鍼での『安全角度』と『危険角度』

経絡に興味が出てきて、
そちら関係の本を多読してます。

そのなかの一冊。


書名:刺鍼事故―処置と予防
編集:劉 玉書
翻訳:淺野 周
出版:三和書籍


鍼による経絡刺激の有効性に関心があります。
経筋という体内の筋膜ベルトに刺激を加える。
それにより自律神経系がよく調整される。


だが私は鍼を受けた事がありません。
鍼を打つことその詳細について知りたくなりました。
そしてこの本に出会いました。


身体を輪切りにして鍼をツボに打つとき。
この角度で打てば『安全角度』で、
この角度で打つと『危険角度』。
よくわかるんです。


安全角度で打たれている鍼は、
適切に筋、筋膜にその先が達している。
それにより経絡を刺激しております。


それに対して、
危険角度で打たれている鍼は、
内臓や諸器官などに達して傷つけている。
それにより障害が起こるのです。


身体の胴体などの断面イラストに、
安全角度に刺さった鍼と危険角度に刺さった鍼。
それらが書かれていまして、
確かに明らかに危険角度に刺されば大変な事になるのは一目瞭然です。
素人が観てもすぐにわかる。
安全角度では的確に目的の場所に鍼先が刺さっているのもわかる。
鍼を打つとこういう体内状況が皮膚の下で起きているのですね。
ビジュアル的に把握できてとても参考になりました。


この安全角度というものを知ったとき。
これが指で圧をかけるときにも、
ツボを刺激するときにどのような力で、
どのような角度で圧をかけるべきかが
とてもよくイメージできるようになりました。


私ども筋膜をリリースする圧をかけるときにも、
圧を変える方向や深さや範囲などを計算します。
計算をするときにこの本の安全角度を意識すれば、
より厳密に筋膜をリリースすることができるようになるのでは。
そう期待する事ができました。


鍼灸師はこの安全角度や危険角度を把握して施術しています。
鍼で物理的に刺激を加える緊張感。
この本を読んでみて、
ひと鍼ごとの真剣さがひしひしと伝わります。