ワークのやり方を学ぶ姿勢について

自分にできるワークのやり方はないかと、
たずねられるとき。

(1)事前に解剖学や生理学を理解していて、
その上でワークのやり方が難しそうとおっしゃる方。
(2)予備知識はないがとにかく簡単によくなるやり方はないだろうかと聞いてくる方。

冷静に見てください。

前者はワークの習得を難しそうだと感じています。
だから覚える努力をする心構えがあります。
時間と労力などを払って、
自己責任を負う姿勢で取り組もうとするから難しそうだという。

後者は簡単なよくなるやり方はちょっとだけ教えてという考えがあります。
その技術を覚える努力を深くはしたくはないという、
心理的な思いが隠れています。
つまりいつまでたっても基礎がわからないからいい加減にやる。
どこに危険があるか自分で探そうともしない。
これでは安心してやり方を伝えることはできません。

だからたいてい前者の方には「理解できるまで思ったほど時間はかかりませんよ」といい、
後者には「貴方が思うよりずっと長い時間かかりますよ」といいます。

習得までのその人の『心理的な体感速度』を表した言葉です。

ワークのテクニックには、
単純かつ安全なものも多い。
だから自己責任力を持つ人には、
人を見て伝えることがあります。

テクニックを伝える行為は該当書籍を見せてあげ実演するなどしてできます。
だがそのテクニックをどういう人に利用すべきで、
どのくらいの変化までは許容しうるかなど
人体の状況の移り変わりを判断していくことができるかどうか。
このボディの現状把握力を持たずに安易にテクニックを行えば、
安全なものも危険なものに変わるのです。

自分でワークをトライするときは、
その見分けをするための基礎学習に、
時間と労力をつぎ込んでください。
ワークを受ける側の身に自分がなってください。
これが最低必要条件です。

その上で要望があれば、
ぜひワーク中に申し出てください。

役立つやり方のいくつかを、
お伝えするのに時間を割きます。

ご自身で家族のケアを少しでもしてあげられることは素敵なことです。
日常のケアの積み重ねは、
将来的な財産になるでしょう。