肉の連関性をもつ流れ全体にも影響がでてくるのです。

私にはその成果から、
硬さが強くなっていた「右膝」が突如として緩み始め、
ちょっと動いただけで痛くなったという感度のマヒからの脱却というサインを受け取ることになりました。

ただしこのような場合は膝に血が通り初めて好転する場合なので、
一晩寝れば、そのような不快感は消えます。
ここ最近、デスクワークを長時間しすぎて、つい踏ん張る力が力みになり、
右ひざ内側を通る腎経の経絡が緊張から過緊張、過緊張から癒着へと、悪化を続けていたのだと思います。



まだ温熱器に磁石を付して磁力で散らかった部分を浄化できるというのは、
十分な検証がなされてはいません。
これからの積み上げも必要です。

ですが目黒不動尊でのお世話のおかげで、
かけがえのない知恵をいただいたと思っています。




最後に。
目黒不動尊のお堂の右手脇には、
いま、さつまいも(甘藷)の花が咲いています。いまが、見ごろで見事です!

さつまいもの花 目黒不動尊.png

目黒不動尊の墓地には青木昆陽先生という、
飢きんなき民の暮らしを願ってさつまいもの栽培をした御仁が眠っておられます。

さつまいもを甘藷(かんしょ)というそうですが、
なので人呼んで、甘藷先生と親しみと尊敬の念を込めて呼ばれています。