ワークでどの状態までお客様が改善したらOKか?

『ワークでどの状態までお客様が改善したら仕事が終わるのだろうか?』


『主訴改善まで』という考え方があると思います。


たとえば....
お客様からの訴えが
「40肩で腕が上がらなくなったから、これを直して欲しい」
という要求があったとします。
その要望にこたえて問題がなく動ける状態となれば終了する。


以外に筋・筋膜系疾患の主訴であれば、
オステオパシーのテクニックを利用すると、
容易に改善を図ることができるケースがあります。
ケースバイケースですけど主訴を和らげることは、
主訴の元となる部位、関連筋などを先行して緩め、
それから主訴部分を緩めるというような形で対応。
すると痛みや不快感が軽快することが多いのです。
カウンターストレインや筋・筋膜リリースなどを、
要所要所で体の状態を読みながら対応するのです。
癒着が進んだ深部筋部分まで解放しない対応なら、
長い時間と回数は比較的少なくすることもできる。


ただボディワイズの目標は異なります。
体の柔らかい幼子のような癖のない筋肉に戻し、
その状態から体の使い方を再プログラミングしていきたいと願っている。
これは言うほど簡単な作業ではないです。
それは私が一番よく体験しているからわかります。
でも極力その意に沿うようにがんばっています。



それは至極個人的な思いによるものですが、
『お客様があと十ねん健康で長生きできるように』
という願いがあります。



以前に私の父のことについてこちらの日記に少し書き込んだことがあります。
50代で健康を害して他界しました。
左官業という肉体を酷使するしごとで腰椎ヘルニアになり、
それが元でさまざまな苦しい思いをして、
それから紆余曲折があっての他界です。
私がワークを始めるとき、
腰椎椎間板ヘルニアをケアできる技術を得られるまで、
歯を食いしばってもがんばりたいと思いました。
かなりの情報と経験をつませていただきました。
当時の父を今の自分ならばケアできるだろうと、
父のレントゲン写真を観て考えることができる。
すると、人間って少しずつ欲が出るんですよね。
「確かにケアできるだろう。
ただ椎間板ヘルニアはいったん治っても再発するケースが多い。
当然改善後に父ならばまた左官業という肉体労働をするはずだ。
ならば再発は火を見るよりも明らか」


『健康であと十ねん長生きするための技術が必要だ』


そう考えるようになりました。


ヘルニアという主訴が改善して痛みが減少して働けるようになる。
ここまでが父の先立つ願いだ。
だがその主訴を改善しても再発という漠然とした不安が常にあり、
少し仕事で無理すれば他の人以上に腰がはれ上がるはずだ。
またお客様についても同様で、
深層筋がひどいしこりとなりリンパや血液の流れが阻害しているが、
お客様ご自身は自覚はないことが多い。
現状の自覚がなくても血行阻害要因などは時間と共に積もり状況を悪くさせる。
主訴以外にお客様が気づかない癒着部分やそれによる炎症などの問題点もある。
再発をする不安を私の目は見つけていて見過ごすことができません。
だがそこを突っつけば大変な作業量となります。


でもそこを改善しなければ私の求めるゴールはない。


私なりに必死に健康でもう十ねん長生きするため研究をしてきました。
合気道太極拳のお勉強なり他の施術なりもそのための研究材料です。
私が愚直なまでに体の使い方の時間を割き体の深層筋までも解くのは、
私なりのゴール設定があるからです。


健康で長生きできる技術を、
私の父が利用できておればずいぶんとうれしいことです。
そのような果たせぬ思いが私の胸のうちにあるようです。