読書感想 『スプリット』

武術家の甲野先生の本を読んでいて、スプリットという書籍を知った。

武術家 ・甲野善紀 ( http://www.shouseikan.com/ )
精神科医名越康文 ( http://www11.big.or.jp/~dialogue/ )
歌手 ・カルメン・マキ ( http://www.carmenmaki.com/ )

という三人の対談。
この本を読んでみて、人の存在について・運命について考えさせられた。
自分のなかにうごめいている精神の奥底を、容赦なくちらちらと見せてくる。

異業種である三者が、互いに相手を深く理解し、影響し合っている。
その雰囲気がいい。

個性的な三人のはずが、ぶつかるようなこともなく、
本人が気づかなかったほど深くお互いをみつめているのである。
そんな 『 親友 』『 よき理解者 』が、赤裸々に語っている。
その感触が楽しい。
三人の個性がくっきりと浮かび上がり、
魅力的に輝いている。

そしてこの本は精神科の医師が語る、概念的な精神論ではない。
「運命はすでに決まっていて、そしてそれは自由だ」という。
一見すると 運命が決まってしまっていて一定のレール上しか歩めない
には強烈な拘束感がある。やりきれなくなり放棄したくなるような。。。
しかしそれは自由だ・・・という言葉が活きている。
一定のレールしか見えない精神的拘束感。
そこから脱却していくことで自由になると。

スプリットしていく生の絶え間ない意志と運動によって、
新たな展開が萌芽していくということ。

曇りなく透明な瞳が、そのスプリットしていくありのままのすべてを受け止める。
そんな感じ( ↑まったく意味不明の文章になっててごめんなさい)。
ですがそんなところに、身体が硬く癒着してひとかたまりにして使うことの意味が感じ取れる。
いかに身体がわけられずにぎこちない使い方をし、投獄されているのか。
身体をスプリット(分ける)して、断片をとらえ、それを統合したときに自由になる。
実際にそういう使い方をすれば、いくら身体を酷使しても筋肉がしこりになることはありません!!!

そして精神もスプリットして使っていく。
そうすることにより、それは自由になる。
そんなことを感じさせてくれる本だ。