触れる技


『秘伝』2006年1月号。
ワークをお受けいただく際に、
お客様かのI様からいただきました。
本当に感謝です。m__m


こちらに大東流合気柔術岡本正剛師範の
高速度カメラ写真が掲載されています。
岡本正剛師範の本は幾冊も拝見させていただきました。


ここまで秘密を紹介してくれていいのだろうかというほどです。
身震いするほど参考になりました。


もちろん不明な点がちょっと解ったからといって、
できるようになるのは数百年早いという世界です。
ですが喉のつかえが取れたような爽快感。

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秘伝p16
【触れ合気(=撫で合気)】。
これなんかは撫でるという表現で本当に面白い。
『撫で合気というのはなんで撫でるの?』
不思議でした。


撫で合気の手のひらの使い方に以前より興味を抱いていました。


『ワークで使えそう』ですから。^-^;


私は撫で合気を観てこれほどの対人制御能力があるのかと驚きまして、
同時にここにワークのときの接触や圧の繊細さや効力は撫で合気からくると
素晴らしいのではと直感しました。


圧をかけて筋膜をリリースするとき。
接触している点に対して撫でるように動かす。
おそらく接された人はその感覚はないでしょう。
でもそうしています。^-^;



古びた瓶詰の蓋をぐいぐい開けようとする。
でもなかなか硬くて開かないときってありますよね。


そのようなときに私は100円ショップで買ってきた
網状の大きなゴムシートを蓋に巻きます。
そうしてひねるとさっきまで開かなかった蓋が簡単に開いてしまう。


ゴムシートが蓋との接触面を増やし密着する。
そこに効率的に蓋を開くための力を生じさせる。
密着させて撫で回すとものすごい力が取り出せる。


ちなみに人のバランスを崩させるためには、
直線的な力で押すのでは避けられやすいのです。
撫でることで力のベクトルが予測つかなくなると、
相手が対応できなくなります。


本当はこんな姑息な説明は誤解を招くのでよろしくはないと思います。
合気道では常人には気づかない裏側で様々な反射の力を使ったり、
他の原理を応用して合気をかけるものですから。
そうは解っているのです。


筋膜をリリースするときの目的でタッチをするときの当たりの質。
そこをどのようにするべきなのか自分自身悩んだ過去があります。
それに人にこのように押してとお伝えしたときに、
危険な直線的な圧をかけて躊躇なく押そうとする。
その様子を観ていて、とりあえず
『押す力と撫でるような力』の二つを意識してもらうように考えまして。
始めは撫でる事を繰り返す。
撫でるとは横へスライドさせる動きですよね。


撫でる感覚が掴めたとき。
次に撫でながら少しずつ100g〜500g〜・・・と加圧を増やしてもらう。
撫でるために使う筋肉部位と押すために使う筋肉の部位は別物なんですよね。
これを別々にわけて意識しながら感覚を研ぎ澄ましていくようにする。


うまくビンの蓋を開けるほどの密着であればスライドする。
そうすればうまく筋膜の硬化した部分へアプローチしやすい。


そして奥の筋膜がずりっと動き出す『ずり圧』になる加圧ウエイトをかける。
こうすると先だっての危険な腱や筋肉や骨を痛める緩め方を覚えないで済む。


これは別に本職のワーク屋さん用というわけでもなく、
セルフマッサージ用の書籍もずいぶん出ています。
一般の方もこのノウハウを身につければ役立ちます。