管の存在しない体内の体液の流れの特性

体には体液が流れている。


血管やリンパ管が通る血液やリンパ液。
しっかりした体液が流れる管がある。
だからわかりやすいですよね。


ですが体液はこれだけではないんです。
仁神術のテキストを読んだことがあればそれはわかるでしょう。
十二液という自分自身で飲食して造り出した体液が流れている。
興味深い事に十二液の流れは血管などのような特別な管がない。
皮膚と筋肉、筋肉と筋肉の間、骨と筋肉の間を流れているのだ。


この十二液の流れ。
十分に流れることができる広さが備えられていればいいでしょう。
そうすればいつも十分な十二液の流通があるわけです。
この循環があって健康が維持できるような仕組みです。


ですが問題が起こることもあるのです。
筋肉が癒着していていると十二液が流れるスペースが狭まる。
それにより十二液の流れ方が変ります。
体液は川の流れと同じようなものです。
大量の体液が流れるにしても、
大河のような広さがあればゆったりと流れるのですが、
小川のような狭さですと激流となる。
あたかも水の流れるホースの噴射口を狭めると、
勢いよく水が流れるのと同じ仕組みと同じです。


ゆったりと流れることでこの十二液の栄養素が各組織に供給できます。
しかし激流では体液を十分に組織にしみこませることができません。
うまく各体組織に十二液の栄養素が浸っていられない。
すると筋組織が栄養不足を起こして痩せていく。


また別の面から観察すると、
体液がうまく流れずにたまったところは腫れていくこともある。
体液が流れるべきところに届けられないのは、
水が流れるホースを踏み蛇口元のホース部分が膨らむのに似ています。
また同時に次のことも起こるのです。
体液の流れが行き届く量が減ることで故障が起きる。
栄養素が受け取れなければ体組織が一種の飢餓状態に陥るわけです。
体組織も栄養素を受け取れなければ弱化していくのです。
そしてこの現象は、
十二液の流れの上流で起こればその下流すべてに影響が出ます。



筋肉のコンディションが問題になる。
皮膚と骨と筋肉同士が硬化しつづければ十二液が滞る。。。
それは極々物理的な現象です。


筋膜をリリースするとき、
私は十二液の流れを意識します。
仁神術のテキストを参考にしてみると、
なぜこの箇所から下流が一連に影響があるか応えてくれることがある。
筋膜の癒着により筋肉の連動帯が引きつって起こる牽引痛以外の痛み。
そういうものがあるときに十二液の流れの停滞を考えたりもしますね。


ただ先に述べたように十二液は管が存在しないため、
漠然としたものとしてとらえられがちです。
漠然としたことにあまり突っ込んだ話をすると
説明を受けても頭が混乱をきたすことがある。
そのような場合には『十二液の流れが滞る』とは言いません。
『血管をここのしこりで圧迫をしているでしょう』と
硬くなったしこりを触ってもらい
脈が硬く波うっていることを確認してもらうに留まるのです。
たいていのお客様は血管についての存在は疑いませんから。
この説明は比較的直感的にわかりやすく、
なるほどという感想を得られるのです。


とりあえず十二液がという詳しい説明を覚えるよりも、
単純に次のように把握してください。


筋肉が固まってしまうと困ったことが起きる。
筋肉同士や皮膚と筋肉や骨と筋肉との間を重要な体液が流れている。
その流れを滞らせてしまうのです。
その流れの停滞により体の組織に栄養素を運びづらくなりダメージがでる。
だから体は健康な赤ちゃんのような柔らかい筋肉を備えている必要がある。
そうなっていれば体の中の体液の循環は健やかでいられるでしょう。
。』と。