行動パターンのモデリングによってスキルを獲得

たとえばプレゼンテーションをするとき。
堂々と自分の企画を発表するには、
プレゼンテーション・スキルが必要になります。
スキルとは、身体行動を伴った技術の習得です。

最初にプレゼンテーションのノウハウ本を読んで、
要所を押さえます。
あとは慣れるまで自分なりに研究していくこと。

イメージトレーニングで多くの聴衆の前に立つ。
イメージでは聞いてくれる人の心を捉え、
本論では必要な要件や予算やリスク回避の方法を伝える。
自分のプレゼン目的である要望に賛同してもらって成功。

このやり方もいいでしょう。
でも人によっては、このやり方だけでは頭打ちになる危険があります。

それはプレゼンは、体を使った<<体技>>なのです。
概念の習得では不十分です。
一流プレイヤーの体技を獲得する努力を行うことが、
よい結果を生み出します。

より確実な成果が期待できる加速学習法があります。

モデリング学習法』です。
モデルになるすばらしいプレゼンテーションをする先生を選び出します。
そしてそのモデルを徹底的に分析するのです。
あなたの理想に近いプレゼンターを選ぶこと。
その人のプレゼンテーションを聞き、ビデオや音声を入手します。
壇上でのしぐさ、目配せ、口癖、呼吸、緩急、声のだし方、
笑い方など思いつく限りの項目を分析します。
分析することは、分かるきっかけになります。
分ける項目が多く、
分析した項目を身につけるまでには時間がかかります。

初めはモデルと同じ効果は上がりませんが、
半年すればそのモデルと近い表現ができるでしょう。
三者から「あなたのプレゼンはあの人に瓜二つだ!」
といわれたらしめたもの。

まずはモデルの能力を拝借するのです。

このモデリング方法を4〜5回繰り返します。
その後、モデリング学習能力が飛躍的に向上したことを実感し驚くでしょう。
モデルの注目ポイントが目に飛び込んできます。
自動的に見たままが整理して脳に収まる。
その回路を作るのです。

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体の使い方にこのモデリング学習能力は応用できます。

サッカーの中村俊介選手も目標の選手の蹴り方をひたすら真似ていました。
フリーキックのカーブのかかり方を丁寧に練習していた映像を見ました。
彼はモデリングをして、次のステップまで極めた好例です。

私は「モデリングノート」をつくり、
気に入った選手の動きを分析するのも好きです。