膝の痛みをでん部筋を解放して大幅減少

うちの母の話。
もう70歳を超えていて、
膝の痛みが出るときがある。

通常ならば年齢的に体のどこかに不快な感覚が、
浮かび上がってきてしまうのはしょうがないといわれるのかもしれない。

母の体で、気になるところがある。
でん部筋が硬く肥大していることだ。
残念ながらいくら正しい歩き方はこうですよ、と
教えても歩き方を改善することはない。
本人の気構えの問題が大きい。

ムーブメント系のボディワークを理解していない母が
歩き方などを変更していくことの意味や感覚をつかむことも難しい。
慣れ親しんだ体の使い方を手放すことは、
正直にいえば私でも大変困難な作業で、
常に以前の体の使い方を抑制するなどの心配りを強いられる。
継続的に6ヶ月以上は必要だ。

そうなると腰とでん部筋には年齢が加算されるに従い、
硬直化した筋肉へと変わっていく。
これらは非常に太い筋肉群だ。
同時に大腿筋膜張筋や大腿四頭筋などの筋肉が、
深部エリアまで癒着が起こる。
すると簡単に膝の膝蓋骨は上方向へずれが生じる。
膝関節の関節間も狭まる。
そのエリアの血行が悪くなり、痛みや痺れが出てくる。
そういうストーリーでどうやら膝が痛くなっているように考えられた。

ですのでここ数日、
6〜7日に分けてでん部筋の筋膜をリリースしていった。
直接圧をかける解放のしかたを選択したため、
痛みが出て最初の1〜3回は、
「いでぇ!もうちょっとお手柔らかに」といわれながら。
だが4日もすればでん部筋はかなり深く解放された。
特に左側は骨盤の骨がくっきりわかる程度まで柔軟性を取り戻した。

膝の痛みは、この時点で大きく減少し、
不快さは日常では感じられないものとなったそうだ。
母がいうには、
「この痛みがいつ終わるかわからないので、
なんだか心配になってしまっていた。」
といいほっとしている様子。
その言葉を聞いて、僕も一安心できた。

加齢していたとしても、
日ごろよく動く母は、
筋肉に地の強さがある。
筋肉のかため方も使いすぎによって固めたもの。
その場合は、加齢していても別段問題はない。
赤ちゃんの一歩手前の筋肉の柔軟性を回復させれば、
牽引痛はきえる。
幸い股関節へのずれ、恥骨周辺のずれも、
余裕で回復できる範囲内のものであったし。

一家に一人、ボディワークを得意とするものがいると、
とても重宝されるものです。