頭蓋骨と骨盤の関係

頭蓋骨と骨盤。

あまり関連性がないようにみえる。

頭蓋骨は立位では最上部の位置にある。
骨盤は立位では中間位置。

だがそのようなことはない。
頭蓋仙骨治療という、
最近では少し知られたワークテクニック。
これも頭蓋骨部位と骨盤部位に焦点を当てているが、
実はこの両者を分断して別個のものとして扱っているわけではないようだ。

たとえば骨盤の腸骨部分と頭蓋骨の側頭骨。
この両者の動きはほぼ同期している。
骨盤の腸骨が関節可動域が制限され動かなければ、
頭蓋骨の側頭骨も動けない。
実はこれだけではない。
本当に多くの関連部位が骨盤と頭蓋骨には存在するのだ。

TMJ(顎関節症)のお客様。
単純に額関節周辺の筋肉を緩めるだけで、
顎関節に対応する骨盤部分が緩められておらねば比較的早く戻るそうだ。

『この顎関節を調整したいお客様に骨盤部分の筋肉癒着部分があれば戻りやすい。』
『骨盤にこびりついているしこりを解かないと。』
仙腸関節が解けただけではまだまだなんです。』
そう説明してもあまりピンとこないところが正直なところでしょう。
ですが骨盤部分に強く筋肉の癒着がある。
そして骨盤深部にしこりが入り込んでいると、
なかなか解放しにくい場所にあります。
それがほんとうに困った問題です。

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余談ですが。

膝機能に制限を受けたり発痛を感じるとき。
その膝の部分のみを見ているだけでは、
その膝機能の制限がなぜか?というものを見つけられないときがリます。
痛みが出る膝に対応している肘があり、
その肘に大変強いしこり化が進んでいるときがある。

その肘のしこりが膝が悪化してついたのか、
膝が悪化してから肘のしこりがついたのかはケースバイケース。
ですが右利きの方が『テニス』をしていて、
という条件があればたいていは肘という
脚部の筋肉よりずっと細い筋肉からしこり化が進む。
もうその肘のしこりは歴史としたハードな一個性を持った強固なしこり。
それがあれば必ず膝部に負担をかけて痛みを継続させてしまう。
それに症状を引き戻してしまうことも。
この点に気付きケアできることで、
その方の身体的ダメージの回復は速まる。
この差は意外なほど大きいものだ。

一見遠く関係なさそうな体の各部の相関関係。
だが整体やボディワーク等のテキストを読み、
ワーク中に気付くに従い、
それを見抜く目がついてくる。

興味深い世界です。