治癒プロセスから顔を背け過ぎては、いいことがない。

急性の怪我について。


人が怪我をして傷つき炎症を起こす。
痛みがでているとき。
つらい状態です。


そのときに炎症を放置すれば痛みが続く。
早々と湿布や冷却スプレー・鎮痛剤などで対処。
対応がよすぎると傷が治る前に腫れを抑えます。


うれしい反面、
困った事も起きるのです。


炎症が起きているのは、
傷ついた部分を多量の血液をその場所に集めることで癒したいため。
リンパ液などもその場所に集めたい。


体細胞が破砕された状態になる。
それを急遽復活させるためには、
多量の栄養素が必要です。
炎症はその細胞再組成システムに組み込まれています。
炎症を起こす事で患部に栄養素を集める。
すると細胞レベルで順調に栄養素を受け、
新たな細胞の産声をあげさせるのに使う。
よくできた仕組みです。


炎症が起きている部分はまだ生きる生命力が強い。
炎症して痛みが嫌なのは誰も同じです。
でも炎症を外からの力でスプレーなどを多量に使い押さえられるとする。
すると炎症が起きたときよりも血液の集中という新鮮な血液をふんだんに
使ってその体の痛みが生じている部分の組織を新築することができません。


傷が治りきらないで体の中に取り残されてしまう。
すると体内にもろい構成要素を持つ事となります。
再度その箇所が怪我を負いやすいという状態です。


痛みや炎症。
それはその部分の神経が活発に動きはじめたこと。
怪我した組織に新鮮な栄養素を運ぶプロセスです。


『痛みや炎症があるな』ということは、
今そこを治す意志があるということです。


過度に不安がる事はありません。


痛みは不安により必要以上に増幅させられる代物です。
痛みが治癒力の発動を助ける治癒プロセスに組み込まれたもの。
そう考えて痛みと向き合えばよい。
その考え方は自然の摂理を捉えた、
素晴らしい改善と改良の道がある。
治癒プロセスに乗る確信を持つ事。
そう考える事で私は不安を消します。


痛みという治癒プロセスから顔を背ければ、
その後には麻痺が訪れます。
治癒できなかった部位の細胞が弱いまま取り残されるのです。
伸び縮みしなくなった硬い筋膜。
栄養素が少なすぎて虚脱した組織。
それが体の中に増えていく。


急性の怪我がいつのまにか慢性化。
そのような状態を私は望みません。


でも過度に安心する事も間違い。


ちょうどいい塩梅。
そこを見定めることが大事です。