甲野 善紀 著『古武術に学ぶ身体操法』を読んで

以前I氏にお借りしたビデオとセットでみてみると良い内容だ。
古武術が眠れる能力を開花させる
バスケットボール革命』
出版:日本文化出版株式会社
時間:60分
価格:4762円

ビデオで実演されたなんば歩き、肩甲骨の動きや、方向転換、タックルなど、
イラスト付きで解説されている。
うねりのない動き、居つきのない事の重要性、身体を分けて使う事なども。
僕は、良書だとおもう。

面白い事にAmazon.comの<カスタマーレビュー>を読むと、
4名とも読者の読解力を要すると評していた。
僕も同感。

『「ねじらない、うねらない、ためない」身体の使い方とは?』と、
いわれてもとっつきとしてはどうしてそれが大切なのだろうかというものが、
ぴんとこないのだ。一般的に。
合気道などやっておれば、その意味合いは身体を通して解るから問題ない。
だが本書は新書判で出された一般書だから、講読されるものの過半数は、
昨今の甲野氏の活躍を知り興味を持った方々。
かなりつらいところがあると思う。
そして全員★★★☆☆。

だが甲野氏の著書で身体操縦法を取り上げない本のほうが、
★★★★☆以上と評価が高い。

これはとても興味深かった。

甲野氏の本を読んでいても、ぬるぬるしてするりとにげられてしまうような、
触感を感じるときがある。
もう少しで分かりかけているのだがという感じがつかめても、
それを応用へまで押し上げていく事が想像付かない。
そんな感じ。

身体操縦法に関しては、身体を通してこの書かれている事は実際に取り組んだときに、
皮膚感覚的に見えてくる代物。
ぬるりとしていて概念だけで追っていく事は難しいもの。
その部分は不要と感じられる人が意外に多いかもしれない。

純粋に甲野氏の書籍は哲学書やエッセイ的(?)な読み方をされ、
共感を得ているのかもしれません。
それも大切な事です。

でも僕は氏の身体操縦法に純粋に興味があるのです。
きっと身体操縦法にマニアックな方の個人評価は、
Amazon.comの<カスタマーレビュー>では星の数が変わってきます。

書名:古武術に学ぶ身体操法 岩波アクティブ新書
著者:甲野 善紀
出版:岩波書店
価格:700円