痛覚マジック

からだのつらさと体のよさは正比例するときがあるのです。


皮肉な事実です。


体にしこりが多くはびこっている。
そのしこりが表層筋のみならず深層筋や関節周りに大きく存在している。
または腹部のおへそ左下あたりの大動脈と大静脈がクロスする箇所や
左鼠径部などに大きなしこりがある。
すると血液の流れを細くして神経の麻痺が起こります。
捕食動物がいた自然界では
運動神経が麻痺を起こすと重篤な危険に即座に襲われます。
だから運動神経は完全麻痺は相当ひどくないとなりません。
そうならないように体のシステム状造られているのです。
それに対し痛覚神経は他の運動神経よりもはやく麻痺します。
痛みを伝えるホルモンは体が元気でなければ流れないものです。
痛みが分かるのは正常な生理的反応のひとつだかれです。
だから体にしこりが多くはびこるとその正常な痛覚反応が減退していく。
つまり痛覚が麻痺していきます。
痛さを感じないから快適でいられます。


ただこれは薄氷の上を歩く状態であるといえるでしょう。



体にしこりなどなく十分に痛覚神経が機能できるような血流があるとき。
とても体が柔らかくて健康体にみえるような人がいます。
でも人はどこも弱点もない肉体を持つものなどいません。
どこかしら先天的器質上のネックや後天的な怪我による後遺症や過労、
そして動き方の不具合が生むしこりなどを抱えていることが多いのです。
このときはわずかな肉体的不具合でも大きな痛み感じます。
ささいな痛みでも強烈なダメージとして感じ取る。
その痛みによりノイローゼなどの精神的不安にもなります。
すごく反応がよいのでかえって困ることにもなりかねない。
敏感な痛覚を持つならばかえってよりボディメンテナンスが必要と痛感する。
だから不思議なことに極々少数派ですが簡単にケアできてしまう人がでてくる。
「私はとても体がつらくてつらくて」と訴えられても対応は容易です。


最初に体の中にしこりが多数存在すれば
痛覚が麻痺して違和感を感じられなかったところがある。
だがワークなどでしこりが取り除かれるに従い痛覚が戻る。
痛みに気づき驚く。
という流れが生じます。


痛覚は体を守るための極々生理的な機能です。
だからそれ自体が悪いわけではないのです。
ただ体に負担をかけない維持の仕方を研究し実践しなければ
しこりの解かれすぎといわざるをえません。


見極めが大切ですね。