太極拳式姿勢要諦写真の理解から・・・

先だって中国書書店に出向きました。
最近足しげく通ってます。
どうしても気にいった資料が見当たらず、
気にいるものが得られないとしつこく調査し続ける性格です。


そこで小冊子程度の本を2冊ほど購入。
揚式太極拳のシンプルな理法と効法の本です。
これが500円・580円かと驚くような小さな冊子です。
でも観た瞬間「買うしかない」と思いました。


この冊子は中国語。
漢字を拾い読みして意味を知る。
そんなかんじで楽しんでいます。

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この本の中のイラストや写真が示唆に富み気にいりました。


たとえば横面立ち姿のミドルショットの写真が掲載されています。


一枚目の写真がとてもいい姿勢。
私が観ても惚れ惚れします。


もう一枚はちょっと胸が緊張した姿勢。


たまたま顔見知りの友達に、
『この2枚の写真をみてください。
どちらの写真の方が理想的ですか?』
という質問をいたしました。


すると自信なげに、
「こちらでしょうか?」
と胸が緊張した方の写真を指さされました。


そこですかさず、
『この胸の前の部分が出っ張って緊張しているんですよ』
と説明。


中国語で解説が書かれています。
呼吸がしにくなり、
首前側が圧迫をうける。
そして血液循環も不良となり、
精神的に萎縮して不振となると書いてあると説明。


ですが説明を受けてもまだ納得できない様子。
この友達は体関係のお仕事をしてます。
でもよくわからないという感想。



それからちょっと思案して、
釣り鐘と同じイメージで胴体が立つイメージを解説。
そして私が言いたかったことを理解してくれました。


すると先程までは、
ちょっと難ありの姿勢が正しく思えていたのが、
「確かに顎が緊張しているように見える!」
「あっ肩が上にあがってるじゃないの!」
とぼろがいくつも見えてきたようです。


実際はこの姿勢も『ちょっと難点があるだけ』です。
とても負担のかかる姿勢をしていたときから、
次にこのちょっと難ありの姿勢に移行し、
次に整った姿勢に発展していく。
このようなステップがあるように思います。


最初から負担がかかっている姿勢から、
いきなり整った姿勢に移行できればよい。
だがそれは実質問題として難しい。


脳の中の立つときの癖が強固に支配している。
無意識に立つ動作は脳がプログラムにより自動化して作動するものだ。
その気づかないうちはついつい負担がかかる姿勢に戻ってしまうからだ。


それに整った姿勢を実現するためには
体の基礎的なバランスや筋肉の質が実現していること。
そのうえこの状態で立つための数多くの要諦を理解して、
実際に体現できるように練らなければならない。
簡単そうに立って見えるけど高等技術だと思う。


そして友達の立ち方の姿勢は
ちょと難ありの姿勢をしている。
自分の体感覚で共鳴させて写真を観ると、
ちょと難ありの姿勢に馴染んでいることになる。


すると共感しづらい整った姿勢のほうが不自然に感じられるのかもしれない。
そのような仮説が立つかもしれない。


そのお友達。
しばらくすると整った姿勢の写真を
「すっきりしていていい感じだね」と口に出すようになる。
さすがは同業者というところであります。
するとそのように意識や視点が変っただけで、
20分前の立ち方よりも
『格段に整った姿勢に近づいて立っている』ではないですか!!
友達が体についての基礎知識と体験があるので、
大きな変化がスムースに訪れたのかもしれない。


でもこの整った姿勢イメージを把握しておらねばどうなるでしょう。
次のステップに進展するのに多くの時間を費やすことになるかもしれません。


少なくても友達は嬉々として、
私の説明した内容を自身のお客様にして役立てているそうです。


私もそれ以来、
お客様にその写真をみていただいて、
どちらが理想的な姿勢かをあてていただくようにしています。^-^)