指先に神経を集中=第三の脳

スウェーデンのローランド博士によると、
指先に神経を集中すると、
大脳の感覚野にある指先の部分の血流がよくなる。
神経活動が増強されるそうです。
そして注意力を発揮するときの中枢である、
前頭前野の一部にも血流の増加が起こる。

つまり注意を払っているかどうかで、
大脳皮質神経細胞の刺激、
そしてそれに対応する反応は大きな違いが生まれる。

体のチェックをすると一般の方がみている世界と、
ボディワークを生業にされている方のみる世界とは違いがある。
一般の方は事前にチェックする箇所がどうあるべきかの情報も乏しく、
何に注意を向けていけばよいのかがわからない。
そのときは情報を得て次の対応策をはじき出すことはないでしょう。

ワークをするものは事前にポイントを押さえており、
情報を要領よく読み取ることに集中できる。
指の感覚ができてくると、
必要に応じて深く細部にわたり情報を読み取る。
指先と脳が直結している感覚。
そのように脳が働きだす。

(中国では/第一の脳は頭脳/第二の脳は内臓/第三の脳は手・指という)

繊細な感覚モードになったとき、
僅かな脊椎のずれや筋肉の体内のしこりがはっきりと目に映る。
私は体の筋肉の硬さをチェックするとき、
アバウトではあるが10段階ぐらいに評価している。
10がベストで、5が標準、1が筋の骨化のピーク。
そして頭の中のメモリーにその情報をインプットしておく。
次回のワークのときに状態変化を知るためだ。

数年前と今の僕とではみている体の世界は違うでしょう。
そして今後もそう感じるでしょう。

お客様との接点となる手や指先が、大切なデバイスになるでしょう。
繊細な指先でよりリアルで本質的な理解を得られれば、
きっと複雑な身体に現れる現象も、
いくつかのシンプルな公式に基づいてのこととわかるのかもしれない。
そのような期待があります。

中国式の『第三の脳』である【指先】が思考することは、
『第一の脳』の【頭脳】よりも概念的な思考ではない。
指を触れたときの感触で具体的な現実を把握できる。

そのことの大切さを開眼させてくれる、
重要なツールが指先のような気がする。