『ヒューマン・ホログラム・ビジョン』-2

合気道の達人は、
相手の体の気を感じるというが、
私には残念だが気はわからない。

その代わりに相手の観ているホログラム像を、
正確に読み取るように心がける。
相手は知らないうちに重要な情報を漏らしている。
目の動き、足の出方、姿勢などなど。
相手の癖を読むともいえるがニュアンスが異なる。
相手の脳内ホログラムを読解するよう努めているが正解。
そして相手の脳内ホログラムの不鮮明な箇所を見つければ、
そこがウィークポイント。
そこを突けばいい。

■ボディワークとホログラムについて

「ホログラムって、施術に関係あるの?」といわれそうですね。
ですが、実は大有りなのです。
この脳内ホログラムはAKの本に取り上げられている。
ロルフィングの本にも取り上げられている。
その他いくつかの手技療法や心理アプローチでも、
概説部や施術テクニックのひとつとして紹介されています。
重要そうに書いてなくてさらってしかかいてないことが多いですけど、
通の先生はこの重要性や使い勝手をご存知です。

相手がどのような脳内ホログラムを持っているのかは、
そのノウハウで直感的に感じ取るようにできます。
その精度は個人の能力やノウハウ量によります。

憶測ですが合気道の達人で、気感に鋭敏な方は、
修練で相手の体の情報を読み込んで
相手の脳内ホログラムを得ていたのではないか?
そんな気がします。

相手を外面で読むだけではなく、
相手の内面のホログラムにコミットして相手が気づかない弱点を見つけだす。
これに磨きをかけていけば瞬時に一瞥しただけで、
相手の癖や動きの制限などを読み込み対応できる。
そう考えると合点がいくことが多い。
相手の外見を漠然と観るのではなく、
相手の見ている脳内ホログラムを、ビジュアルで読む。
ビジュアルで表現された像の情報量は飛躍的に増える。
だから瞬時に見切れるのではないか?

一番脳内ホログラムを読みにくい人は誰か?
それは「自分自身」です。
フェルデンクライス・メソッドでイメージで体を動かしたとき、
不思議とそのホログラムを操る感触があります。
ですがいつもは自分に「いったいどこみてるの?!」といいたくなる。
もどかしさがあります。

『己を知ること』
これが究極の修行なのでしょう。