体を動かすときに虚実を適切に分けられるか?

ワークのときの体の使い方について。

これはべつにワークに限った話ではないが、
中国武術風に説明すれば、
「虚実分明」にする。
つまり虚となる部分と実になる部分をしっかり分ける。

太極拳等をしている方々ならば、
聞き覚えのある言葉ですからわかりやすいかもしれませんね。



本来は丹田部分が実になって手先が虚になっていないといけないのに、
逆に手先ががちがちに硬くなり力が入り丹田部分がおろそかになる。
そうなれば虚実は不鮮明になるため動きが重心を見失い、
体全体が倒れないように筋肉を硬直させて耐えていく。
そのような動きをしていれば体をうまく使えない。

ワークテクニックを施しているときに、
力が体の皮膚の表面にだけゴツゴツとあたり、
その部分がない出血したりもみかえしが出る。
そんなときはワーカーが虚実をわけることが未熟なこともある。



これではテクニックも活きないし、
かえってクライアントにダメージさえ残る。

そんなことがあるから、
よく整体やさんなどの手技を必要とする施術を生業とする方々は
合気道をしたり太極拳をしたり他さまざまな技芸に精通しようとする。
理想的な体の虚実のおきかたを学び取ろうと努力する。
そして虚実が適切に分かれていくと技が決まり始める。
その実感を持ち始めることだろう。

だからちゃんとトレーニングした施術家さんと
まだこれからという駆け出しの施術家さんとは、
施術の効果が大きく差が出てしまうことがある。
だからひそかに私もがんばっているんです。^-^;


実際に虚実をどうわければよいのかわかってみると、
今までの力みが入る動き方をするときは、
ことごとく体の虚実の置き方が分からずに逆転していたりしたかと驚く。

この虚実を分ける感性が身につくと、
人の動きの質や技芸をする方の力量がわかりだします。
わかったと同時にどのようにすればよいかの指示も
それなりにそつなくできるようになります。
ただその指示を受けた方自身が
その虚実を分ける感性を身につける努力をしなければいけません。
そうしないとこれほど応用が利く技術の
ほんの一部をえて満足するだけになるからです。
それじゃ、もったいないですからね。
ある程度、体のことを深く追及したい方々は、
広く体を物理現象的・解剖学的・生理現象的に捉えて試行錯誤していきましょう。
ぜひ!