心と体の絡み合う糸

「最近クレーム電話の質が変わってきている」


そんな言葉をお客様係をしている人から聞きました。


以前は製品の使い方がわからなかったり、
製品に不満があったり。
そのときは丁寧に使い方を教えたり
返品を受け付けたり不良品を取り替えればよかった。
それだけで話が済んでいたそうです。


ですが最近のクレームは、
「お前の会社の姿勢がなっていないんだ!」
「お前みたいな小娘じゃ話にならん。社長を呼んでこい!」
といった恨みの念や感情の爆発がお客様係にぶつけてくる。


結局は電話秘書の代行業屋さんにそのクレーム電話は繋がる仕組み。
クレームを付けたい会社の社員が電話応対をしているわけではない。
でもそのようなことを言えるはずもない。
傷つける感情を溜めた言葉を浴びせ続ける。
ときとして商品についてのクレームではなく、
まるで自分の子供や孫などに言えない不満を
この場で解消しようとしていそうな人もいる。


そのお客様係をなさっている方は、
メニエール氏病になりました。
その前がチック症。
そして職場の同僚も同じような症状を訴えている。
社員の欠勤が多く辞めていく者も多く居つかない。


雨あられの様に降り注ぐ叱り言葉や罵声。


人間は自分の自己評価を向上させる為に努力をします。
だから自己評価を削り取ろうとする言葉には、
精神的な拒否反応が生じるだけではなく、
肉体的に大きな症状がでてくる。


このときはメニエール氏病は身体状態を施術で改善するだけではダメ。
人は心の傷が基で体の症状が生まれることがあるのです。



アインシュタインが来日したとき「日本人は慎ましく思いやりがある」
と評していました。
そのころとずいぶん変りました。
残念なことです。


学校教育や社会環境。
人々の価値観。
多くのひずみが生じているようです。


人は感情により物事を受け取り考えます。
そしてひずみが生じたときに支配するもののひとつが恐怖心。


人間は生まれてきたときは、
二つのものしか恐怖心を抱かない様になっております。
大きな物音と落下恐怖のみ。
本当に生理的に怖いものはこの二つしかないそうです。


他はすべて後天的に身につけたもの。


後天的に身につけた恐怖心は複雑になり、
心と体に症状を映し出す様になりました。
恐怖心は体を硬直させ
脳波を不安定にさせます。
潜在意識にプログラムが気づかないうちに組み込まれる。
特段の自覚さえなく体の緊張が抜けなくなる。


たとえば先にあげたお客様係では、
電話を取るときにはかつて受けたつらい思いを思い出す。
それにより体が緊張して疲弊する。
自分では反射的に緊張して身構えて、
つらいことをやり過ごそうとするプログラムが働く。
それがあまりにも無意識に反射的な防衛反応で対抗している為、
自分ではなんでこれほど心と体が疲弊していくのかが解らない。


そういう場合には、
体を施術でちゃんと治せばきっとよくなるなんて、
安易なことはいえない。


既に体が疲弊し過ぎていて筋肉の各部の硬直化が著しいとき。
筋肉を緩めておいてからのほうが心の改善を促しやすくなることもあります。
ですが心が緊張するサイクルを処理できない場合。
再度心の緊張は体を同時に緊張させて固めることで神経を鈍化させます。
それでは体を緩めてバランスをとりながら動くことができなくなり
スピーディーに体の芯まで筋肉が固まり出します。
ですからそれだけでは一進一退。


たとえばお客様係の業務の場合。
心理学を応用したクレーム対応のノウハウがあります。
それを覚えて使いこなせるようになることが必要です。


心と体。


二つが密接に絡み合い、
症状を表出しています。


実はそこにはいくつかのパターンがあるそうです。
そのパターンをお伺いしたときなるほどと思いました。
思い当たるんです。
心と体の絡まった糸をうまく解くことができるようになると、
より優れた改善成績が期待できるようになるのだと思います。