10時間のまどろみの天才★

このあいだNHKで、坂東玉三郎をみた。
彼は身体の使い方の天才的と絶賛されている。
その彼がいった印象的な言葉に、「僕は10時間は一日に寝ています」
かなり長い睡眠時間。なぜ彼が10時間寝る必要があるのだろうかと疑問を持った。
その疑問というのは、「おそらく彼の睡眠になにか彼の身体能力の秘密が隠されているはず」というものだった。

私は現在は睡眠時間が5〜6時間。数年前は連日3時間程度だった。

玉三郎が、肉体疲労を回復させるためだけに10時間眠る必要があるのだろうか?
彼のように、身体の運用能力に優れたものは、「最小限のエネルギー消費で、最大限のパワーを発揮する」という大変合理的なエネルギー消費が体内で実現できている。
そう考えると単純に肉体疲労を回復させるためだけではなく、彼はまどろみの中でなにかを得ようとしている、またはなにかをそこに見出しているのだろう。

ノーベル賞を受賞しているものには、睡眠時間が大変短くというキューリーのようなものもいるが、その実、大変睡眠時間を多くとるものが多いことに驚かされる。
その代表格がアインシュタイン。彼はまどろみの中でE=MC2という公式を導き出した。
他おもしろいところでは最近CMに出ているジャズの鈴木重子。彼女は「歌を歌っている間中、寝ています。歌が終ってから”おはよぉぉ”っていう感じ」といっていた。

彼らは一様に脳波が整ったΘ波やα波などの状態のときに、その真価や実力を発揮する。まさに、一般の人の考えでは到底知る由もない天才的な魅力に満ちた存在になる。

個人的な信念で、「睡眠時間を削ってでもがんばって、研究をしていかなければならない。仕事をしていかなければならない」と考えていた。そうしなければ成功は遠いと。(一生懸命に働け!そうじゃないといっぱしの人間になれないという強迫観念・思い込みがあるからだ)
しかしそれは自己を限定してしまう呪縛になった。かえって効率や能率が悪くなった。

一度は生活のリズムが落着いてきたらこのまどろみのペースでの生活を送ってみたい。
そのときに今まで脳内にインプットされた問題が、まどろみの中で統合されて解答がアウトプットされるものだろう。
玉三郎いわく。
「10時間連続で寝ることができないときには、細切れの睡眠でもよいから合計10時間の睡眠をとります」
その言葉が、妙に僕の頭の中でこだましています。