お茶碗をひっくり返す力

どこぞの本で読んだ話。


『人を投げるのはお茶碗をひっくり返す程度の力で十分』
といいます。


確か合気道の本だったかもしれません。^-^;


人とお茶碗は質量や重心点も違えば動体か静体かの違いもある。
技術的にはおそらく正しいことをおっしゃられているようです。
ただ発想の転換をしなければこの人とお茶碗のひっくり返しは理解できない。


私などは本道をそれて考えてしまう。
お茶碗をひっくり返すことができるほどの弱い力ならば
『力まない』動きができる。
『力まない』ならばうまく体の力がそのモノへ伝わる。
自分の体の内部に力がこもったりするような不経済はない。
『人を投げるのは大変』というイメージが、
『お茶碗をひっくり返すのはカンタン』に駆逐される。


じゃあ『お茶碗をひっくり返す』研究をすればいい。
お茶碗のどこをどの方向でどれくらいの力やインパクトで押せば
効率よくひっくり返るかを探すことが大切。



実際にやってみる。


一番手で言えば非力な左手薬指で力みが入らないように押してみる。
最小限度の力でひっくり返すにはどうすればいいだろうか。
しばらくこの実験をしてみる。
発見できたことは多くて、
予想と違うことも起きた。


通常は力学的な力を与えたベクトル方向へ、
最小限の力で一撃することを考えるだろう。
それだけでは芸がない。
軽く一回つっついて、
矢継ぎ早にお茶碗が戻ってくるところを手元に引くように軽くつっつく。
すると弱い力を二回使うだけで手元の方へもひっくり返せた。
戻ろうとする力には加速度が付くからそれをもうちょっと加速させる。
それには大きな力は必要ではない。
合力のようなものですよね。
回転させるように押しても面白い。
重心をぐらつかせてからその行き先を読んで対応すれば、
案外と楽に倒せるのかもしれない。。。


そしてはたと気づく。


『そうか。
構造体の重心を捉えたり特性をしっかり見つめればいいんだ。
そうすればどんどん効率のいいひっくり返し方が見つかる。』


それを見つけるセンスがあれば
お茶碗をひっくり返す要領で、
人をひっくり返すこともできる。


この人がひっくり返る原理がわかれば、
自分がひっくり返らないようにするためにしなければならないこともわかる。
^-^)これがとても大切。


残念ですが
『人を投げるのはお茶碗をひっくり返す程度の力で十分』
と私には到底いえるものではありません。
これができればワークをするときに真に迫れるのですが。
それに私の肉体疲労度も激減するというおまけ付きです。
頑張らねば。


ただどうにかお茶碗をひっくり返すのは上手くなりました。^-^;