胸郭の左右非対称

胸郭の左右非対称
胸郭は左右対称に揃っているものか?


左右対称のものと左右非対称のものを人数的に比較すれば、
圧倒的に後者が大勢を占めています。
これは多くの方の体を観るワーカーはよく知っている事実。


右手が利き手といわれる方は、
ほとんどの方が(状態の差こそあれ)右胸椎側彎[=そくわん]傾向が生じています。
左利きならば左胸椎側彎へと傾きます。
つまり利き手や利き足があれば、
左右の筋肉の利用負担量が変わります。
その差と負荷の量に比例して胸郭バランスがずれてきます。


側彎症と診断されていないからと安心してはいられません。
側彎症の診断では背中のコブ値が一定以上達すると、
そのように診断を受けるのですがそれ以下は許容範囲内とされます。
ただ許容範囲内の側彎傾向でも呼吸のしにくさ、
上半身の力みが抜けない、
背中や腰の張り、
みぞおちへの差し込む圧迫感など感じられることがあります。


なぜ胸郭の左右非対称が起こるのか、
諸説ありますがそのメカニズムは仮定の域を出ておりません。
ただいくつか注意すべき定説はあります。
右利きで右手を使い過ぎることで右大胸筋が肥大することで、
この傾向は強められて胸郭の非対称度合いが増加していきます。
ですから手荷物を持つときなどは左右対称になるように分けたり、
定期的に持ち替えたりすることというアドバイスが成り立ちます。


他、スポーツをするとき。
ゴルフで右スイングばかりし、
あとは左スイングをして胸郭バランスをとるようにする。
など日常生活のなかでできるだけバランスを崩しそれを
助長させるような行動を抑制していくようにしましょう。


施術的にも胸郭の肋骨(特に肋軟骨や鎖骨)は骨折事故が多発する場所。
ワークを受ける側もそのリスクを負うことになります。
それになかなか最適な改善の糸口が見つけにくいのも、
この胸郭の左右非対称です。

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左右非対称の胸郭であれば運動的にもデメリットがあります。
息が上がりやすく、
体の中心軸が見つからない。


合気道の師範が『合気道は整体すれば強くなる』といいます。
バランス力や集中力が大幅アップする方もおられますから。


以外に胸郭の非対称は盲点になっています。
ちょっと自分の胸郭を触ってどうかな?って探ってみてください。