お風呂に身体を浮かべるとき。
身体はお風呂のお湯に浮いています。
身体全体が浮いている感じ。
水には浮力というものがありますからね。
いつも浮いているわけです。
そしてもっとよく観察するとどうでしょう。
身体全体が浮いているということは、
その中に含まれるすべてが浮いています。
浮力のある身体全体の全部はそのなかの一部も含むわけですから。
内臓もお湯の中でプカプカ浮いています。
心臓、肺、大腸、小腸、腎臓、膀胱、脳・・・。
すべてお湯の中で気持ちよく浮いています。
骨もプカプカお湯に浮いています。
大腿骨、骨盤、肋骨、その他・・・。
筋肉もプカプカお湯に浮いています。
大腿筋や臀部筋、僧坊筋、その他・・・。
身体の外側はお風呂のお湯という液体。
身体の内側は血液を含む体液という液体。
特に体内は海水と同じ塩分を生理的に含んでいるので、
内臓・骨・筋肉を浮かべるための浮力は真水以上に強い。
お湯に身体を浸してみて、
身体って浮くんですよねというと、
なんとなく『あぁ、そうだよね』となりますよね。
ではお湯から出てみたとき、
身体の体内はどうでしょう?
骨や内臓や筋肉は塩分の含まれる体液に浸されてます。
身体の中でずっと浮力を感じて浮き続けているんです。
お湯から出た後もやっぱり浮いていられるんです。
身体の中のすべての組織は多くが水。
その体内の水分比を年齢別で読み解けば....
・受精卵のときは98%。
・新生児で体重の75〜80%。
・幼児で70%。
・成人の場合は男性で60%・女性で55%。
・高齢者の場合は52〜55%くらい。
です。
皮膚という外界と内界の仕切りを挟んでいて、
その皮膚の内側の世界はいつも浮き続けている。
風船に海水を入れて膨らませる。
中には内臓や骨や筋肉の様なものを入れてみる。
そのような代物なのです。
過去に実際にこのようなモデルを試作しました。
このモデルを押してみると圧に対して、
押していない部分に影響が出るかなど、
全体が手にとるようにわかる。
この意識を持って人の身体にアプローチすると、
人の身体もこのモデルと似た現象が起きていることに気づくのです。
かなりふわふわと浮いているようなものなのですよね。
身体の中身、全体というものは。
そして柔軟性を通り越してぐにゃぐにゃしているものなのですよね。
新生児で体重の75〜80%はまさに柔軟を通り越した存在ですよね。
でも50%以上水分比があれば十分すごい柔軟であるはずなんです。
そのぐにゃりぐにゃり状態を脊椎や骨、起立筋群が立たせている。
芸術的な芸当だと思います。
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これが身体をとらえるときの基本概念です。
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筋肉というタンパク質とコラーゲンでとろけるように柔らかい組織。
それが骨と同じほど硬くなる。
そうなることがあります。
するとこの身体の中にある水分量が変わらなくても、
筋肉の状態が常に過緊張や無力化となります。
過緊張が続けば体内の組織を牽引して中を四方に引っ張り続ける。
無力化していく部分が同時に発生します。
陰陽の原理のように、
どこかの筋肉が緊張すればそれに対する側の筋肉が無力化しますから。
するとひとつの筋肉が緊張したり無力化を維持すれば、
骨や内臓そして影響を受ける筋肉も位置がずれるのです。
体内で浮いているのが骨や内臓や筋肉なのですから。
浮いていることにより体内の柔軟性をかなえさせて、
体液をくまなく流してくれるメリットがあります。
ですが浮いていることにより筋肉の硬化があれば、
とても影響を受けやすいともいえるのです。
『骨や内臓は浮いている』ものですから、
その浮きを利用して筋肉を解くという面白い技もあります。
(実用に用いようとは思いませんが)