先日、日本科学未来館に行った際、
靱帯の横割り断層模型を観た。
そして気になったのが、恥骨筋や内転筋の模様。
大腿の外側や裏側には比較的大きな筋が占めている。
大腿四頭筋やハムストリングなどだ。
だが内側の恥骨筋と内転筋群は、細い筋肉が幾重にも層を成し、
分化している様子がみられた。
その層をひとつの筋としてまとめてみれば、大腿四頭筋に負けない太さだ。
だが、太い筋肉として一本備えおくのではなく、
わざわざ細い筋肉として多層化させたのには理由があるのだろう。
つまり繊細に動かすためには、大味な太い筋肉でコントロールするのは適さず、
いくつもの細い筋でそれぞれ独自の機能を与えられ別々に動くようにさせたほうがよい。
この恥骨筋や内転筋などの内腿(うちもも)は骨盤と大腿骨を結ぶ筋肉である。
よって足を繊細に使いこなすためにはどのように使うかは、
解剖学的に内腿を繊細に使いこなすことと訴えかけている。
だがデスクワーク等で疲労していたり、
腰痛がある方の多くにはこの内腿の筋がワイヤー状に硬化している方がいる。
脚に繊細なコントロールをするように脳が命令をしても動けなくなる。
すると余計に腰部に負担をかけ、大腿四頭筋を固める悪循環となる。
恥骨筋と内転筋群は骨盤を繊細に動かす鍵となる。
そして脚部をコントロールする鍵ともなる。
股関節という大関節の動きの最大制御装置がそこに積んであるのだから。
このうちももをリリースすることに重点を置けば、
恥骨や座骨の動きが大きく改善して骨盤の歪みを是正することにつながる。
また鼠蹊部のしこりも柔らかくなり脚部の血行はよくなる。
ただまったく無痛でうちももの筋をリリースするやり方もあるが、
直接圧迫を受ければ恐ろしい痛みも出るところでもあるので、
一生忘れられない痛みを感じるときもある。
そのワーカーのリリーステクニックを確認した上で解放を依頼するとよいだろう。
そしてぜひ日本科学未来館にいかれた際には、
靱帯横断面模型図を観察してきて下さい。
ただデジカメでしつこく撮影していると、
変な人と思われてみんなが遠ざかっていくのがわかる。
内心「仕事に必要なんだ〜。わかってくれ〜」と叫びたいのをぐっと堪えるのも、
恥ずかしいところではあったが。
貴重な人体をリアルに感じることのできる体験を与えてくれる場所です。