『杉原千畝物語』を観た感想です


終戦60年ドラマ・日本のシンドラー杉原千畝物語・六千人の命のビザ』を観て。
観てない方ごめんなさい。m__m


強く印象に残るドラマでした。
確か以前関口ひろしさんが司会をしていた番組で、
杉原千畝のことを知っておりました。
そのときも強く感動しました。
日本政府の命令に逆らい、
ビザを発行すべきかどうか迷う姿。


まさに『人道』と『制度』の狭間で心が激しく揺れ動いている


エンドタイトルには「フィクション」という字幕がでておりました。
しかしこの心の中の葛藤はあったことを疑う余地はないと思います。


杉原は「人道と制度のバランス感覚」に優れた人物だと思います。


制度は完璧ではありません。
制度を制定した者は誰のためのルールとしてつくったのでしょうか?
ここに第一のひずみが生じてきます。
そこからいい面とできそこないの面。
その両面が必ず出てくるはずです。


ですが制度を運用するものは、
そのルールを貫くことが正義。
そう考えるようです。


するともし杉原がルールを守れば、
杉原は外務省を解雇されることもありませんでした。
ルールを運用する側の立場からすれば、
違法行為を行ったわけですからしかたないこと。
杉原に処罰が及ばなかったことについては、
外務省高官の配慮を感じることもできます。


制度>人道』を大切にする考え方。


その考え方にいつのまにか教化されている。
悔しいけどそういう面があるようです。
制度を破ればつらい罰則があります。
人道を貫くためでも裁かれるのです。


『制度のもつ不出来な性質』と戦い、
人道を重いものと評価した杉原にただただ感動。
自分はもとより家族まで不幸への道連れにする。
そこに渦巻く恐怖と罪のない人々の命を救いたい一念。


気の狂いそうな決断を迫られたはずです。


そのような状況下で最後まで
制度<人道』と判断した。
制度よりも人道を優先させる。


その意志を貫き通した勇気には身震いする神々しさを感じました。


制度は大切な社会生活を送るためのルールです。
もちろん制度や法律を守らなければいけません。
ただ人道と制度の優先順位付けを迫られたときは、
勇気ある決断をしても神様が許してくれるだろう。


一生のうちの幾度かは、
このような決断に迫られるときがあるかもしれない。
そのときの自分が間違った選択をしないように、
このドラマを覚えておきたいと思います。