多様な姿勢パターンによる歪みの考察--(2)

肝臓の重さにより右側骨盤は、左側骨盤よりも沈みやすい。
だが沈められれば骨盤の歪みを作り出す。
だからそれをカバーしきる強い支柱構造が重要です。
身体の中心軸がとらえられておられなければ、
右側の骨盤が沈む事をくい止められません。
そこで生理的な歪みのパターンと言いたくなるような、
多くの方に見受けられる歪みのパターンが現れるのです。

【(1)直立姿勢/(2)座った姿勢/(3)寝た姿勢】では体のずれるパターンが変わります。

背骨に沿う(骨と抗重力筋群)中心軸がしっかりしていれば、
上記の(1)(2)(3)ともに異常ありません。

ですが中心軸を支える構造や機能が十分なければ、
(2)の座っているときは骨盤が座面に密着し、
内臓の重さは骨盤の骨を通過して地面に抜けます。
そして(3)も同様。
(1)よりも骨盤が下に落ちる影響が減少するように観察されます。

ただ(2)(3)の姿勢がずれないかというとそうでもなく、
すでに体内に筋肉の歪みパターンを造り上げておれば、
それに準じてゆがみます。

(1)〜(3)ともども、ずれ方のパターンが異なって表現されることが多いのです。
だから姿勢をチェックする際に、
立ったときにチェックして骨盤の左右の高さが揃っても、
座位や側寝で同様に揃っているかは別問題です。
立ったり座ったり寝てもらったりしてチェックすると、
仰向けのみでチェックしただけでは見えない筋肉のしこりが発見できる。

筋肉は全身を取り巻く筋膜ネットワークを持ちます。
一部の筋肉が強く張れば、相関的に全身の筋に影響が出てひきつれます。
各姿勢によりひきつれるパターンが異なるのです。

正確には3つのパターンを見ることが必要です。
そして仕事中の長時間の立位や座位姿勢や、
自宅でリラックスして寝そべっている姿勢のパターンなどもチェックしよう。
とても有益な情報が手に入ります。

これはとても精度のいい身体情報を獲得する秘訣です。

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姿勢が変わった瞬間、硬化する筋肉の場所が違って現れる。
噛み合わせも具合も変化します。
歯列矯正顎関節症の調整も、
立位や座位など多様な姿勢でどう噛み合わせ具合が変化するかを検査することも意義があると思います。

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