ワークの学習のときの手の感触、記憶

一人でボディワーク系の本を読みながら学習する。
それでもそれなりに勉強にはなります。

本で読むだけでは印象に残りにくい。
それは脳と目だけの学習だからです。

ワークのトレーニングには、
手の感触、空間感覚、嗅覚、聴覚が必要です。
あとは実際にどのような作用があるかわかれば、
記憶保持できる期間は飛躍的に延びます。
この過程を通すことがなければ、
なかなか腑に落ちませんし、身につきません。

水泳の本を読んでも実際にプールに入って練習しなければ、
からだが泳ぎのコツを習得しないのと同じようなものです。

そんなときうちのマスコットの
ゴム製のガイコツ人形に活躍してもらいます。
いつもデスクの隣においてあります。
ワークを受けていただいた方は、
一度は目にしたことがあるものでしょう。
よく説明する際に用いますから。

一人で本を読むときには、
このガイコツ人形をくねくね折り曲げたり、
上下左右、斜めから見つめてみながら読みます。
指先が動くことで少しだけイメージを固められます。

するとただ本を読んでいるだけよりも、
そこに書かれていることの意味がわかりやすくなります。
難解かつ繊細な本を読むときには、
多少でも手の感触を残すことが重要です。

『手の記憶装置』を使えるように働きかけるのです。

ときどきこの記憶装置は
脳と別にある独立した記憶媒体のように感じられます。
手先の記憶。

暖かさや、柔らかさ、湿度などをよく言語以外の情報として把握し、
記憶してくれる装置です。

人形ではこのような情報は伝わりません。

ですが擬似的に自分の感覚を投入しやすくなります。
本に書かれている文章で指し示された、
からだの部位名を追うときにも便利です。
それにイラストがあっても、
そのイラストの存在をより充実した形で補足してくれます。
上下左右多角面から眺めているうちに、
「あっ、そうか!」と気づくことが多いのです。

絵でスケッチすると2次元の世界に入り込み、
それなりの視覚化はできますがそこまでのもの。
見栄えよくスケッチできればうれしいが、
少しだけ絵空事に感じてしまいます。

奥行き情報などがなくなるのです。

カンタンな人形でも良いから、
立体物を指先で押し曲げたり、
伸ばしてみたりして感じてみる。
その3次元的な感触が大切です。
僕にはこのやり方は役立っています。