体の実像と虚像の誤差

体の見方の講習で。

『自分の体の筋肉で硬くなっている箇所を、
人体イラストが描かれたワークシートに書き出してください。』
という課題を出す。

自分の体を触ったり、
コリがありそうに感じるところをマークをつける。
体の硬度を任意にレベル1〜レベル5と段階表示。
そのシートをもとにボディチェックを受けることで、
自分が感じている体の虚像と実像との誤差を知る。
そこが目的。

私が何も言わなければ、
たいてい体の表面の筋肉しかマークを書いていない。
手で触れる範囲。
これも正解ですが、
これしか答えがないわけではない。

胴体なら手で触れることができない肋骨の裏側。
脊椎の背中側ではなく内臓側。
そこに対しての意識がほとんどない人もいる。
MRIで胴体の地面と平行ラインでスライスした図を見れば、
ちょうどその骨の外側の筋肉の存在しか指摘していない。

その内側はどうなっているの?

もちろん内側に筋肉のしこりがある。
このしこりの存在は表面の筋肉より
ずっと健康面での大きな影響を与える。

なぜその場所をチェックしていないのだろう。
手探りで探り出すのには、
深部層筋は硬化して張りが強く感じるなどの感覚が
ほとんどないところだから。
その点が大きいのでしょう。

でもそんなこといっていたら自分が感じ取れている
体のイメージはかなり歪曲した存在といえるだろう。
虚像を感じていているだけで、
実像との誤差が大きいのです。
影しかみてない。

その差を埋めるためには?

そういう見方ができるよう、
体の内部をチェックすることをしなければ、
なかなか的を得たことができないように感じる。
専門的には徒手診断法を使ったり、
ティピカルポイントを押してみたりして、
目に見たり手で触ることができない情報を探り出します。

その探り出し方がうまくなってくると、
今まで見えていない実像がつかめてくる。
そのうえで体の方向性をみていくと、
どのように変えていくべきかの指針に自信が出る。
曇りが薄くなり始める。

「ようするにこことこことのかかりうけがあって〜」
と考えるときにシンプルにその仕組みが感じ取れるようになる。
運動の方法を吟味するときや、
ワークテクニックの応用に活きてくる。

虚像が巣食っていればこれができない。
虚像を見続けていればとんでもないところへ進みます。
ぜひ実像のしっぽを捕まえてください!