仙骨が動かないと頭に悪影響って?

後頭骨と仙骨の関係性。

カイロプラクティックのSOTやオステオパシーの頭蓋仙骨治療などを学ばれた先生方には既知のことで、
せんだってコメント (http://bodywise-note.seesaa.net/article/498234820.html#comment)で
山中さんが「頭蓋骨がガチガチ固まった石頭は危ないです。脳梗塞を起こして片麻痺になった患者さんは仙骨が前傾でロックしてます。当然頭頂骨が締まりっぱなしです。」とおっしゃっておられました。
ほんとうに、そういった傾向があることが、脳梗塞を起こされた方のお体を観れば、
現象面でそのような仙骨と頭蓋骨の状態に陥っていることを観察することとなります。
脳梗塞以外にも付け足すならば、認知症になられやすい方の傾向と当てはまるという先生もおられますね。





正常な仙骨であれば、呼吸の吸う吐くのタイミングで前後に動きます。

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仙骨の上に手をおいて呼吸をしていただくことでモニターできるでしょう。
こうした仙骨の前後に動く力が原動力として活用され、
頭蓋骨内の後頭骨が仙骨の動きに同期して前後に動きます。
仙骨が前に動けば後頭骨も前に動き、
仙骨が後ろに動けば後頭骨も後ろに、という動きの規則があるのです。
頭蓋骨内の後頭骨が仙骨の動きを無視して単独で動くことはありません。
必ず仙骨の動きに連動して後頭骨が動きます。
そしてスムースに仙骨が動くことで後頭骨の動きもありますし、
骨盤を構成する仙骨ともうひとつの骨の腸骨の動きや位置を
頭蓋骨のこめかみ辺りにある側頭骨の動きが倣って動くこともあり、
それら仙骨と腸骨の動きが順調に呼吸で稼働する量に準じて、
頭蓋骨の後頭骨や側頭骨の動きが現れます。

だから仙骨に手をおいて動きの質を観れば、
その人の頭蓋骨の動き方、位置がどのようにずれているか、そのずれの量などを推測することができるのです。

仙骨が恥骨側に近づいたまま固定しているなら、後頭骨は顔の前面へと近づいたまま固定します。
仙骨がねじれていたまま固定しているならば、後頭骨も多くの場合、ねじれが生じているでしょう。
後頭骨のねじれの様子は、胸椎等でねじれが進めば仙骨と後頭骨のねじれ方は違うこともあります。
または仙骨に恥骨側に近づき同時にねじれがあれば、それらの兆候は同時に後頭骨により起きます。

脳内では脳脊髄液という液体が生成され、脊髄神経のための栄養源として使われており、
仙骨の動きにより起きる頭蓋骨の拡張収縮が起こされたときに起きるポンプの力で、
脊髄へ向けて脳脊髄液を送り流します。

頭蓋骨内の脳は、頭部の脳脊髄液の液体をたたえた特設バルーン状プールにちゃぽんと浮いたフロー構造になっています。

仙骨の動きが理想なら、順調に脳内の脳脊髄液を脊髄へ運べれば、自律神経系もしっかり動けます。

でも仙骨の動きに制限が加えられれば、頭蓋骨内の特設バルーン状プールの脳脊髄液が胴体へと送れません。
すると頭蓋骨内に脳脊髄液が理想の限度を超えてたまりだし、そのプールは脳脊髄液でパンパンになります。
そうなると脳脊髄液が脳へと圧迫の力となってギッチギチと締め付けが始まり、
脳内に入ろうとする血液を受け取りづらくしたり、脳内で生まれた排泄すべき物質が外へと運べなくなります。
こうした脳内部へ積み重なった圧迫の過剰により脳内の血管に負荷がかかることもおこります。
この状態と高血圧に加えて精神的な強烈なストレスがくわわると、脳梗塞の引き金になりやすいとみられています。
また脳内で使い終わって排泄すべき物質も、脳圧が高まって脳内に貯まればアルツハイマー型の認知症へ向かう傾向が観られるといいます。

生理学や解剖学的なベースあっての理詰めで話がほとんどなので、
そういったベースになる知識を丁寧に解説すれば誰でもなっとくの話です。
ただ、そうした傾向があるだろうということは把握しておりますが、
わたしども施術をするものは医者ではありません。
お客様から直接的にその事案について知りたいと要望がない限り、
私どもが進んでこういった仙骨の状態はこれこれのおそれが懸念されるためよくないなど、
お話することはありません。
お客様が懸念材料を羅列されて不安なこころを誇張させるのは得策ではありませんし、
そのようなことは役分ではないと考えています。


ですが山中さんのようにしっかりした施術のこころえのある先生には、
施術により得た独自の臨床による見立てもふくめて
「こういうことって、あるよね」
「そうなんだよね」OR「えっ、マジですか!?教えてくれてありがとう」
という話がでてきます。
そうした言葉掛けをしてくれるって、うれしいんですよね。

人間の感覚は、けっこう正しいものなのか。それとも・・・

人間は、自分の直感や感覚が、結構正しいと思ってます。

それが事実だと思ってしまうのです。

 

それを事実と思うことで幸せになるならいいのですが、

それを事実と思うことで不幸になるなら?

 

そうしたらもう1回、再検証することが大切です。

・自分はどんな事実を見たのか

・どんな解釈をしたのか

・どんな結論に至ったのか

 

そういうプロセスを再度こころみることで、

かならずしもそうとは言えないという気付きがでてきます。

 

そうなると、

「では、代わりをどのようにしてみましょうか?」

というように改めて探求し始めることができます。

 

 

 

このことは自身の身体状況の把握についても言えていることなのです。

たとえば、

「私はふつうに座ってるだけなのに、腰、痛くなるんです」

 

「ふつうに座っているだけ」というのは、その方の主観でのお話です。

その人がしている座り方なら腰痛になるわけはないという考えが見えます。

だからそこに対して質問をして、より具体的内容をうかがう必要があります。

いわゆるこれが、つっこみどころです。

 

 

 

もしその方がなさっておられる座り方を私がまねすれば、

座り方の問題により、その人同様、腰痛を起こすかもしれません。

またはその方自身がすでに腰痛の種になるような腰への負担蓄積があるのかもしれません。

普通とか一般的にという基準は世界中探してみても、

その人自身が抱いていた独自の感覚に過ぎないのです。

普通すぎて取るに足らないと切り落とされ表現されなかった点について

できるだけ事実と直感と感覚を分けて話をうかがうのです。

 

 

「ふつうの座り方」という感じ方にもとづいてのべた言葉について

「必ずしもそうは言えないかもしれない」と気づけたとします。

そうなれば話は建設的になりはじめます。

 

 

「では、代わりをどのようにしてみましょうか?」

 

 

ここでふつうじゃ陥らないことで苦しんでいる自分がいて困っていた思考の混乱から抜け出せるよう、

一歩前進できたことになるでしょう。

 

 

 

普通の座り方、普通の立ち方、普通な歩き方、普通な所作。。。

直感的に自分はまさにふつうなことをしていただけと考えていたならば、

 

まずは、

「どうしてそう感じたのですか?」

と、自問自答をしてみましょう。

 

もしその座り方や立ち方で不具合がなければ、そこでやめてOKです。

 

ですが不具合を感じていたとしたら、

姿を鏡や映像にうつして客観的に見つめたり、

他の良好な健康状態を持つものとそれを比較して事実から学ぶとよいでしょう。

 

そうすると普通な所作などどこにもないことに気づきます。

不具合を感じる結果を導き出す原因は、長い年月を経て蓄積されただけあって、

そうした普通に感じる強さもことさらに強いものです。

 

理想状態との比較を写真等でおこなわれても、

そのときすっと脳がそれを認めることはないでしょう。

通常、徹底抗戦の構えで言い訳をして、現状を守ろうとする。

(まさに私もそうでした!==;)

 

そうするようなプログラムが本能の中に差し込まれているかのように、

多くの人々にとって共通の反応としてそれがおこることでしょう。

 

 

 

身体はとにかく急激な変化変容は嫌います。

特に手探りのままでの急激な変化は危険だから避けたい。

それが度を越すことで、現状維持を決め込んで悪癖を見て見ぬふりをさせる。

人の内側にそうした行動を取る傾向があるようなのです。

 

だからこそ身体操作のプロは、

そうした脳の自己弁護からはっせられるふつうというワードがでたとき、

脳が自身の進化を妨げようとしていると見抜きます。

その上で、変化のない日常からエキサイティングなプラスの未来へ続く冒険の旅にでていきます。

 

初、発酵デパートメントで、天然酵母パンで知られるタルマーリーのパンをゲット!

腸活には質のいい発酵食品はかかせません!

かねてから気になっていた
下北沢に店がある発酵デパートメントhttps://hakko-department.com/)へ足を運びました。

店内でイートインできるスペースもあり、
発酵に関する本も多数。
発酵に関する食の本や、微生物に関する本までありました。
食品では、近所のスーパーマーケットでは見られない
みそ、みりん、酒、種麹などが並べられています。
本格志向で料理を取り組まれる方々には、こうした調味料をどのように取り入れて、
味に深みをもたせるか。
体に安心な無添加か。
そうしたこだわりに応えてくれそうな商品ばかりのようにみうけられました。

ただ料理について私の今の段階ではハードル高めな商品が多くて、
なにを手に入れればしあわせになるかがわからない感じでしたが。

そんな私でも商品横のポップを読みながらの散策はたのしめました。
そのとき私と同行した人が薬膳に関心があったため、
その方が自宅で使っている本格みりんがでーんと店がお勧めしていたようで。
「むむっ、発酵デパートメント、おぬしもなかなかじゃの~」という感じだった。
それもあって、発酵デパートメントはいい商品を取り揃えてるんだなって実感しました。



あとはこちらを訪れた昨日、
予想していなかった幸運が。

鳥取でタルマーリーという自然酵母ビール酵母などをつかい根強い人気を誇るパン屋さんがあります。
お客様からもこちらのパン屋さんを勧めていただいて、興味があったんです。
タルマーリーのパンが午後四時から店頭に並ぶと張り紙が目について、
買ってまいりました!


ちなみに以下の本はタルマーリーさんが著したもので、
タルマーリーを勧めてくれたお客様の推薦があって私も読ませてもらいました。


菌の声を聴け タルマーリーのクレイジーで豊かな実践と提案


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スコーン
そぼくななかにアップルビネガー?のほんわかした甘みを感じ、
口に入れるとほろほろと。


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くるみとレーズンの酵母パン
オーブントースターで焼いて食べると柔らかくもちっとした食感。
くるみの歯ざわりとレーズンの甘味が絶妙。

一般的にみられる経絡図と経絡と筋肉の関係を示した経筋図との違いについて

私の施術をお受けいただくとき。
鍼灸師さまや東洋医学に詳しい方は、私がワークベッドの上で横たわっていただいているお客様をチェックするとき。
的確に経絡の流れを見て経穴を押さえていることがわかると思います。
経絡・経穴をもちいて改善をはかるボウエンテクニックのムーブの手技を使い、
体全体の状態をチェックしているからです。



幾日前の施術をさせていただいているときのこと。
そのようなチェックをしているまっただなか、お客様から声が上がりました。
それはお客様の手の左手の手三里をチェックしたときです。
『あっ!いま、一瞬、右耳の耳鳴りが収まったわ』
と、ご自身の身体上起きた気づきを私に知らせてくれたのです。

通常【耳鳴り】は耳に届く経絡線を持つ「手の太陽小腸経」によりみるとされています。
ただ小腸経でアプローチしたときは、左手の小腸経をふれたなら左側の耳といった同側に影響がでるのです。
だからこの度のように左手の小腸経を刺激して右耳に影響が起きるわけはありません。
経絡の流れをわかっていれば、そんなイレギュラーな反応は起きることはないのです。


そもそも、私がお客様の左手のムーブをかけた経穴の手三里は、手の陽明大腸経。
耳に直接的な影響が起こるルートは通りません。
手三里は脳充血や脳貧血のようなものを対処する経穴です。
ですが、日頃から他より優れて体に起きる感覚をモニターなさるお客様です。
その方がおっしゃられる体感サインは信用できます。

陽明大腸経は頭部の上部を回り込んで顔の反対側に影響が起こりますが、
その頭頂部を通るライン状には経穴がある訳では無いが経絡線上のそばを耳がある。
そのため気の通りに問題がでていた手三里の経穴に刺激を加えて気が流れた瞬間、
お客様の頭頂をまわり通って気が流れることとなり、右耳にでていた耳鳴りの影響が収まった可能性もあるのだろうか。
そのように推察することができると思われます。


今回、基礎知識としてご理解いただければ思う点がひとつあります。
一般的な経絡図は、
手の陽明大腸経は扶突という首筋の経穴から口元を通ってかりょうという左右反対位置に当たる経穴に最短距離での線が引いて描かれているものが多いでしょう。
これだけしか知らなければ、このたびの、左手三里の気を通して右耳を好意的な影響を与えるイメージは持てないと思います。
こちらの経絡図は学びやすい反面、誤解を生じやすいところもあり気をつけたほうがいいことがあるようです。
筋膜リリースをする者としては【経筋学】という経絡と筋肉の関連にフォーカスした内容の本に目を通して、
そちらに描かれた経筋図をもとに考察したほうがすっきりわかる場面が多々見受けられます。
そしてこの度の件は、その好例でしょう。

経絡感覚がするどいお客様の施術は、私が学ばせていただくことが多いのです。
非常に興味深い臨床を学ばせていただくことができました。
感謝です!

女性版・肝経の大胸筋胸肋部に対し戦略的なリリース法

経絡の特徴は、筋肉を取り巻く筋膜をつたい経絡は通ります。
それゆえ筋肉と経絡は深い関係性と影響を与えるものであり、
各筋肉にそれぞれ関係対応する経絡をみることで、
その筋肉の健康状態を改善させることで経絡のもつ様々な兆候をケアすることができます。

たとえば。。。
■ (筋肉)大胸筋胸肋部 をケアすると(経絡)肝経に影響を与え次のような意味を持ちます。


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この筋肉は、肝経に属し肝臓の健康状態をつくることになります。
大胸筋胸肋部に深い凝りが差し入っているならば、
肝臓の機能が思わしくないことをあらわします。
肝機能は有毒なガスやアルコールや腐敗した食べ物の毒などを解毒する解毒作用に関わります。
こちらの肝臓への負担がかかりすぎると、長期的な頭痛が引き起こされるのです。

中医学の肝臓(肝経)は目の影響を見るものですから、
緑内障
飛蚊症
 ※ 飛蚊症とは、モノを見ているときに黒い虫のようなものが動いて見える状態のことです。
   黒い虫のようなものの形や大きさはさまざまで、
  視線を動かすと追いかけてくるような動きをする場合もあります。
   症状が出る年齢もさまざまで、20代から症状を自覚する人もいます。

などの肝経改善の意味を含んだ筋肉となります。


■ 整体的に見れば、
大胸筋胸肋部は硬化萎縮したままになると、
肋骨の形状を変位させ胸骨の起始部の胸肋靱帯を硬めゆがませる。
往々にして鎖骨下筋との癒着が進みます。
また付着点の凝りの影響が高まれば脇下が詰まり肩関節直下にボール状の凝りの玉をつくることも。
肩胛骨の位置を外転固定や腕の内旋の不調を強いる。
肋骨開閉に不具合を生じさせ呼吸制限を与えております。

ケアするとき。男性ならば、そのまま大胸筋が肋骨骨膜に癒着が進んでいるならべんせき温熱器で注熱しつつ丁寧にリリースを繰り返していきます。
痛みが強く出るところですから、施術の回を分けて、繰り返し、繰り返しリリースをはかって凝りを減らしていく必要があるときも。

ただ女性では、大胸筋の上にバストがありますから肋骨骨膜部の進行した癒着部に対し、
直接べんせき温熱器を用いて熱を注いでムーブをかけてとくことはできません。
それで、リリース可能箇所が限られます。
・鎖骨下筋に沿った直下ライン
・(大胸筋胸肋部 起始部)胸骨上の胸肋靱帯と胸骨付近の肋軟骨
・(大胸筋胸肋部 付着点)上腕骨と大胸筋胸肋部の付着する箇所

といった制限がでてきます。

ですが女性の場合でも、デスクワークが根を詰められておられれば、
多くは肋骨骨膜と大胸筋の癒着は激しい方も少なくありません。
その場合、上述したリリース可能箇所を圧をかけただけではリリースはまったくもって不十分。
これをしても男性にリリースをさせていただいた成果には至らないのが実状です。



そこで個人的にこまっていたんです。



それに対し私がひらめいたアイデア

ゼロプロマッサーという振動系のマッサージ器で肋骨の骨部に骨折の負担をかけない方向で振動をあたえ、
バスト下の大胸筋と肋骨骨膜のきつい一体化した凝りが減少することはないか?
ゼロプロマッサーは、いまはやりの筋膜リリースガンの先行したマッサージ機器で、
振動のスピード・強さ・断続タイミングなどを精密に制御することができるものです。
肋骨・鎖骨・肋軟骨という骨折したりひびがはいりやすい危険地帯。
振動系機器の利用特性を熟知して危険を予測してアプローチをしなければなりません。

ですがちゃんと使い方を消化していくスキルが必須ですが、
胸骨・肋骨などの骨部に方向性と圧の加減を調整した振動を与えることで、
大胸筋胸肋部が肋骨骨膜に癒着が進行したところにも振動が波として伝わります。
その波を合気の手で流れる道を造り流すテクニックをもちいることが前提で、
合理的かつ効果的な大胸筋リリースにつながっていきました。

ほかにも注意点があります。大胸筋がもとで上部肋骨が上方へ前方へと変位が著しく、
首の筋の凝りに芯として緊張がある方の場合、
鎖骨下の振動を受けるとのどの奥がかゆみが出てゲホ、ゲホッとせき込む場合がでてきます。
あまりにも咳込みが激しい場合は、無理にこれを断行することは避けたほうがいいときもあります。
強い咳込みで頚部の変位へつながることがあるからです。
問題が軽減するよう振動圧やスピードを軽減したりという対応ですませることも人によりできますが、
すでに頚部の硬さや肩の凝りがひどい場合は軽度の振動でもむち打ちにつながるのです。





昨夜の施術では筋膜リリースガンをお持ちの女性のお客様に、
この大胸筋胸肋部のリリースをさせていただきました。
通しで私のリリース圧やリリース箇所を実体験されておられます。
すでに私のほうで危険な難しい肋骨一本一本の変位してばらけてしまっていた部位を並び替えしております。
その前提でご自宅でも無理のない範囲で所有なさる筋膜リリースガンでセルフケアをしてみてくださいとお伝えいたしました。
長年かけて固形化して身に一体化した凝りをはがすときには、時間をかけたほうがきれいに溶けて再生されていきます。
自宅で自分で取り組めるって、理想的ですよね。 

手首、つまってませんかで?

 
合気柔術の攻め方のひとつに、
相手の手首を握るだけで全身の身動きをとれないようにすることができます。

なにをしているかというと、橈骨と尺骨の間にある骨間膜という膜組織に詰まりが生じるように、相手の橈骨と尺骨を近づけるよう工夫した持ち方をするんです。
手首をふつうに握っても、日々腕力トレーニングを余念のない相手なら瞬間で振り払われるでしょう。

でも、たとえば相手の橈骨を相手の肘のほうにこすり近寄らせるようにさせてから、相手の尺骨を相手の手首のほうにこすり近寄らせるようにさせます。
相手の橈骨や尺骨にこする操作を与えるときには相手の皮膚を覆う表層の筋膜層を数センチ移動させるだけでよいのです。
数十グラムほどの圧でこするだけなんですが、こんなに軽い力で相手が制せられるかというと、、、実は、そうなんです。
骨間膜が詰まらされると、それほど人は動きづらさを与えられ、正常な身動きがとれなくなります。


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手には肺経・大腸経・三焦経・心包経・心経・小腸経などの経絡線が通ります。
手首がそれらの経絡のすべてが通るほっそりとした通り道です。
手首にあるリストバンドのような支帯という組織がきつく閉じるようになってますから、
細い経絡の流れとなる渋滞しやすい道のようになっているところなんです。
だから相手のそこに軽微な外圧を与えるだけで相手を制することができるのです。
それをねらったんですね。

心経・小腸経は尺骨側、肺経・大腸経が橈骨側を通ります。
これらの4つの経絡が通るところの上に手を添えて、
どのようにこすり押したりこすり引いたりするかで技の効き方が変わってくるんです。
尺骨は心経をとり橈骨は肺経をとるとしたり、
この経絡の取り方を相手がしてきそうだと気取られれば、
瞬時に尺骨は小腸経をとり、橈骨は大腸経をとることに変更して相手の防御を出し抜きます。==

外的には相手の手の手首をさっと握るように見えるかもしれませんが、
握っているわけではなく、相手の手首を浮かし円の固定点となる支点を作り出してから尺骨側と橈骨側を回すようなイメージの軽微にこする操作をしているんです。
すると技を受けなれていない方は、手首を握られると思い、ぎゅっと握られたら払いのけようとして準備しているんですが、
握ってくれないから『こいつはなにをしたいんだ?!』と疑問に持って触られてたら、
術中にはめられて身動きがとれなくなってしまいます。



ただ私が合気の技を相手の手首に施す必要がないときもあります。
相手が回内筋、回外筋といわれる筋肉が過緊張のまま萎縮しているなら、
腕の力が正常に入ることはなくなっている非力な状態です。
同時に呼吸もしづらくなっている。
肺経がつぶれていて免疫上の乱れがでているため、
今の時期ならアレルギー性の花粉症とかになっていやすいですよね。
骨間膜がつぶれて詰まっていたら、不具合がでた経絡の通り道として関連する肩や首が凝るのです。
たとえば肩の背中側がコリコリになって不快感があれば、
三焦経と小腸経が通るところですから、そちらのどちらかか、または両方が不具合があるわけです。
肩の直上なら大腸経が問題ありで、肩の前なら肺経が問題あり。



私が施術中に腕を調整しているとき。
腕の腱鞘炎になるような部分の凝りもしっかりリリースするわけですが、
それ以上に回内筋や回外筋が緊張し続けて萎縮した状態を解くことを優先しています。

独自にセルフマッサージをしている方々には、
この骨間膜の詰まりによる不具合に気づいておられない方が大半のようです。
特にデスクワーク中心でパソコンでキーボードやマウスを使い続ける方々は、
そこをしっかりゆるめるようにしていただければとお勧めいたします。
回外や回内筋などのリリースは、自分で解いてもきびしい痛みが出るところですが、
十分にゆるめられた後は、肩や首のすっきり、呼吸の深さの違いを味わえるでしょう。


足部はソッカの美術解剖学ノートで、多角的によーく観察しょう。

ハーモニー体操の先生をしている方からの会話。

『ソッカの美術解剖学ノート(書籍)を手に入れて読んでいて、〈足首〉に興味があるんだ』と言われました。
私もソッカの美術解剖学ノートは、買って手元に起き続けている解剖学上のすばらしい良書。


本書は650ページにもなる大著です。
脚や足部が解説されるのは本書の末章近くにある500ページあたり。
イラストが多数ではあっても内容が濃くあらたなる発見が目白押しの本で、
私が読み終わるまで数百時間を要し一週間まるまる費やしました。
こちらのハーモニー体操の先生も最後まで目を通したのでしょう。
ていねいにこの本を読まれているんだなと感心しました。


脚は第三種てこ、足は第二種てこで力が発揮できるシステム。

足首から下にある足の第二種てことは、
つま先が支点、中足骨の前方先端〈足指が曲がるキワの膨らみ部分〉が作用点、かかとが力点です。



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馬や猫やクマ・猿などと人間の足部を比較することで、それぞれの足部の使われ方の違いを解説し、
理解を深めるのに役立てています。

外反母趾でお困りの不都合の改善を願う方や、
バレエダンサーなど足部をきわめて繊細かつ機能的に活用する必要がある方が目を通していただくと、
理解の助けになります。

私が動きの質のよさを理解するため中国武術等の動きをともなう映像を参照するとき、
まずは地面に接する足部の動きだけに冷静に着眼し続け目で追うようにします。
脚や胴や手や首、頭部はその後です。
スローモーションで動画視聴すると細やかな足部の動きが際だって見えてきて、
足の第二種てこが操作された瞬間から把握できるタイミングがあります。
アキレス腱を利かせてかかとの力点を移動させたり固定されるのですが、
そのパフォーマンスと全身の操作が合理的に連動しているのがわかります。

私自身、じつは足部の使い方が未熟でして、
施術のときに得る足部の負担が元で右の親指に外反母趾になると困られる方と同位置にたこがでてきてきて。
ちょっとがっくりするところなんです。
自己観察を行うところでは右足部のmp関節の作用点の置き方・向ける方向が悪く、
右足首前の動きがぎくしゃくしての原因でしょう。
要するに右かかとの力点が軽すぎて不安定になっているわけで思うように動けてないんです。
右足部の内向きの度合いが高すぎて右親指の正中線に向かって内側にたこができるようになっている。
自身の足部の硬化した筋や靱帯や腱をみればそうだとわかるものの、
いったん身につけた動作の悪癖は容易には拭いづらいものです。。。


右利きのものは右かかとの力点が浮いて右つま先側を支点かつ力点でもあるかのような状態になることでてこの効きが悪くなる。
左利きでは上述の右利きの逆のことが起きて左足のてこが効きが悪くなると理解してください。


これほど懇切丁寧にイラストを駆使して解説してくれる本はめずらしいというか希有な本でしょう。
私も、本書の足部のページをもっとしっかり読み込んで考察を重ねて自己復活できるようがんばりたいと思います。